スターバックスの紙ストローは、2026年現在どうなったのでしょうか。かつて環境への配慮から導入された紙ストローですが、日本国内のスターバックスでは2025年、植物などを原料とする生分解性バイオポリマー「Green Planet(グリーンプラネット)」を使用したストローへの切り替えが進みました。2020年の紙ストロー導入から約5年で、再び素材が変更されたことになります。
紙ストローの廃止理由は、単に利用者から不評だったからではありません。飲み心地の改善に加え、原料調達から製造・輸送・廃棄までを含めた二酸化炭素(CO2)排出量の削減も判断材料になっています。スターバックス コーヒー ジャパンと素材メーカーのカネカによる公式発表、ITmedia ビジネスオンラインなどの報道をもとに、変更の経緯、新旧ストローの違い、環境負荷、費用の実態を整理します。
【2026年最新】スタバ紙ストローは現在どうなった?廃止の真相

2026年現在、日本のスターバックスでアイスドリンクやフラペチーノに使われるストローは、紙製からGreen Planet製のバイオマス素材へ切り替えられています。紙ストローが店舗から一斉に消えたというより、2025年に在庫状況などに応じて段階的な移行が進められた、というのが実態です。
スターバックス コーヒー ジャパンは2024年12月6日、新しいストローの導入を発表しました。通常のストローは2025年1月23日から沖縄県内の全32店舗で先行導入し、3月以降に全国へ順次拡大。季節限定のフラペチーノなどに使う太いストローも、4月上旬をめどに全国へ導入する計画を示しました。
その後、2025年3月には全国の店舗で切り替えが始まりました。ITmedia ビジネスオンラインなどの報道では、店舗に残る紙ストローの在庫を消化しながら新素材へ変更する運用も伝えられています。したがって、切り替え初期には店舗や時期によって紙製と新素材のストローが混在する可能性がありました。
ここで押さえたいのは、スターバックスが再び従来の石油由来プラスチック製ストローに戻したわけではないという点です。新しいストローは、植物油などを原料とする生分解性バイオポリマーを使用しています。素材を変更した目的は、使い心地と環境負荷低減を両立させることです。
なお、すべてのストローが同じ素材になったわけではありません。スターバックスの公式発表では、テイスティングなどで使用する短いストローについては、当面、FSC認証紙製を使用すると説明されています。通常のドリンク用ストローと、試飲などで使う短いストローは分けて考える必要があります。
【廃止理由を検証】スタバ紙ストローの評判はなぜ分かれた?
紙ストローの廃止を理解するには、導入当初に掲げられた環境目標と、実際に使う利用者の評価を分けて考える必要があります。紙製は石油由来の使い捨てプラスチックを減らすための選択でしたが、飲み心地の面では改善の余地がありました。
紙ストローに寄せられた主な不満紙ストローの評判で繰り返し取り上げられたのは、時間が経つとふやけること、唇に張り付きやすいこと、飲み物の味や口当たりが変わったように感じられることです。特に、飲み終わるまで時間がかかるアイスドリンクや、果肉・氷などを吸い上げるフラペチーノでは、ストローの強度や形状が飲みやすさに影響します。
2024年12月のITmedia ビジネスオンラインの報道によると、スターバックスは紙ストローに関する利用者の意見を受け、2021年6月にストローの構造を3層から4層へ変更しました。厚みを増すことで、強度や耐久性の改善を図っていたのです。
つまり、スターバックスが紙ストローの課題を放置していたわけではありません。構造を改良しても、紙という素材が水分を吸収する性質そのものを完全になくすことは難しく、より使いやすい代替素材を検討する必要がありました。
紙ストローの評判はすべて悪かったのか紙ストローに対する評価は一様ではありません。使い捨てプラスチックの削減を支持する人にとっては、環境配慮を日常の買い物で実感できる取り組みでした。一方、長時間の飲用や口当たりを重視する人にとっては、使いにくさが目立つこともありました。
2025年3月24日付のTBS NEWS DIGの報道では、新しいストローについて、紙製と比べて唇に張り付きにくいことや、時間が経ってもふやけにくいことを評価する利用者の声が紹介されました。ただし、これは取材で紹介された個別の反応であり、すべての利用者の評価を代表する統計ではありません。
この変更で注目すべきなのは、環境に配慮した商品であっても、使い心地が悪ければ利用者の納得を得にくいということです。環境目標だけでなく、日常的な使いやすさも製品の評価を左右します。
【新素材の仕組み】Green Planetとは?バイオマスストローの見分け方
新しいストローに採用されたのは、総合化学メーカーのカネカが開発した「カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet」です。一般的なプラスチックと同じように加工してストローを作れる一方、原料と生分解性に特徴があります。
植物油などを微生物に与えて作る素材Green Planetは、植物油などのバイオマス原料を使い、微生物の働きによって生産されるポリマーです。スターバックス公式メディア「スターバックス ストーリーズ」が2025年1月に掲載した解説では、微生物が植物油などを取り込み、エネルギー源としてポリマーを菌体内に蓄積する仕組みが紹介されています。そのポリマーを取り出し、精製・加工することで製品に利用します。
新しいストローのバイオマス度は99%です。スターバックスの発表によると、日本バイオプラスチック協会の「BP90(バイオマスプラスチック度90%以上)」認証と「海洋生分解性バイオマスプラ」認証を取得しています。
ただし、「バイオマス」と「生分解性」は同じ意味ではありません。バイオマスは植物などの生物由来の資源を指す言葉で、生分解性は微生物などの働きによって物質が分解される性質を指します。Green Planetは、この2つの特徴を備えた素材です。
Green Planetは海水中でも分解される?カネカとスターバックスの公式説明によると、Green Planetは土壌中や海水中に存在する微生物によって生分解され、最終的にCO2と水になります。海水中でも生分解性を持つ点は、従来のプラスチックによる環境汚染を減らすうえでの特徴です。
ただし、生分解性があるからといって、捨てても問題ないという意味ではありません。実際の分解速度や分解の進み方は、温度、微生物の活動、海流などの環境条件によって変わります。カネカも、実際の暴露環境や条件によって生分解の可否や速度が異なる旨を説明しています。
スターバックス公式メディアでは、海水中での分解を検証した例として、90日後にはストローの原型がほとんど失われた写真も紹介されています。ただし、これは特定の検証条件下での結果です。自然界のあらゆる場所で、すべてのストローが90日で完全に分解するという意味ではありません。
スタバのバイオマスストローを見分ける方法見た目で判断する際の目安は、ストローの色と質感です。2025年に導入されたGreen Planet製ストローには、スターバックスを象徴するグリーンが採用されています。紙ストローと比べて、表面が滑らかで、飲み物に長時間差していてもふやけにくい点も特徴です。
ただし、色だけで素材の認証や生分解性まで確認できるわけではありません。色はあくまで目安であり、素材の確実な判別が必要な場合は店舗で確認するのが確実です。また、短い試飲用ストローなどには紙製が残る場合があるため、「スタバのストローはすべて緑色の新素材」と決めつけないようにしましょう。
【徹底比較】スタバの紙ストローと新素材ストローはどっちが環境に優しい?
紙ストローからバイオマス素材への変更について、「プラスチックに戻したのだから環境対策を後退させたのではないか」という疑問も生じます。しかし、素材の名称だけで環境への優劣を決めることはできません。重要なのは、原料調達から製造、輸送、使用後の処理までを含むライフサイクル全体で比較することです。
| 比較項目 | FSC認証紙ストロー | Green Planet製ストロー |
|---|---|---|
| 主な原料 | 適切に管理された森林などに由来する認証紙 | 植物油などのバイオマス原料 |
| 素材の分類 | 紙製 | 生分解性バイオポリマー |
| バイオマス度 | 紙素材のため、Green Planetの認証値とは比較できない | 99% |
| 飲み心地 | 長時間の使用でふやけたり、口に張り付いたりすることがある | ふやけにくく、滑らかな飲み心地を目指した設計 |
| 重量 | 新素材より重い | 紙製と比べて重量は半分ほどと公式メディアが説明 |
| CO2排出量 | 製造・輸送・廃棄などで排出が発生する | スターバックスはライフサイクル全体で紙製より排出量を低減できると説明 |
| 生分解性 | 紙として分解される性質を持つが、条件によって分解の進み方は異なる | 土壌中や海水中の微生物による生分解性を持つ |
| 主な注意点 | 水分による強度や口当たりの変化 | 生分解性があっても、適切な分別・廃棄が必要 |
スターバックス コーヒー ジャパンの2024年12月の発表では、Green Planet製ストローは、現在使用しているFSC認証紙ストローと比較して、ライフサイクル全体でCO2排出量を低減できる見込みとされています。店舗から出るストローの廃棄物量についても、重量比で半分近くまで削減できる見込みです。
この比較で重要なのは、単に紙とプラスチックを比べているのではなく、原料調達、素材の生産、ストローの製造、輸送、廃棄などを含めて評価している点です。Green Planet製ストローは紙製より軽いため、輸送や廃棄、焼却などに必要なエネルギー量を抑えられることも、公式メディアで説明されています。
一方、公開された発表資料では、紙製と新素材の1本当たりのCO2排出量が何グラム減るのかといった具体的な数値までは示されていません。そのため、削減効果の方向性は説明されているものの、数値だけで効果の大きさを独自に比較することはできません。
紙製ストローは環境に悪い素材だったのかそうとは限りません。FSC認証は、森林資源が適切に管理されていることなどに関係する認証であり、紙ストローの環境配慮を示す要素でした。紙製というだけで環境に悪いと判断するのは適切ではありません。
反対に、植物由来の素材なら無条件に環境負荷が低いと考えるのも誤りです。植物原料の生産、素材の加工、輸送、使用後の処理にも環境負荷は伴います。素材を評価するには、原料の由来だけでなく、製品の寿命、重量、製造工程、廃棄方法を含めて考える必要があります。
今回のスターバックスの判断は、紙製ストローが環境面で全面的に失敗だったと認めたものではありません。飲み心地の改善と、ライフサイクル全体の環境負荷低減を両立させるため、別の素材に切り替えたと理解するのが実態に近いでしょう。
【歴代素材と変更の経緯】スタバのストローはどう進化した?
スターバックスのストロー変更は、単独の商品改良ではなく、使い捨てプラスチックの削減を目指す取り組みの一環です。日本国内の主な経緯を時系列で整理すると、次のようになります。
- 2018年7月:スターバックスは、2020年末までに世界全体で使い捨てプラスチック製ストローを全廃する方針を発表。
- 2019年11月:スターバックス コーヒー ジャパンが、国内店舗でFSC認証紙ストローを導入する計画を公表。
- 2020年1月〜3月:紙ストローを段階的に導入し、3月には国内約1,500店舗を超える全店舗で提供を開始。年間約2億本分のプラスチックストロー削減を目標に掲げた。
- 2021年6月:利用者の意見を踏まえ、紙ストローの構造を3層から4層へ変更し、強度や耐久性の改善を図った。
- 2024年12月6日:カネカのGreen Planetを使った新ストローの採用を発表。
- 2025年1月23日:沖縄県内の全32店舗で通常のストローを先行導入。
- 2025年3月以降:通常のストローを全国へ順次展開し、太いストローも同年春にかけて切り替えを進めた。
- 2026年:通常のアイスドリンク用ストローは、紙製からGreen Planet製への切り替え後の運用段階にある。
2020年の紙ストロー導入時、スターバックスは年間約2億本分のプラスチックストロー削減につながると説明していました。これは当時の導入による削減目標・見込みであり、2026年までの累計削減本数を示す数字ではありません。
また、紙ストローの導入は、石油由来のプラスチックを減らすという目的に沿った選択でした。その後、紙製の使い心地に対する改善要望があり、構造変更を経て、最終的に別の素材への移行が決まりました。歴代の素材変更を追うと、環境配慮と利用者の利便性を両立させようとする過程が見えてきます。
【費用と実態】紙ストロー廃止後に利用者と店舗はどう変わった?
紙ストローの廃止を考えるうえでは、飲み心地や環境性能だけでなく、コストと店舗運用も気になるところです。ただし、ストロー1本当たりの調達価格や、今回の変更に伴う総費用について、スターバックスの公開発表資料から具体的な金額を確認することはできません。
スタバ紙ストローの費用は公表されている?紙ストローとGreen Planet製ストローの仕入れ単価を直接比較できる公表データは見当たりません。したがって、「紙ストローのほうが高かったから廃止した」「新素材のほうが安いから採用した」といった説明を、確定した事実として扱うことはできません。
企業がストローを選ぶ際には、素材価格だけでなく、製造時の品質管理、供給量、輸送、保管、店舗での使いやすさ、廃棄時の負荷など複数の要素が関係します。今回、スターバックスが公式に説明している変更理由は、飲み心地と環境負荷低減です。調達コストが意思決定にどの程度影響したかを示す具体的な資料は公表されていません。
紙ストロー廃止後の実態は「プラスチックへの逆戻り」なのか素材の見た目だけを見れば、新しいストローはプラスチックのように感じられる可能性があります。しかし、Green Planetは一般的な石油由来プラスチックとは原料も生分解性も異なります。今回の変更を、従来型プラスチックへの単純な回帰と捉えるのは正確ではありません。
一方で、生分解性という特徴だけで廃棄問題がすべて解決するわけでもありません。分別・処理の方法や実際の使用後の行動は引き続き重要です。新素材の採用は環境負荷を減らすための手段であり、ポイ捨てを容認するものではありません。
店舗での利用者にとって、最も実感しやすい違いは、飲み心地と耐久性です。紙製では時間の経過とともにふやけることがありましたが、新素材はその課題を改善することを目指しています。環境性能だけでなく、最後まで快適に飲めることも、日常的に使う製品としての価値につながります。
【プロの結論】スタバの新ストローをどう評価すべきか
スターバックスの紙ストロー廃止を評価する際、最も避けたいのは「紙だから環境に良い」「プラスチックだから環境に悪い」という素材名だけの判断です。環境負荷は、原料の調達から製造、輸送、使用、廃棄に至るまでの工程によって変わります。
今回の変更には、少なくとも3つの評価軸があります。第一に、紙製ストローで指摘されてきた口当たりや耐久性の課題を改善できること。第二に、スターバックスの比較評価では、紙製と比べてライフサイクル全体のCO2排出量を低減できる見込みがあること。第三に、土壌中や海水中での生分解性を備えた素材であることです。
ただし、これらはそれぞれ別の評価項目です。飲みやすいから環境性能も必ず優れているとは限りませんし、生分解性があるから廃棄方法を考えなくてよいわけでもありません。公式発表で示された比較結果と、実際の廃棄・処理条件を分けて考えることが大切です。
また、環境への取り組みを重視する人は、ストローの素材だけでなく、ストローを使わずに飲める容器の選択肢や、繰り返し使えるカップの利用などにも目を向けると、より広い視点で使い捨て資材の削減を考えられます。スターバックスも、ストローの素材変更に加えて、店内での樹脂製グラスの使用など、廃棄物を減らす取り組みを進めてきました。
新素材の採用を評価するなら、見るべき要点は「環境に良さそうな名前か」ではなく、何をどの条件で比較したのか、削減量がどこまで数値で公表されているのか、使用後の処理がどう想定されているのか、という点です。こうした基準で見ると、今回の変更は、使い心地と環境負荷を同時に改善しようとする素材選択として理解できます。
【スタバ紙ストロー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:スタバの紙ストローは2026年現在、完全に廃止されたのですか?
A1:日本国内では2025年から、通常のアイスドリンク用ストローと太いストローを紙製からGreen Planet製へ順次変更しました。ただし、公式発表ではテイスティングなどで使う短いストローは当面FSC認証紙製とされています。そのため、用途を問わず紙ストローがすべてなくなったわけではありません。
Q2:新しいストローは本当に環境に優しいのですか?
A2:スターバックスは、紙製ストローとの比較でライフサイクル全体のCO2排出量を低減し、ストローの廃棄物量を重量比で半分近く削減できる見込みと説明しています。新素材には土壌中や海水中での生分解性もあります。ただし、環境負荷がゼロになるわけではなく、実際の分解速度は環境条件によって変わります。
Q3:Green Planet製ストローはどのように見分けられますか?
A3:スターバックスの新ストローには、同社を象徴するグリーンが取り入れられています。また、紙製と比べて滑らかで、ふやけにくいのが特徴です。ただし、色や手触りだけで認証の有無まで判断することはできません。確実に確認したい場合は店舗で尋ねてください。
スターバックスの紙ストローは、石油由来の使い捨てプラスチックを減らすため、2020年に国内店舗へ導入されました。その後、ふやけやすさや口当たりに対する改善要望を受け、2021年には構造を変更。さらに2025年、カネカの生分解性バイオポリマーGreen Planetを使った新ストローへの切り替えが進みました。
新素材の特徴は、バイオマス度99%、土壌中や海水中での生分解性、そしてスターバックスの評価による紙製ストローからのライフサイクルCO2排出量の低減です。廃棄物量についても、重量比で半分近く削減できる見込みとされています。ただし、具体的なCO2削減量や1本当たりの調達費用は、公開資料からは確認できません。
紙ストローの廃止は、環境への配慮を取りやめたというより、飲み心地と環境負荷の両面から素材を見直した動きです。2026年にスタバのストローを評価する際は、紙かプラスチックかという見た目だけではなく、原料、製造・輸送時の排出、生分解性、適切な廃棄方法まで含めて判断することが、変更の真相を理解する近道になります。