2026年10月現在、次のNHK大河ドラマとして注目されているのが、2027年1月10日放送開始予定の『逆賊の幕臣』です。主演は松坂桃李、脚本は安達奈緒子。幕末から明治維新にかけて、日本の近代化に尽力しながらも新政府から「逆賊」と見なされた幕臣・小栗忠順(おぐり・ただまさ)の生涯を描きます。
加えて、2028年の大河ドラマは山﨑賢人主演の『ジョン万』に決定しています。2026年の『豊臣兄弟!』から続く3作品は、戦国時代、幕末の政治と近代化、そして太平洋を舞台にした冒険という異なる題材が並ぶラインアップです。放送開始日、脚本、出演者、史実との関係、タイトルに込められた意味まで、2026年10月時点の発表情報を整理します。
【次の大河はいつ?】2027年『逆賊の幕臣』の放送開始日と基本情報

2027年のNHK大河ドラマ第66作は『逆賊の幕臣』です。NHK財団が運営する「ステラnet」の番組情報や出演者発表によると、放送開始日は2027年1月10日(日)。NHK総合では毎週日曜午後8時からの放送が予定されています。
主人公は、江戸幕府の幕臣・小栗忠順。演じるのは松坂桃李です。幕末の歴史ドラマでは坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟などが中心人物として描かれることが多いなか、本作は幕府の内部から日本の未来を変えようとした人物に焦点を当てます。
制作発表は2025年3月3日に行われ、2026年に入ってからは家族や幕府の要人、朝廷、薩摩・長州の人物など、複数回にわたって出演者が発表されました。2026年10月9日には中村倫也、寛一郎、斎藤工、西岡德馬の出演が発表され、主要人物をめぐる人間関係がさらに見えてきています。
2027年は小栗忠順の生誕200年にあたります。節目の年に彼を主人公とする大河ドラマが制作されることは、これまで比較的知られていなかった幕末の政治家・実務家に光を当てる機会にもなりそうです。
(出典:NHK財団「ステラnet」の制作発表・番組情報、2026年10月9日の出演者発表)
【小栗忠順の史実と生涯】なぜ「逆賊の幕臣」と呼ばれたのか
小栗忠順は1827年に生まれ、江戸幕府の要職を歴任した幕臣です。一般には小栗上野介(おぐり・こうずけのすけ)の名でも知られています。外交、財政、軍事などの分野で手腕を発揮し、幕府が大きく揺らぐ幕末期に日本の近代化を推進しました。
小栗の転機となった出来事の一つが、1860年の遣米使節への参加です。日米修好通商条約の批准書交換を目的とした使節団の一員として渡米し、当時のアメリカの産業や軍事技術、造船技術などを視察しました。日本と欧米の技術力の差を実感した小栗は、帰国後、国の防衛力と産業基盤を整える必要性を強く意識するようになります。
その取り組みを象徴するのが、横須賀製鉄所、後の横須賀造船所につながる事業です。フランスの技術協力を得ながら進められたこの施設は、船の建造や修理を可能にする近代的な産業基盤でした。小栗は幕府の権威を守るだけでなく、国が自らの技術力で外国に対抗できる体制を整えようとしていたのです。
横須賀市の観光情報でも、遣米使節としての渡米経験や、帰国後に横須賀製鉄所の建設を推進した功績が紹介されています。幕府の崩壊後、その政策や技術基盤の一部が新政府へと引き継がれた点も、小栗を再評価するうえで重要です。
一方、1868年の戊辰戦争では、旧幕府側に属した小栗は新政府軍によって捕らえられ、処刑されました。新しい政治体制を築こうとした側から見れば、旧幕府の要人である小栗は警戒すべき存在でした。その後の歴史叙述では、彼の業績が十分に語られない時期もありました。
ここで重要なのが、タイトルの「逆賊」という言葉です。「逆賊」は、国家や政権に反逆する者を指す言葉ですが、誰がその呼び名を与えるのかによって、人物の評価は大きく変わります。旧幕府に仕えた小栗は、明治新政府の立場からは敵と見なされました。しかし、日本の近代化に残した功績まで否定されるべきだったのでしょうか。
『逆賊の幕臣』というタイトルは、勝者の側から書かれた歴史だけでは見えてこない人物像を問い直すものです。小栗を単純な悲劇の英雄として描くのではなく、政治的な判断や改革の難しさまで掘り下げられるかが、作品の見どころになります。
(出典:横須賀市観光情報「小栗忠順ゆかりの地 横須賀」、NHK財団「ステラnet」の番組紹介)
【キャスト・出演者一覧】松坂桃李、大沢たかお、上白石萌音らが集結
『逆賊の幕臣』の魅力の一つは、主人公の小栗忠順を取り巻く人物の幅広さです。家族や恩師、幕府の上層部、朝廷、そして薩摩・長州の倒幕勢力まで、幕末の政治を動かした人々が登場します。
脚本を担当するのは安達奈緒子。連続テレビ小説『おかえりモネ』やドラマ10『透明なゆりかご』などを手がけた脚本家です。制作発表では、幕末の政治や歴史を真正面から描く意欲が示されました。政治劇としての緊張感と、時代の波に翻弄される人物たちの人間ドラマの両面が期待されます。
2026年10月9日までに公表された主な出演者と役柄は、次のとおりです。
- 松坂桃李:小栗忠順。日本の近代化を推し進めようとする主人公。
- 大沢たかお:勝海舟。小栗のライバルであり、互いの能力を認め合う幕末の重要人物。
- 北村有起哉:小栗忠高。忠順の父。
- 鈴木京香:くに。忠順の母。
- 上白石萌音:みち。忠順の妻。
- 岡部たかし:井伊直弼。忠順を取り立てる幕府の大老。
- 中村雅俊:安積艮斎。忠順の儒学の師。
- 青木崇高:栗本鋤雲。忠順の盟友。
- 高橋光臣:駒井朝温。
- 宮野真守:滝川具挙。
- 芝大輔:朝比奈昌広。
- 荒川良々:三野村利左衛門。
- 宅麻伸:徳川家慶。
- ふかわりょう:徳川家定。
- 神尾楓珠:徳川家茂。
- 岩田剛典:阿部正弘。
- 北村一輝:鳥居耀蔵。
- 柄本明:徳川斉昭。
- 瀧内公美:たみ。勝海舟の妻。
- 齋藤潤:小栗忠道。小栗家の跡取りとなる人物。
- 飯尾和樹:建部政醇。
- 草川拓弥:荒川祐蔵。
- ANI:武笠祐左衛門。
- 甲本雅裕:佐藤藤七。
- 眞栄田郷敦:孝明天皇。
- 奥野壮:明治天皇。
- 山中崇:岩倉具視。
- 長塚京三:鷹司政通。
- 中村倫也:吉田松陰。
- 寛一郎:高杉晋作。
- 斎藤工:島津久光。
- 西岡德馬:島津斉彬。
出演者の発表は段階的に行われており、今後の追加発表や番組情報の更新によって変更される可能性があります。上記は2026年10月時点で公表された配役を中心に整理したものです。
(出典:NHK財団「ステラnet」の2026年2月、4月、6月、8月、9月、10月の出演者発表)
【小栗忠順と勝海舟の関係】対立しながらも認め合った2人の近代化構想
『逆賊の幕臣』を理解するうえで欠かせないのが、小栗忠順と勝海舟の関係です。勝海舟は大沢たかおが演じます。2人は幕末の日本が直面した危機を認識しながらも、幕府をどう変え、国の未来をどう築くかという点で異なる考え方を持つ人物として描かれます。
番組の物語紹介では、1860年の遣米使節をめぐる場面から2人の対照性が示されます。小栗は米艦ポーハタン号に乗って渡米し、アメリカの文明を直接目にします。一方、勝海舟が乗った咸臨丸も太平洋を渡りましたが、番組のあらすじでは、航海中の勝が体調不良に苦しみ、屈辱を味わう様子が描かれています。
ただし、ドラマで描かれる個々の場面と史実そのものは、分けて理解する必要があります。実際の遣米使節団は条約批准書の交換を目的に渡米し、小栗はその一員として外交の現場を経験しました。勝海舟も咸臨丸で渡米しており、2人の経験は幕末の日本が世界と向き合う過程を考える重要な材料です。
2人の違いは、近代化を進めるための方法にもあります。番組の説明では、小栗は幕府という組織を改良して人々をまとめる仕組みを整えようとし、勝は幕府の枠組みにこだわらず、能力ある個人が活躍できる道を模索する人物として描かれます。どちらも国の危機を乗り越えようとしているからこそ、方法の違いが緊張を生みます。
小栗が推進した横須賀製鉄所の建設は、外交や政治だけでなく、産業や技術を通じて国の自立を目指した取り組みでした。幕府の財政が厳しく、国内の対立が深まるなかで長期的な投資を進めることは容易ではありません。改革の必要性を理解していても、政治的な支持を得られなければ実現できないという問題は、現代にも通じるテーマです。
視聴時には、単に「小栗が正しく、勝が間違っていた」と結論づけるのではなく、2人が何を守ろうとし、どんな未来を想定していたのかを比べると、物語をより深く楽しめます。
(出典:NHK財団「ステラnet」の『逆賊の幕臣』物語紹介、横須賀市観光情報)
【2026年・2027年・2028年の大河を比較】『豊臣兄弟!』から『ジョン万』へ
次の大河ドラマだけでなく、2028年の作品まで視野に入れると、近年の大河ドラマが選んでいる題材の幅広さが分かります。2026年の『豊臣兄弟!』は戦国時代、2027年の『逆賊の幕臣』は幕末の政治と近代化、2028年の『ジョン万』は海を越えた冒険と異文化交流が中心です。
| 放送年 | 作品名・シリーズ番号 | 主演・脚本 | 主な題材と注目点 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 『豊臣兄弟!』第65作 | 主演:仲野太賀 脚本:八津弘幸 |
豊臣秀長の視点から、兄・秀吉とともに天下統一へ向かう戦国時代を描く。 |
| 2027年 | 『逆賊の幕臣』第66作 | 主演:松坂桃李 脚本:安達奈緒子 |
小栗忠順の生涯を通して、幕府の近代化政策、外交、財政、明治維新の歴史を見つめ直す。 |
| 2028年 | 『ジョン万』第67作 | 主演:山﨑賢人 脚本:藤本有紀 |
ジョン万次郎こと中濱万次郎の漂流、渡米、帰国後の活躍を描く冒険物語。 |
2026年の『豊臣兄弟!』は1月4日に放送を開始し、豊臣秀吉の弟・秀長を主人公に戦国時代を描いています。2027年の『逆賊の幕臣』では、幕府の内部から国の近代化を目指した人物が中心となり、2028年の『ジョン万』では、海外での経験を通して日本と世界をつないだ人物へと視点が移ります。
2028年の『ジョン万』は、2026年4月9日にNHKが制作と主演を発表しました。山﨑賢人が演じるのは、ジョン万次郎として知られる中濱万次郎です。脚本は『平清盛』『カムカムエヴリバディ』などを手がけた藤本有紀が担当します。2026年10月時点で、放送年と主要スタッフ・主演は発表されていますが、具体的な放送開始日は別途発表を待つ情報です。
この3作品は、主人公の立場も異なります。秀長は天下統一を支える補佐役、小栗忠順は体制の内側から近代化を試みた幕臣、ジョン万次郎は異国で得た知識と経験を日本へ持ち帰った人物です。歴史を大きく動かすのは、必ずしも天下人や戦場の英雄だけではないという共通点があります。
(出典:NHK財団「ステラnet」の番組情報、NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」番組案内、2026年4月9日の『ジョン万』制作発表報道)
【歴代大河ドラマから見る注目点】『逆賊の幕臣』はどんな人におすすめ?
NHK大河ドラマの歴代作品を振り返ると、戦国時代や幕末、平安時代など、時代ごとに異なる政治体制や人間関係が描かれてきました。直近では2024年の『光る君へ』、2025年の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』、2026年の『豊臣兄弟!』と続き、2027年の『逆賊の幕臣』は幕末政治史を扱う作品となります。
『逆賊の幕臣』が特に向いているのは、幕末の有名人物を別の角度から知りたい人、政治や外交、財政、技術革新といったテーマに興味がある人です。坂本龍馬や西郷隆盛を中心にした物語とは違い、幕府の実務を担った人物が何を考え、どのように政策を実現しようとしたのかに注目できます。
一方、合戦や派手な戦闘シーンを中心に楽しみたい人にとっては、政治交渉や制度改革の描写が多い場面をじっくり見る必要がある可能性があります。小栗忠順の物語は、勝敗の分かりやすさよりも、正しいと信じた政策がなぜ受け入れられなかったのか、時代の変化にどう対応したのかという問いに重点があります。
また、史実を知っている視聴者ほど、ドラマの演出と歴史上の出来事を照らし合わせる楽しみがあります。たとえば、遣米使節の航海、横須賀製鉄所の建設、幕府の財政難、戊辰戦争での小栗の最期は、人物の行動と時代背景を理解するための重要な手がかりです。
歴代作品を比較するときは、主演俳優の知名度だけでなく、主人公が歴史のどの位置にいたのか、作品がどの視点から時代を描くのかにも注目してください。『逆賊の幕臣』は、歴史の勝者だけではなく、敗者とされた側の判断や功績にも目を向ける作品として期待されます。
【次の大河】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:次の大河ドラマ『逆賊の幕臣』はいつから放送されますか?
A1:2027年1月10日(日)に放送開始予定です。主演は松坂桃李、脚本は安達奈緒子。NHK総合では毎週日曜午後8時からの放送が予定されています。
Q2:『逆賊の幕臣』の主人公・小栗忠順は実在した人物ですか?
A2:実在した江戸幕府の幕臣です。1860年の遣米使節に参加し、帰国後は横須賀製鉄所の建設など近代化政策を推進しました。1868年に新政府軍に捕らえられ、処刑されています。
Q3:2028年の大河ドラマ『ジョン万』の主演は誰ですか?
A3:山﨑賢人です。ジョン万次郎こと中濱万次郎の生涯を描き、脚本は藤本有紀が担当します。2026年10月時点では2028年放送と主演・脚本が発表されており、具体的な放送開始日は今後の発表を待つ情報です。
2027年の次の大河ドラマは、松坂桃李主演の『逆賊の幕臣』です。2027年1月10日スタート予定で、脚本は安達奈緒子。小栗忠順という幕臣の生涯を通して、幕末の外交、財政、軍事、産業の近代化、そして明治維新の勝者と敗者の関係を描きます。
2028年の『ジョン万』では山﨑賢人が主演を務め、ジョン万次郎こと中濱万次郎の冒険と異文化交流が描かれる予定です。2026年の『豊臣兄弟!』から続く3作品は、戦国、幕末、海外冒険と異なる時代と人物を扱いますが、いずれも歴史の転換点で重要な役割を果たした人物に光を当てています。
『逆賊の幕臣』をより深く楽しむためには、主人公の知名度だけで判断せず、小栗忠順が何を目指し、なぜ新政府から逆賊と見なされたのか、そして彼が残した近代化の遺産がどのように受け継がれたのかを知ることが大切です。放送開始までに幕末の基本的な流れや勝海舟との関係を押さえておけば、政治的な対立と人物の葛藤をより立体的に味わえるでしょう。