朝倉未来は本当に弱いのか。総合格闘技の実績を振り返ると、THE OUTSIDERでの二階級制覇、RIZINでの強豪撃破など、簡単には否定できない実力がある。一方、2023年7月の超RIZIN.2でヴガール・ケラモフに一本負けを喫し、2024年7月には平本蓮にも敗北。「弱くなった」「トップ選手には通用しない」という評価が広がったのも事実だ。
2026年10月26日時点では、2025年の復帰後に鈴木千裕、クレベル・コイケを破る一方、ラジャブアリ・シェイドゥラエフに敗れ、2026年9月には青木真也にTKO勝ちしている。こうした結果を並べると、単純に「弱い」と片付けることも、「完全復活した」と断言することも難しい。重要なのは、勝敗だけでなく、対戦相手の実力、試合展開、階級、そして勝ち方まで検討することだ。
【結論】朝倉未来は本当に弱いのか?戦績から見える実力

結論から言えば、朝倉未来を単純に「弱い選手」と評価するのは適切ではない。ただし、RIZINのフェザー級で頂点を争う選手として、すべての技術が完成しているわけでもない。
朝倉の特徴は、左構えから繰り出す打撃、相手の攻撃を見切る距離感、カウンターを狙う判断力にある。試合を自分の得意な距離で進められれば、強い打撃を持つ相手にも対応できる。一方、相手が組み技で距離を潰し、テイクダウンから寝技へ持ち込んだ場合には、打撃の持ち味を発揮しにくくなる。
この違いは、ケラモフ戦と2025年の鈴木千裕戦を比較すると分かりやすい。鈴木戦では3ラウンドまで戦い、相手の負傷によるドクターストップで勝利した。対してケラモフ戦では、相手の組みとポジション争いに対応できず、1ラウンドで試合が終わっている。
つまり、朝倉未来の強さを判断する際には、打撃の技術だけでなく、組みの攻防で主導権を握られたときにどう対応できるかを見る必要がある。敗戦が目立った時期には、この弱点が勝敗に直結する試合が続いた。
【敗因を分析】超RIZIN.2のケラモフ戦で何が起きたのか
2023年7月30日、さいたまスーパーアリーナで開催された超RIZIN.2。朝倉未来はヴガール・ケラモフとフェザー級タイトルマッチで対戦した。RIZIN公式試合結果によると、試合は1ラウンド2分41秒、リアネイキッドチョークによるタップアウトで決着し、朝倉が敗れている。
この試合は判定ではない。3ラウンド制のタイトルマッチだったが、採点結果を待つことなく一本負けで終わった。試合内容を理解するには、フィニッシュに至るまでの攻防が重要だ。
敗因1:テイクダウンを許し、得意な打撃戦に持ち込めなかったRIZIN公式の試合レポートによれば、序盤は朝倉がケラモフの蹴りを見切って対応していた。しかし、ケラモフは片足タックルからテイクダウンを成功させ、グラウンドで上のポジションを確保する。
打撃の距離であれば、朝倉は相手の動きを読みながら攻撃を組み立てられる。ところが、テイクダウンを許したことで、立ち技の技術を発揮する前に守備へ回らざるを得なくなった。ここが最初の大きな分岐点だった。
敗因2:ポジションを奪われ、背後からの攻撃を防げなかったケラモフはマウントポジションから攻撃を加え、朝倉が立ち上がろうとしたところで背後に回り、スリーパーを仕掛けた。朝倉は脱出できず、タップアウト。試合は短時間で終わった。
この展開が示したのは、単に寝技が苦手ということだけではない。テイクダウンを防ぐ技術、倒された後に不利なポジションを回避する技術、背後を取られた際に首を守る技術という、複数の課題が連続して表面化したことだ。
敗因3:相手の総合力を評価する必要があるケラモフは打撃だけで勝負する選手ではなく、テイクダウンと寝技を組み合わせて試合を終わらせる力を持つ。朝倉が短時間で敗れたことは事実だが、それだけを根拠に「格闘家として弱い」と結論づけるのは分析として不十分だ。
より正確なのは、朝倉の得意分野を封じ、不得意な局面を強制できる相手に対して、対応力が不足していたと評価することだろう。ケラモフ戦は、その課題が最も分かりやすく表れた試合だった。
【歴代戦績】朝倉未来の経歴と2026年最新の試合結果
朝倉未来は1992年7月15日生まれ、愛知県豊橋市出身。JAPAN TOP TEAM(JTT)所属のプロ総合格闘家であり、YouTuber、実業家としても活動している。弟はUFCで戦う総合格闘家の朝倉海だ。
格闘技では2013年に弟の海とともにTHE OUTSIDERへ参戦し、2015年に65〜70kg級、60〜65kg級の両タイトルを獲得。二階級制覇を達成した。その後、ROAD FCなどを経て2018年にRIZINへ初参戦し、国内のトップ選手と戦うようになった。
2026年の最新動向まで含めた主要な試合を整理すると、次のようになる。
| 時期 | 対戦相手・出来事 | 結果・注目点 |
|---|---|---|
| 2015年 | THE OUTSIDER | 65〜70kg級、60〜65kg級で二階級制覇 |
| 2020年11月 | 斎藤裕 | RIZIN初代フェザー級王座決定戦で判定負け |
| 2021年6月 | クレベル・コイケ | 一本負け。寝技への対応が課題として浮上 |
| 2023年4月 | 牛久絢太郎 | 判定勝ちで復調を示す |
| 2023年7月 | ヴガール・ケラモフ | 1R2分41秒、リアネイキッドチョークで一本負け |
| 2024年7月 | 平本蓮 | 1R2分18秒、打撃からのパウンドでTKO負け |
| 2025年5月 | 鈴木千裕 | 3R1分56秒、ドクターストップによるTKO勝ち |
| 2025年7月 | クレベル・コイケ | 判定2対1で勝利。接戦を制した |
| 2025年12月31日 | ラジャブアリ・シェイドゥラエフ | フェザー級タイトルマッチで1R2分54秒、パウンドによるTKO負け |
| 2026年9月10日 | 青木真也 | 71kg契約で1R2分39秒、グラウンドパンチによるTKO勝ち |
戦績の出典としては、RIZIN公式サイトの試合結果、選手プロフィール、MMAの戦績データベースが参考になる。集計対象や無効試合の扱いによって数字は異なるが、2026年9月の青木戦後の公開戦績データベースでは、プロMMA通算20勝6敗、1無効試合と整理されている。
この数字だけを見ても、朝倉が長期にわたって勝ち星を積み重ねてきた選手であることは分かる。ただし、通算勝率は対戦相手の強さや試合内容を直接示すものではない。現在の実力を評価するには、直近の試合と、タイトルを争う水準の相手にどう対応したかを重視する必要がある。
【理由を検証】朝倉未来が「弱くなった」と言われる3つの背景
1.組み技と寝技の弱点が、強豪との試合で表面化した朝倉未来が「弱くなった」と評される大きな理由は、強豪との対戦で敗因が明確に見える試合が続いたことだ。ケラモフ戦ではテイクダウンからバックを取られ、平本戦では打撃でダウンを奪われてからパウンドを浴びた。2025年末のシェイドゥラエフ戦でも、グラウンドパンチによるTKO負けを喫している。
これらは同じ敗因ではない。ケラモフ戦は組みと寝技、平本戦は打撃からのダメージ、シェイドゥラエフ戦はテイクダウン後の攻撃への対応が焦点となる。それでも共通するのは、相手に主導権を握られたときに、試合を自分の得意な形へ戻せなかった点だ。
トップクラスのMMAでは、得意な技術が優れているだけでは足りない。相手が弱点を狙ってきた場合にも、試合を立て直す能力が求められる。朝倉の評価を左右するのは、まさにこの部分だ。
2.対戦相手のレベルが上がり、勝ち続ける難しさが増したTHE OUTSIDERで二階級制覇を達成したことは、朝倉のキャリアにおける大きな実績だ。しかし、異なる団体や時代の選手を単純に比較することはできない。RIZINのタイトル戦線では、相手の組み技、フィジカル、試合中の判断力も高い水準にある。
例えば、2025年には鈴木千裕にTKO勝ちし、クレベル・コイケにも判定2対1で勝利した。一方で、シェイドゥラエフには1ラウンドで敗れている。勝敗が分かれた事実は、朝倉の実力が一律に低下したというよりも、相手との相性や試合展開、技術的な課題が結果を左右していることを示している。
3.一度の敗戦が、過去の実績まで否定する評価につながった朝倉未来は、競技者としての実績に加え、YouTubeや事業活動を通じて広く知られる存在になった。発言や試合への期待が大きい分、注目度の高い試合で敗れた際には、競技面だけでなく人物への評価も含めて議論が広がりやすい。
とりわけケラモフ戦は、タイトル獲得を懸けた大一番で、しかも短時間で決着した。そのため「弱い」という評価が強く印象に残った。しかし、試合結果はその日のパフォーマンスと対戦相手との攻防を示すものであり、それ以前の勝利や実績を消すものではない。
一方で、人気があることを理由に競技上の弱点を軽視するのも適切ではない。評価するなら、知名度や発信力ではなく、対戦相手、決着方法、試合中に何が起きたかを基準にすべきだ。
【モチベーション低下の真相】YouTubeや事業活動が格闘技に影響したのか
朝倉未来の実力をめぐる議論では、「YouTubeやビジネスで成功したことで、格闘技へのハングリー精神が薄れたのではないか」という見方もある。確かに、競技以外の活動が増えれば、練習時間や休養、試合への準備に使える時間との調整は必要になる。ただし、事業で成功していることだけを理由に、格闘技への意欲が低下したと断定することはできない。
引退を示唆した時期と、競技復帰後の変化スポニチアネックスは2024年8月、平本蓮戦後に格闘技からの引退を表明した朝倉が、自身のYouTubeチャンネルで今後のビジネスやプロデュース業への関心を語ったと報じている。この時期の発言は、競技から距離を置く可能性を感じさせるものだった。
しかし、2025年4月のSPREADの報道では、朝倉が復帰戦に向けた練習ルーティンを公開し、「僕の人生のメインは格闘技」と語ったことが紹介されている。朝10時の起床、JTTでの練習、グラップリング、フィジカルトレーニングなど、試合に向けた生活の組み立てを見直していたという。
この経緯から分かるのは、朝倉の競技への向き合い方が一時期に固定されていたわけではないということだ。引退を示唆した時期があった一方、復帰後には格闘技中心の生活を明かしている。本人の発信と実際の試合結果を合わせて見ると、「ずっとモチベーションが低かった」という説明では、経緯を十分に捉えられない。
事業活動が影響した可能性と、確認できる事実は別YouTube、アパレルなどの事業、BreakingDownの運営といった活動は、朝倉の知名度とキャリアを支える重要な要素だ。一方で、事業活動に時間を使ったことが特定の敗戦を招いたと証明する公開データはない。練習時間、コンディション、対戦相手との技術的な相性など、複数の要因を分けて考える必要がある。
実際、2025年には鈴木千裕とクレベル・コイケに勝利している。事業を続けながら勝利を挙げた事実は、仕事と競技を両立することが必ずしも弱体化につながるわけではないことを示す。
したがって、モチベーション低下説は、敗戦の背景を考える際の一つの仮説ではあっても、確定した敗因ではない。本人の発言、練習内容、試合で表れた技術的な課題を分けて評価することが重要だ。
【2026年現在の強さ】青木真也戦と朝倉海との比較から見える実態
2026年9月の青木真也戦は、寝技への対応を測る材料2026年9月10日の超RIZIN.5で、朝倉未来は青木真也と71kg契約で対戦した。RIZIN公式試合結果によると、青木の組みや極めを警戒しながら攻防を展開し、1ラウンド2分39秒、グラウンドパンチによるTKO勝ちを収めた。
青木は寝技を得意とする選手であり、この試合で朝倉が組みつかれた局面から立て直し、最終的に打撃で勝利したことは注目に値する。ケラモフ戦で露呈した寝技への対応という課題を考えるうえでも、意味のある結果だ。
ただし、青木戦はフェザー級のタイトルマッチではなく、71kg契約の試合だった。勝利をそのままフェザー級の最上位選手に対する優位性の証明とすることはできない。試合で見せた対応力の改善と、階級内のランキングやタイトル争いで勝てるかどうかは、別の評価軸である。
朝倉未来と朝倉海、どちらが強いのか兄の未来と弟の海は、ともに総合格闘家として実績を積んできたが、単純に勝敗数を比べるだけでは実力差を判断できない。未来は主にフェザー級を主戦場とし、海はバンタム級を中心に戦ってきた。体格、階級、対戦相手、競技環境が異なるからだ。
朝倉海はUFCに挑戦し、2025年に敗戦を経験した後、2026年5月と8月にはKO・TKO勝ちを記録している。UFC公式の選手情報でも、これらの試合結果が掲載されている。世界最高峰の団体で戦いながら結果を残すことは、海の実力を評価する際の重要な材料となる。
一方、未来にはRIZINで長年戦ってきた経験があり、鈴木千裕やクレベル・コイケ、青木真也との試合で勝利を収めている。両者は得意な距離や階級が異なるため、「兄のほうが強い」「弟のほうが強い」と一つの尺度で断定するより、各階級での実績と現在の対戦相手を基準に評価するほうが正確だ。
現在の強さを判断するための3つの基準2026年現在の朝倉未来を評価するなら、次の3点が判断材料になる。
- 打撃:距離の管理、カウンター、相手の攻撃を見切る能力を維持できているか。
- 組み技と寝技:テイクダウンを防ぎ、倒された後に不利なポジションから脱出できるか。
- 強豪との再現性:一度の勝利だけでなく、異なるタイプの相手に対しても同じ水準のパフォーマンスを発揮できるか。
青木戦は寝技への対応という面で前向きな材料になったが、シェイドゥラエフ戦の敗北も忘れてはならない。今後、フェザー級の上位選手を相手に組みの攻防を安定させ、打撃を生かした試合運びを再現できるか。それが、朝倉未来の現在の強さを見極める最も要点だ。
【朝倉未来弱い】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:朝倉未来は本当に弱いのですか?
A1:一概に弱いとは言えない。THE OUTSIDERで二階級制覇を達成し、RIZINでも強豪に勝利している。一方、ケラモフ戦やシェイドゥラエフ戦では明確な敗因があり、トップ層で戦うための課題も残っている。
Q2:朝倉未来はケラモフ戦で判定負けしたのですか?
A2:判定負けではない。2023年7月30日の超RIZIN.2で、1ラウンド2分41秒にリアネイキッドチョークでタップアウトし、一本負けとなった。
Q3:朝倉未来は2025年に復活したのですか?
A3:鈴木千裕にTKO勝ちし、クレベル・コイケにも判定2対1で勝利したことは、復調を示す材料だ。ただし、2025年末にはシェイドゥラエフにTKO負けしており、完全復活と断定するには慎重な評価が必要だ。
Q4:朝倉未来はYouTubeや事業のせいで弱くなったのですか?
A4:事業活動が特定の敗戦を引き起こしたと証明する公開データはない。2025年の復帰戦に向けて格闘技中心の生活を明かしており、活動の多さだけを理由に競技への意欲が低かったと決めつけることはできない。
Q5:2026年現在、朝倉未来は強い選手と言えますか?
A5:2026年9月の青木真也戦ではTKO勝ちを収めており、実力を示す結果を残している。ただし、この試合は71kg契約であり、フェザー級のタイトル争いで勝ち続けられるかは別の問題だ。今後の強豪戦で、組み技への対応と試合運びの安定性が問われる。
朝倉未来が「弱い」と言われる背景には、ケラモフ戦の一本負け、平本蓮戦のTKO負け、シェイドゥラエフ戦の敗北など、印象に残る試合結果がある。とりわけケラモフ戦は、打撃を得意とする朝倉がテイクダウンを許し、寝技でフィニッシュされたことで、技術的な弱点を明確に示した。
一方、2025年には鈴木千裕とクレベル・コイケを破り、2026年9月には青木真也にもTKO勝ちしている。これらの結果を踏まえると、朝倉の実力を「弱くなった」の一言で片付けるのは難しい。現在も勝負できる能力を持つ一方、対戦相手のスタイルによっては大きな課題が表面化する選手と捉えるのが妥当だ。
今後の試合を見る際は、勝ったか負けたかだけでなく、テイクダウンへの対応、グラウンドでの防御、打撃を生かせる距離の作り方、そして強豪相手に同じパフォーマンスを再現できるかに注目したい。朝倉未来の現在の強さを判断するうえで、本当に重要なのは知名度や世間の評判ではなく、リング上で示される技術と結果である。