エレコムのモバイルバッテリーは発火するのか、手元の製品はリコール対象なのか。2026年10月現在、確認しておきたいのが、旧フォースメディア製の大容量モバイルバッテリー3機種と、2015年に回収が始まったエレコム製品4型番です。エレコムは2026年1月14日にも旧フォースメディア製品の自主回収を改めて告知しており、対象製品を持っている場合は使用を中止する必要があります。
特に注意したいのは、リコールが発表された時期が古いからといって、安全性が確認されたことにはならない点です。この記事では、消費者庁とエレコムの公式発表を中心に、回収対象の型番、発火リスクが告知された経緯、返金・交換の対応、リチウムイオン電池の発火メカニズム、手元の製品を確認する手順を整理します。
【2026年最新】エレコムのモバイルバッテリー発火問題で何が起きている?

2026年の最新動向として押さえておきたいのは、エレコムが旧フォースメディア製のモバイルバッテリーについて、過去のリコールを再周知していることです。
エレコムの2026年1月14日付の重要なお知らせによると、対象は「JF-PEACE8K2660」「JF-PEACE8K2660P」「JF-268PD60W」の3機種です。これらは、発火のおそれがあるとして2021年8月26日に自主回収が発表されました。発売元だったフォースメディアは2024年7月1日にエレコムと合併しましたが、回収に関する問い合わせ窓口は引き続き案内されています。
また、消費者庁が公表した2026年2月6日付の重大製品事故情報では、このリコール対象製品について、2026年1月21日時点の回収率は0.8%とされています。対象製品の回収が十分に進んでいないことを示す数字です。
ただし、この数値は2026年1月21日時点の公表値であり、2026年10月現在の回収率を示すものではありません。また、回収率だけから現在の未回収台数を正確に算出することもできません。
ここで重要なのは、エレコム製のモバイルバッテリーすべてがリコール対象というわけではないことです。対象かどうかはブランド名だけで判断せず、製品の型番を照合する必要があります。
【回収対象型番一覧】フォースメディア製とエレコム製の違い
エレコムグループの公式サポート情報では、フォースメディア製の3機種と、エレコム製の旧型番4機種が回収対象として案内されています。まずは本体に印字された型番を確認してください。
フォースメディア製の回収対象
- JF-PEACE8K2660:PD対応26800mAh大容量モバイルバッテリー 世界超速R版
- JF-PEACE8K2660P:PD対応26800mAh大容量モバイルバッテリー 世界超速R版PSE
- JF-268PD60W:PD対応26800mAh大容量モバイルバッテリー 世界超速R版PSE
消費者庁のリコール情報によると、これらの製品の販売期間は2017年12月1日から2021年8月26日までです。対象台数はJF-PEACE8K2660が863台、JF-PEACE8K2660Pが2,797台、JF-268PD60Wが595台で、合計4,255台です。
エレコム製の回収対象
- DE-M01L-10440BK:ブラック
- DE-M01L-10440WH:ホワイト
- DE-M01L-13040BK:ブラック
- DE-M01L-13040WH:ホワイト
こちらは2015年2月23日に回収・返金が発表された旧型シリーズです。一部の製品で、在庫保管中に発煙する事象が確認されたことを受けて回収が行われました。
なお、JF-PEACE8K2660Pなどの製品名に「PSE」が含まれていても、今回の回収対象から外れるわけではありません。製品名の表記だけで安全性を判断せず、型番そのものを確認することが大切です。
【発火リスクの告知経緯】2021年から2026年までの重要な動き
エレコムのモバイルバッテリーに関する回収情報は、旧型のDE-M01Lシリーズと、旧フォースメディア製のJFシリーズに分けて理解すると整理しやすくなります。
| 時期 | 出来事 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 2015年2月23日 | DE-M01L-10440・13040シリーズの回収・返金を発表 | 一部製品の在庫保管中に発煙する事象が発生 |
| 2021年8月8日 | JF-PEACE8K2660Pで火災事故が発生 | 消費者庁の重大製品事故情報に記録 |
| 2021年8月26日 | フォースメディア製3機種の自主回収を発表 | 発火のおそれを理由に使用中止を要請 |
| 2024年7月1日 | フォースメディアがエレコムと合併 | 旧製品の回収案内も継続 |
| 2026年1月14日 | エレコムが旧フォースメディア製品の回収を再周知 | 対象型番と現行の問い合わせ窓口を確認 |
| 2026年1月21日時点 | 消費者庁の公表資料で回収率0.8% | 公表された基準日時点の回収率であり、10月時点の数値ではない |
この経緯で特に重要なのは、2021年のJFシリーズでは実際の火災事故が公的記録に残っていることです。消費者庁の重大製品事故情報によると、2021年8月8日にJF-PEACE8K2660Pで火災が発生し、製品が焼損しました。
一方、2015年のDE-M01Lシリーズについて公式発表が説明しているのは、在庫保管中に発煙する事象が発生したことです。エレコムの調査では同様の事象を再現できず、通常使用で同一事象が起きる可能性は極めて低いとの判断が示されましたが、同社は安全を考慮して対象製品を回収し、返金する対応を発表しています。
したがって、両シリーズを一括して「同じ原因で発火した製品」と説明するのは正確ではありません。確認されている事象も、告知された理由も異なります。
【発火の理由】モバイルバッテリーが燃える仕組みと今回のリコールの真相
モバイルバッテリーの多くは、エネルギー密度の高いリチウムイオン電池を使用しています。この電池は小型で大容量という利点がある一方、内部で異常が発生すると、発熱・発煙・発火につながる可能性があります。
一般的な発火の要因としては、製造時の異物混入や内部構造の不具合、落下による損傷、強い圧力、高温環境での保管、不適切な充電などが挙げられます。内部で短絡などの異常が起きると発熱が進み、電池内部の温度が急上昇する「熱暴走」に至ることがあります。電解液は可燃性を持つため、発火した場合には周囲に燃え広がる危険もあります。
ただし、これらはリチウムイオン電池全般に関する説明です。JFシリーズのリコールについて、消費者庁やエレコムの公開情報で確認できるのは「発火のおそれがある」という回収理由と、JF-PEACE8K2660Pでの火災事故です。特定の部品不良や製造工程上の欠陥が直接の原因だったと断定できる詳細な技術情報は、これらの公表資料からは読み取れません。
また、リコール対象製品がすべて発火したわけでもありません。回収理由としての危険性の告知と、実際に記録された事故の件数は分けて考える必要があります。
発火リスクを考える際には、次の3点を確認しましょう。
- リコール対象かどうか:型番が一致する場合は、外観に異常がなくても使用を中止する。
- 本体の状態:膨張、異常な発熱、異臭、変色、発煙などがあれば、対象型番でなくても使用を中止する。
- 安全表示の意味:PSEマークなどの表示があっても、個別製品のリコール情報を確認する。
【回収・返金・交換】2026年現在の問い合わせ先と費用
回収対象だった場合、自己判断で使い続けたり、通常のごみとして処分したりせず、製品ごとの公式案内に従って手続きを進めてください。今回の対象シリーズでは、回収後の返金などが案内されています。
1.旧フォースメディア製の3機種
2026年1月14日付のエレコム公式告知では、次の窓口が案内されています。
- 窓口:エレコムグループ QNAP/Newline サポートセンター
- 電話番号:0570-00-0865
- メールアドレス:pb-support@elecom.co.jp
- 受付時間:10:00~17:00、月曜日~金曜日(祝日、夏季・年末年始の特定休業日を除く)
消費者庁のリコール登録情報では、回収・返金に加え、エレコム製品への異機種交換も対応方法として掲載されています。返金額、交換機種の選択肢、返送方法などの具体的な条件は、問い合わせ時に確認してください。
2.DE-M01L-10440・13040シリーズ
エレコムの公式回収案内では、対象製品を回収し、返金する対応が掲載されています。公式の継続告知に記載された窓口は、エレコム総合インフォメーションセンター、電話番号0120-502-501です。受付時間は10:00~12:00、13:00~18:00で、土日祝日などは休業となる場合があります。
古い製品の案内には過去の連絡先が掲載されている場合もあるため、連絡前にエレコム公式の重要なお知らせで最新の案内を確認すると安心です。
3.回収・返金にかかる費用
対象製品の回収や返金については、公式窓口で案内される手続きに従ってください。公開情報から、すべてのケースについて送料や交換に伴う費用が一律に無料だと断定することはできません。返送方法や費用負担、返金の条件を事前に確認し、自己判断で発送しないことが大切です。
なお、回収対象のバッテリーは、通常の宅配便で送れるとは限りません。リチウムイオン電池の輸送には安全上の制約があるため、事業者から具体的な指示を受けてから対応してください。
【手元の製品を守る】リコール対象の見分け方と発火予防策
リコール対象かどうかを確認する際は、次の順番でチェックすると間違いを減らせます。
- 本体の型番を確認する:製品本体のラベルや印字から、DE-M01L-10440BKなどの型番を探します。
- 公式の対象型番と照合する:製品名が似ていても、型番が異なる場合があります。シリーズ名だけで判断しないでください。
- 対象なら使用を中止する:スマートフォンへの給電だけでなく、対象製品自体の充電もやめます。
- 公式窓口に連絡する:返金や交換の条件、返送方法、保管上の注意を確認します。
リコール対象ではないモバイルバッテリーについても、日常の扱い方によっては事故の危険があります。消費者庁や経済産業省が示す安全上の注意を踏まえ、次の点を意識してください。
- 落下させたり、強い圧力をかけたりしない。
- 炎天下の車内や直射日光の当たる場所など、高温環境に放置しない。
- 充電中は周囲に燃えやすい物がない、安全な場所を選ぶ。
- 本体が膨らんでいる、異常に熱い、異臭がするなどの変化があれば使用を中止する。
- 膨張・破損した製品を無理に分解したり、押しつぶしたりしない。
- 廃棄時は自治体の分別ルールや回収事業者の指示に従い、通常のごみに混ぜない。
もし発煙や発火が起きた場合は、まず周囲に知らせ、自分と周囲の人の安全を確保してください。危険な状態の製品を手で持って運ぼうとせず、必要に応じて避難し、119番通報します。初期消火は安全が確保できる場合に限り、無理な対処は避けてください。
また、エレコム製品の評判や安全性を評価するときは、ブランド全体の印象だけで決めるべきではありません。型番ごとのリコール情報、製造元や問い合わせ先の明確さ、製品の状態、回収後の対応などを分けて確認することが、実用的な判断基準になります。今回のリコール情報だけから、現在販売されているエレコム製品すべてに同じ危険があると結論づけることはできません。
【エレコムモバイルバッテリー発火】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:エレコムのモバイルバッテリーは2026年もリコール対象ですか?
A1:旧フォースメディア製のJF-PEACE8K2660、JF-PEACE8K2660P、JF-268PD60Wについては、2026年1月の公式告知でも自主回収が継続されています。また、DE-M01L-10440・13040シリーズも過去に回収・返金が発表された対象製品です。手元の型番を確認してください。
Q2:JF-PEACE8K2660Pは実際に発火したのですか?
A2:消費者庁の重大製品事故情報には、2021年8月8日に同型番の製品で火災が発生し、製品が焼損した記録があります。ただし、対象となる3機種すべてで同様の事故が発生したという意味ではありません。
Q3:回収対象のモバイルバッテリーは返金してもらえますか?
A3:対象製品について、公式発表では回収・返金の対応が案内されています。旧フォースメディア製の3機種については、消費者庁の登録情報にエレコム製品への異機種交換も掲載されています。返金額や交換条件、返送方法は、製品の型番を伝えて公式窓口に確認してください。
Q4:PSEマークがあれば発火の心配はありませんか?
A4:PSEマークの表示だけで、個別製品がリコール対象でないことや、今後も事故が起きないことまで保証されるわけではありません。今回の対象には、製品名にPSEを含むJFシリーズもあります。型番と公式リコール情報を照合することが必要です。
Q5:古いモバイルバッテリーが膨らんでいます。どうすればよいですか?
A5:使用や充電を中止し、押したり分解したりせず、安全な距離を保ってください。高温や発煙などの異常がある場合は、無理に持ち運ばず、安全確保を優先します。廃棄方法は自治体や回収事業者の指示を確認してください。
エレコムのモバイルバッテリー発火問題で、2026年10月現在も押さえておきたいのは、旧フォースメディア製3機種の自主回収が継続していること、そしてDE-M01L-10440・13040シリーズにも過去の回収・返金情報があることです。
特に、JF-PEACE8K2660Pでは公的記録に火災事故が残っており、消費者庁が公表した回収率も2026年1月21日時点で0.8%でした。対象製品が手元にある場合、見た目に異常がなくても使用を続けず、公式窓口へ相談してください。
一方で、これらの事例を根拠にエレコムのモバイルバッテリー全製品を危険と判断するのも適切ではありません。購入や使用の判断では、ブランド名だけでなく、型番、個別のリコール情報、製品の状態、メーカーの対応を確認することが大切です。
モバイルバッテリーは便利な反面、内部のリチウムイオン電池に異常が生じると火災につながる可能性があります。古い製品を引き出しやバッグに入れたままにせず、型番と状態を確認し、不要になった製品は正しい方法で回収に出すことが、自分と周囲の安全を守る第一歩です。