invisible hit counter
ホーム 芸能ニュース・ゴシップ ブリ糸状虫は食べても大丈夫?体長・色・寄生場所とアニサキスとの違いを徹底解説

ブリ糸状虫は食べても大丈夫?体長・色・寄生場所とアニサキスとの違いを徹底解説

小野塚 隼人 小野塚 隼人 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

ブリの切り身を調理していたら、身の中からミミズのような長い虫が出てきた――。そんなときに疑われるのが、ブリ糸状虫(ブリ紐線虫)です。橙赤色で細長く、大きな個体では体長50cmを超えることもある寄生虫ですが、農林水産省や東京都保健医療局の公的情報によると、ブリ糸状虫は人間に寄生することがなく、通常、人体への健康被害を引き起こすものではありません。

ただし、魚に付着する寄生虫がすべて無害というわけではありません。見た目が似ているアニサキスは、生きた幼虫を含む魚介類を生食すると食中毒を起こす可能性があります。ブリ糸状虫の体長・色・寄生場所、刺身で食べても大丈夫なのか、加熱後に見つかった場合の対処法まで、公的機関の食品安全情報と魚病学の研究をもとに整理します。

【結論】ブリ糸状虫は食べても大丈夫?人体への影響を解説

ブリ糸状虫

ブリ糸状虫と確認できた場合、基本的には人への寄生や、それ自体による食中毒を心配する必要はありません。農林水産省の相談事例では、ブリの調理中に現れるミミズ状の虫について、ブリ糸状虫は人間に寄生せず、食べても衛生上の問題はないと説明しています。

東京都保健医療局の食品衛生情報でも、ブリ糸状虫は人間に寄生しない寄生虫として紹介されています。つまり、魚に寄生していることと、人間の体内で感染症を起こすことは別の問題です。

一方、ここで注意したいのは、見た目だけで寄生虫の種類を断定できるとは限らない点です。ブリの身から出てきた虫が、必ずブリ糸状虫だとは限りません。アニサキスなど、人への健康被害が問題になる寄生虫との区別が必要です。

ブリ糸状虫そのものと、魚全体の安全性は分けて考える

ブリ糸状虫が確認されたからといって、魚全体が食中毒の原因になると決まるわけではありません。反対に、ブリ糸状虫が見つかったことだけを根拠に、魚全体が安全だと判断することもできません。

鮮度の低下、保存状態、ほかの寄生虫の存在などは別に確認する必要があります。虫の正体が分からない場合や、身に異常な変色・腐敗臭がある場合は、食べるのをやめて購入した店舗に相談してください。

なお、ブリ糸状虫を取り除けば、魚の品質や鮮度まで元どおりになるわけではありません。寄生虫への不快感と、食品衛生上の危険性を区別して判断することが大切です。

【見分け方】ブリ糸状虫の体長・色・寄生場所と春先に多い理由

ブリ糸状虫は、線虫の仲間で、学名はPhilometroides seriolaeです。「ブリ紐線虫」と表記されることもあります。ブリやハマチなどに寄生し、魚の筋肉や体腔で見つかることがある大型の寄生虫です。

体長は数cmから50cm以上、色は橙赤色

農林水産省の相談資料では、ブリ糸状虫の太さはおよそ2~3mm、小さいものでは体長約5cm、大きいものでは約50cmと説明されています。東京都保健医療局も、50cmを超えることがある大型の寄生虫として紹介しています。

特徴的なのは、血液などを摂取することに関連した橙赤色の体色です。細長いひものような形をしており、魚の筋肉内や体腔で、とぐろを巻くように見つかることがあります。寄生した部分には、黄白色の粘液がたまる場合もあります。

体長や色は見分ける際の手がかりになりますが、個体の状態や調理によって見え方は変わります。加熱後は色や形が分かりにくくなることもあるため、色だけで判断しないでください。

ブリ糸状虫が寄生する場所

主な寄生場所は、ブリの筋肉と体腔です。筋肉に入り込んでいる場合は、切り身を開いたときや、刺身用の柵を切り分けたときに発見されることがあります。

大きな個体は肉眼で見つかりやすい一方、虫体が身の内部に入り込んでいれば、表面を見ただけでは分からない場合もあります。目視確認は有用ですが、すべての寄生虫を発見できるわけではありません。

春先に多いのはなぜ?

東京都保健医療局の資料では、ブリ糸状虫の寄生は春先に多く、秋から冬には比較的少ないとされています。大型の天然ブリで見つかることが多く、旬のブリを調理する時期に遭遇する可能性があります。

ただし、「春先なら必ず寄生している」「冬なら絶対にいない」という意味ではありません。季節は発見される傾向を理解するための情報であり、個々の魚に寄生虫がいるかどうかを決める条件ではありません。

【比較表】ブリ糸状虫とアニサキスの違いは?色・大きさ・食中毒リスク

ブリの身から虫が出てきたときに、最も注意したいのがアニサキスとの区別です。どちらも魚介類に関係する寄生虫ですが、人への影響は大きく異なります。

比較項目 ブリ糸状虫 アニサキス
学名・分類 Philometroides seriolae(線虫) Anisakis属などの線虫
体長 約5cmから50cm以上になることがある 幼虫はおよそ2~3cm
色 橙赤色 半透明の白色
太さ 約2~3mmとされる およそ0.5~1mm程度
主な寄生場所 ブリの筋肉、体腔 魚介類の内臓表面、腹腔、筋肉など
人への影響 人間には寄生しない 生食などで感染するとアニサキス症を起こすことがある
食中毒リスク 虫そのものによる人の食中毒は通常問題にならない 生きた幼虫を含む魚介類の生食などで発生する
見つけたときの判断 取り除き、魚の状態も確認する 生食を中止し、除去や適切な冷凍・加熱などで対処する

比較の根拠は、農林水産省のブリ糸状虫に関する相談資料、東京都保健医療局の食品衛生情報、厚生労働省の「アニサキス食中毒に関するQ&A」です。

見た目だけで確実に判別できる?

一般的には、長く太い橙赤色の虫ならブリ糸状虫、短く細い半透明の白い虫ならアニサキスが疑われます。ブリ糸状虫は数十cmに達する場合があるのに対し、アニサキスの幼虫は通常2~3cm程度です。

しかし、切断された虫や加熱後の虫では、体長や色の特徴が分かりにくくなります。また、アニサキスも筋肉内で見つかることがあるため、「身の中にいたからブリ糸状虫」とは断定できません。

安全面で重要なのは、見た目の印象だけで生食を続けないことです。種類が分からない場合は、虫を取り除いたとしても、残りの魚をそのまま刺身で食べることは避け、販売店や食品衛生の相談窓口に確認してください。

【刺身・加熱後】ブリ糸状虫を発見したら取り除き方は?

ブリ糸状虫が見つかった場合、まずは食べるのを一時中断し、虫の種類と魚の状態を確認します。ブリ糸状虫自体は人間に寄生しませんが、正体が分からない虫を無理に食べる必要はありません。

1.虫と周囲の身を確認する

虫体が見つかったら、清潔な箸やピンセットなどで取り除きます。虫が入っていた部分に穴や変色、黄白色の粘液が見られる場合は、その部分の身も取り分けてください。

見つかった虫は、可能であれば捨てずに写真を撮り、購入した店舗に見せられるようにしておくと、種類の確認や商品についての相談に役立ちます。調理器具や手指は、取り扱い後に適切に洗浄してください。

2.刺身として食べる予定だった場合

ブリ糸状虫だと確実に判断でき、魚自体の鮮度や保存状態にも問題がない場合、虫そのものが人に寄生することはありません。ただし、家庭で見た目だけから種類を確定するのは難しいため、正体が不明なら生食を避けるのが安全です。

アニサキスが疑われる場合は、目視で見つけた虫を取り除くだけでは、魚全体の安全性を保証できません。厚生労働省は、アニサキスによる食中毒の予防策として、目視確認に加えて十分な加熱や冷凍を案内しています。

3.加熱調理後に見つかった場合

煮付けや焼き物などを調理した後に、ミミズのような虫が現れることもあります。加熱によって虫体の色や形が変わり、調理前よりも判別しにくくなる場合があります。

ブリ糸状虫と確認できた場合は、通常、それ自体による人体への寄生や食中毒を心配する必要はありません。ただし、加熱後に見つかったという事実だけで、虫の種類や魚全体の安全性が確定するわけではありません。

アニサキスなどの可能性がある場合は、加熱が不十分だった可能性も含めて判断してください。厚生労働省などが案内するアニサキス対策では、中心部まで70℃以上、または60℃で1分以上の加熱が目安とされています。

4.販売店への相談・返品を検討する

購入した切り身から大きな寄生虫が出てきた場合は、購入日時や商品名、パッケージ、虫が見つかった状態を記録し、販売店へ連絡する方法があります。返品や交換などの対応は店舗の規定や商品の状態によって異なります。

虫の種類が判別できない場合、身に異臭や著しい変色がある場合、保存状態に不安がある場合は、自己判断で食べずに相談してください。すでに食べてしまい、激しい腹痛や吐き気などが現れた場合は、医療機関に相談することが大切です。

【天然ブリと養殖ブリ】ブリ糸状虫が多いのはどっち?

ブリ糸状虫は、一般に大型の天然ブリで見つかることが多いとされています。魚類の寄生虫に関する解説資料でも、春先の大型天然ブリの筋肉内に見つかる寄生虫として説明されています。

養殖ブリではまれとされますが、「養殖なら絶対に寄生しない」と考えるのは正確ではありません。2023年に学術誌「魚病研究(Fish Pathology)」で公表された報告では、養殖された1歳のブリの仲間から、ブリ糸状虫と同定された線虫が見つかっています。

2023年の研究報告で分かったこと

目黒寄生虫館、香川県水産試験場、近畿大学水産研究所などの研究者による報告では、ブリ糸状虫が見つかった場所は、従来知られていた骨格筋ではなく、魚の浮き袋でした。研究では、虫体の形態観察と分子解析によって種が確認されています。

研究者らは、その魚が養殖施設に入る前に感染していた可能性が高いと説明しています。これは、養殖施設内で一般的に寄生が広がっていることを示す報告ではありません。寄生場所についても、従来知られていた筋肉以外での確認例として位置づけられます。

天然・養殖の表示だけで安全性は決まらない

天然ブリでは寄生虫が見つかる可能性があり、養殖ブリでも例外的な確認例があります。したがって、天然か養殖かだけで安全性を判断するのではなく、適切な処理・保管、鮮度、寄生虫の種類を総合的に考える必要があります。

なお、ブリの筋肉に寄生する生物はブリ糸状虫だけではありません。2023年に「魚病研究」で公表されたブリ属魚類の筋肉寄生虫に関する総説では、複数の寄生虫が整理されており、種類によって人への影響も異なることが示されています。魚から虫が出てきた場合に、すべてを同じものとして扱わないことが重要です。

【食中毒を防ぐ】ブリ糸状虫を発見したときの対処法と受診の目安

ブリ糸状虫そのものは人に寄生しないため、虫を見つけただけで、直ちに人体への感染を心配する必要はありません。大切なのは、アニサキスなど別の寄生虫の可能性を見落とさず、食べた後の症状にも注意することです。

食べる前に発見した場合
  • 食べるのを中断し、虫の色・大きさ・形を確認する。
  • 可能であれば虫体と発見場所の写真を撮る。
  • 虫を取り除き、周囲の身の変色や粘液、魚全体の鮮度を確認する。
  • 種類が分からなければ生食を避け、販売店や食品衛生の相談窓口に相談する。
  • 加熱する場合も、魚の状態を確認したうえで、十分な加熱を行う。
食べてしまった場合

ブリ糸状虫と確認できたものを食べた場合、虫自体が人に寄生することはないため、通常、それだけを理由に特別な処置が必要になるわけではありません。

ただし、実際にはアニサキスなど別の寄生虫だった可能性もあります。厚生労働省によると、アニサキス症では、食後数時間から十数時間ほどで激しいみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐などが起こることがあります。腸に寄生した場合は、さらに遅れて症状が出ることもあります。

食後に強い腹痛や繰り返す嘔吐などが現れた場合は、早めに医療機関を受診してください。呼吸困難、意識障害などの重い症状がある場合は、救急要請を含めた緊急対応が必要です。

アニサキス対策では冷凍・加熱が重要

農林水産省や厚生労働省は、アニサキスによる食中毒を防ぐため、目視確認に加えて適切な加熱・冷凍を推奨しています。予防の目安は、中心部を70℃以上、または60℃で1分以上加熱すること、あるいはマイナス20℃で24時間以上冷凍することです。

酢、塩、しょうゆ、わさびなどの一般的な調味料では、アニサキスを確実に死滅させることはできません。しめ鯖や漬けなど、加熱しない調理法を選ぶ場合も、適切な冷凍処理などの対策が必要です。

これらは主にアニサキス対策として示されている基準です。ブリ糸状虫が見つかった場合でも、虫の種類が確実でないときには、ブリ糸状虫だけを想定して安全性を判断しないようにしてください。

【ブリ糸状虫】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ブリ糸状虫を刺身で食べてしまっても大丈夫ですか?
A1:ブリ糸状虫自体は人間に寄生せず、それ自体による食中毒も通常問題になりません。ただし、見た目だけで種類を確定することは難しく、アニサキスなどの可能性もあります。正体が分からない場合は生食を避け、食後に強い腹痛などが現れたら医療機関に相談してください。

Q2:ブリ糸状虫は加熱すれば食べても問題ありませんか?
A2:ブリ糸状虫そのものは人に寄生しないため、虫自体が健康被害を引き起こすものではありません。ただし、加熱すれば魚全体の安全性が保証されるわけではありません。鮮度や保存状態を確認し、虫の種類が不明な場合は販売店などに相談してください。

Q3:天然ブリと養殖ブリでは、どちらにブリ糸状虫が多いですか?
A3:大型の天然ブリで見つかることが多く、養殖ブリではまれとされています。ただし、2023年には養殖されたブリの仲間からブリ糸状虫が確認された研究報告もあります。天然・養殖の表示だけで寄生の有無を断定することはできません。

ブリの身からミミズのような虫が出てきた場合、橙赤色で細長く、体長が数cmから50cm以上に及ぶなら、ブリ糸状虫の可能性があります。春先の大型天然ブリで見つかることが多く、主に筋肉や体腔に寄生します。

農林水産省や東京都保健医療局の情報によれば、ブリ糸状虫は人間に寄生せず、それ自体による食中毒を引き起こすものではありません。一方、半透明の白いアニサキスは生食によって食中毒を起こす可能性があり、両者を区別が必要です。

判断に迷ったときは、無理に食べず、虫体の写真を残して販売店に相談してください。魚の鮮度や保存状態も確認し、アニサキスが疑われる場合は適切な加熱・冷凍などの予防策を取ることが大切です。見た目だけで決めつけず、寄生虫の種類と人への影響を分けて考えることが、ブリを安全に楽しむための基本です。

主な参考資料:農林水産省「ブリを調理するとミミズのようなものが出てきたが、食べても大丈夫ですか。」、東京都保健医療局「食品衛生の窓」ブリ糸状虫・アニサキスの解説、厚生労働省「アニサキス食中毒に関するQ&A」、学術誌「魚病研究」に掲載された2023年のブリ糸状虫に関する研究報告およびブリ属魚類の筋肉寄生虫に関する総説。

同じカテゴリの記事

小野塚 隼人
トレンドリサーチャー 小野塚 隼人
プロフィールを見る →

飲食店と旅先の取材記事を中心に執筆。営業時間や料金は掲載時点で公式に確認できた情報だけを載せています。

おすすめの関連記事