2024年1月28日、東京・有明アリーナで開催された「ONE 165」のメインイベント、武尊対スーパーレック・キアトモー9の結果は、スーパーレックの判定3-0による勝利だった。ONEフライ級キックボクシング世界タイトルマッチとして行われた一戦で、武尊は5ラウンドにわたって王者を追い詰めたものの、ベルト獲得には届かなかった。
試合を左右したのは、スーパーレックの右ローキックを中心とする攻撃と、距離を支配する技術だった。一方、武尊も第3ラウンドにパンチの連打で王者を揺さぶり、会場を沸かせている。対戦相手がロッタンから変更された経緯、全5ラウンドの展開、試合後のコメント、そして2026年の最新動向まで、公式発表と報道を基に整理する。
$1・試合結果: 2024年1月28日のONE 165で、スーパーレックが武尊に判定3-0で勝利。当時のONEフライ級キックボクシング世界王座を防衛した。
・勝敗のポイント: スーパーレックのローキック、ジャブ、距離管理が試合を通じて機能。武尊は第3ラウンドに反撃したが、流れを完全には変えられなかった。
・対戦相手変更: 当初の相手はロッタンだったが、負傷による欠場でスーパーレックとのタイトルマッチに変更された。
・2026年の最新動向: 武尊は2026年4月29日のロッタン戦を最後に現役生活に幕を下ろし、プロ通算46勝5敗でキャリアを終えた。スーパーレックも同年9月に王座を返上している。
【試合結果速報】武尊は判定負け、スーパーレックが王座防衛

ONE Championshipの公式大会結果によると、メインイベントの勝者はスーパーレック。5ラウンドを戦い抜き、3人のジャッジ全員から支持を得るユナニマス・デシジョン(判定3-0)で勝利した。
| 項目 | 試合内容・結果 |
|---|---|
| 大会名 | ONE 165:Superlek vs. Takeru |
| 開催日 | 2024年1月28日 |
| 会場 | 東京・有明アリーナ |
| 試合形式 | ONEフライ級キックボクシング世界タイトルマッチ |
| 王者 | スーパーレック・キアトモー9(タイ) |
| 挑戦者 | 武尊(日本) |
| 試合時間 | 3分5ラウンド、計15分 |
| 勝敗 | スーパーレックの判定3-0 |
| 判定採点 | 試合結果データでは49-46が3者一致 |
| タイトルの行方 | スーパーレックが王座防衛 |
武尊にとっては、ONE Championshipへの参戦初戦でいきなり世界王座に挑戦する大一番だった。K-1で3階級制覇を達成した実績を持つ武尊が、世界最高峰のストライカーの一人と評価されるスーパーレックに挑む構図は、日本の格闘技ファンからも大きな注目を集めた。
しかし、結果は挑戦者の敗北。武尊は最後まで前進を続けたが、スーパーレックの蹴りと直線的なパンチを崩し切れなかった。
なお、49-46という採点は試合結果データに掲載されている数字であり、各ラウンドの公式な個別採点と混同しないことが大切だ。判定3-0という公式結果と、各ラウンドの展開を分けて理解したい。
【対戦相手変更の経緯】ロッタン欠場で武尊の相手はなぜ変わった?
この試合を語るうえで欠かせないのが、当初予定されていたロッタン・ジットムアンノンとの対戦が実現しなかった経緯だ。
武尊がONEへの参戦にあたって熱望していたカードの一つが、強打を誇るロッタンとのキックボクシングマッチだった。ところが、大会を約3週間後に控えた2024年1月5日、ONE Championshipはロッタンの負傷による欠場を発表。日本の報道では、練習中に左腕を負傷したと伝えられた。
そこで代わりにメインイベントの相手となったのが、当時のONEフライ級キックボクシング世界王者スーパーレックだった。単なる対戦相手の差し替えではなく、武尊は世界王座を懸けた5ラウンドのタイトルマッチに臨むことになった。
この変更には、競技上の意味がある。ロッタンとスーパーレックは、ともに世界的な実力者だが、得意とする攻撃や試合運びは異なる。武尊が準備していた対策をそのまま使えるとは限らず、相手の戦術を見極めながら戦う必要が生じた。
| 時期 | 出来事 | 試合への影響 |
|---|---|---|
| 当初の予定 | 武尊対ロッタンのビッグマッチを計画 | 武尊はロッタンとの対戦を目指していた |
| 2024年1月5日 | ONEがロッタンの負傷欠場を発表 | 当初の対戦カードが変更 |
| 変更後 | スーパーレックが武尊の相手に決定 | フライ級キックボクシング世界王座が懸かった試合に |
| 2024年1月28日 | ONE 165を有明アリーナで開催 | スーパーレックが判定3-0で勝利 |
この経緯から、武尊の敗戦を対戦相手の変更だけで説明するのは適切ではない。相手の変更は準備面での難しさを生んだ可能性があるが、実際の勝敗はリング上での攻防によって決まった。スーパーレックが持つ蹴りの精度と試合運びを評価することが、結果を理解するうえで重要だ。
【全5ラウンドの展開】武尊の反撃とスーパーレックの技術を振り返る
ONE Championshipの公式試合レポートでは、スーパーレックが序盤からジャブとローキックで試合を組み立て、第3ラウンドに武尊の強烈な反撃を受けながらも、後半に立て直したことが記されている。
第1ラウンド:王者が距離を支配スーパーレックはジャブで武尊の前進をけん制しながら、右ローキックを繰り返した。武尊も蹴りやパンチで応戦したものの、相手の攻撃を受けずに距離を詰めることは容易ではなかった。
序盤からスーパーレックが自分のリズムで攻防を進め、武尊にプレッシャーをかける展開となった。
第2ラウンド:ローキックが武尊の動きを制限第2ラウンドも、スーパーレックのジャブとローキックが試合の軸になった。武尊がパンチを当てようと前進する場面でも、王者は先に直線的なパンチを当て、足への攻撃を重ねた。
ローキックの蓄積は、前に出て連打を打つ武尊にとって大きな負担となる。パンチの距離に入るためのステップや、攻撃後に位置を変える動作にも影響するからだ。
第3ラウンド:武尊が最大のチャンスをつかむ試合の見せ場となったのが第3ラウンドだ。
武尊は前進する圧力を強め、パンチの連打を浴びせた。スーパーレックが一時的に揺らぐ場面もあり、武尊が試合の流れを変える可能性を感じさせた。
ただし、武尊はダウンを奪うには至らなかった。スーパーレックは連打を受けながらも立ち続け、危険な時間帯を切り抜けた。
このラウンドは、武尊の攻撃力と勝負強さが表れた場面であると同時に、王者の耐久力と冷静さが試された場面でもあった。
第4ラウンド:王者が再びペースを握る第4ラウンド、武尊は引き続き前に出てパンチを狙った。しかし、スーパーレックはジャブとローキックの組み合わせを再び機能させ、挑戦者の攻撃を正面から受け続けない戦い方に戻した。
第3ラウンドのようにパンチをまとめて当てる時間を作らせず、武尊が距離を詰める過程で蹴りを当てる。こうした攻防の積み重ねが、試合の主導権を王者側へ引き戻した。
第5ラウンド:武尊が逆転を狙うも、王者が逃げ切る最終ラウンド、武尊は右パンチやボディーへの攻撃を繰り出し、逆転を狙って前進した。
対するスーパーレックは、右ヒザやジャブ、ストレートで迎え撃った。単純に逃げ切るのではなく、相手の攻撃に合わせて有効な反撃を返し、最後まで距離とリズムを管理した。
5ラウンド終了時、武尊は勝利に必要な決定打を得られず、スーパーレックの判定勝ちが告げられた。
この試合のハイライトは、第3ラウンドの武尊の猛攻だけではない。序盤からローキックを蓄積させ、反撃を受けた後も戦術を立て直し、最終ラウンドまで自分の武器を使い続けたスーパーレックの総合力にもある。
【判定採点と勝敗を分けた理由】武尊はなぜ王座を獲得できなかったのか
武尊対スーパーレックの結果を考える際、単純にパンチの迫力や会場の盛り上がりだけで試合を評価することはできない。重要なのは、15分間を通じてどちらが有効な攻撃を積み重ね、試合をコントロールしたかという点だ。
1.ローキックによって前進のコストが上がった武尊の大きな武器は、相手との距離を詰めてパンチを連打する攻撃力にある。しかし、前進するには足を使う必要がある。
スーパーレックは、その足に繰り返しローキックを当てた。足へのダメージが蓄積すれば、距離を詰める動作や攻撃後の位置取りが難しくなる。パンチの威力だけでは補いにくい部分だ。
2.スーパーレックは攻撃の起点を握ったジャブは相手を直接倒すためだけの技ではない。距離を測り、相手の進入を止め、次のローキックやストレートにつなげる役割も果たす。
スーパーレックはジャブと蹴りを組み合わせることで、武尊が得意なパンチの連打を仕掛ける機会を制限した。個々の技の威力だけでなく、攻撃を組み立てる順序で優位に立ったことが大きい。
3.武尊の反撃は強烈だったが、試合全体を覆せなかった第3ラウンドの武尊は、パンチの連打で王者を追い込んだ。局面ごとの攻撃力という意味では、挑戦者にも勝機があったことを示している。
しかし、反撃で相手を揺さぶることと、判定で勝つことは同じではない。試合を通じて有効な攻撃を積み重ね、相手の戦術を崩し続ける必要がある。武尊は大きな見せ場を作ったものの、スーパーレックの序盤の優位を覆す決定的な場面を作れなかった。
4.王者の修正力が後半の差につながった第3ラウンドに大きな反撃を受けた後も、スーパーレックは第4、第5ラウンドでジャブや蹴りを使った戦い方に戻した。
相手の強打を受けても戦術を維持・修正できる能力は、世界タイトルマッチで重要になる。武尊の攻撃力が不足していたというよりも、王者がその攻撃を受けた後に立て直したことが、結果を左右したと考えられる。
判定3-0は、武尊に見せ場がなかったことを意味しない。 武尊は第3ラウンドに王者を揺さぶり、最終ラウンドまで勝利を目指して攻め続けた。それでも、試合全体の距離管理と有効打の積み重ねではスーパーレックが上回った。これが、この試合を読み解くうえでの核心だ。
【試合後コメントと再戦の可能性】2024年の約束は2026年にどう変わった?
試合後の武尊は、ダメージの影響で病院へ向かい、予定されていた記者会見を欠席した。日本のスポーツ紙や格闘技専門メディアは、武尊が左足を負傷し、筋断裂などのダメージを負ったことを報じている。
リング上では、武尊は勝利を届けられなかった悔しさをにじませながら、応援してくれた人々への感謝を伝えた。試合後に公開された映像や本人の発信からも、この一戦に懸けていた思いの強さがうかがえる。
一方、スーパーレックは勝利を収め、当時のONEフライ級キックボクシング世界王座を守った。ONE Championshipの公式試合レポートでは、武尊の強さを認めたうえで、再戦にも前向きな姿勢を示したことが紹介されている。
当時は再戦実現への期待があった。ONEのチャトリ・シットヨートンCEOも、試合後に再戦を予定している旨を語ったと報じられた。ただし、当時の意向と、実際に試合が正式決定したことは区別する必要がある。
2026年の武尊の戦績:最後の試合で世界王座を獲得武尊のキャリアは、2024年のスーパーレック戦で終わったわけではない。
2025年3月、ONE 172で武尊はロッタンと対戦したが、1ラウンド開始から80秒で左フックによるKO負けを喫した。その後、2026年4月29日に東京・有明アリーナで開催されたONE SAMURAI 1でロッタンとの再戦に臨んだ。
ONE Championship公式発表によると、武尊は第5ラウンド2分22秒にTKO勝ちを収め、ONE暫定フライ級キックボクシング世界王座を獲得。この試合を最後に現役生活に幕を下ろした。公式発表に記載されたプロ通算戦績は46勝5敗である。
2026年の武尊を語るうえでは、スーパーレック戦の判定負けだけでキャリアを評価しないことが重要だ。2024年に王座を逃した相手との再戦ではなく、別のライバルであるロッタンとの因縁に決着をつけ、世界王者としてキャリアを終えた点が、後年の大きな転機になった。
スーパーレックの2026年最新動向:王座返上スーパーレックにも大きな変化があった。
ONE Championshipは2026年9月24日、スーパーレックがONEフライ級キックボクシング世界王座を返上したと発表した。理由は右膝の前十字靱帯(ACL)断裂からの回復に専念するためだという。
したがって、2024年の試合結果を説明する際には「スーパーレックが王座を防衛した」と記すのが正確だが、2026年10月現在の状況を説明する際には「現在も王者」と表現してはいけない。王座防衛は当時の事実であり、現在の王座保有状況とは異なる。
また、武尊は2026年4月に引退試合を終えているため、現役選手同士のスーパーレックとの再戦は、現在のところ具体的な実現予定があるとはいえない。
【ONE 165の試合ハイライト・見逃し配信】動画を見る方法と注意点
武尊対スーパーレックの攻防を映像で振り返りたい場合は、ONE Championshipの公式サイトに掲載された大会結果・ハイライト記事や、公式の「Rewind」シリーズが確認先になる。
公式の「ONE 165 Main Card」振り返り映像は、2024年2月に公開された約1時間53分のコンテンツだ。大会のメインカードをまとめて見たい人に向いている。公式大会結果の記事には、メインイベントを含む各試合の結果とハイライトも掲載されている。
日本では、当時ABEMA PPVがONE 165を独占配信し、見逃し視聴にも対応していた。ただし、過去の大会については配信期間や視聴権、地域によってアクセス状況が異なる。現在も必ず視聴できるとは限らないため、配信サービスの最新の番組情報を確認したい。
動画を探す際には、次の3点を押さえると効率がよい。
- 試合全体を確認したい人: ONE Championship公式の大会リプレー情報を探す。
- 勝敗を分けた場面を短時間で見たい人: 公式の試合ハイライトを確認する。
- 武尊の試合後コメントも見たい人: ONEの公式映像や、ORICON NEWSなどが公開した試合後インタビュー映像を探す。
短いハイライトは見せ場を中心に編集されるため、試合全体の流れを理解するには不十分な場合がある。特にこの試合では、第3ラウンドの武尊の猛攻だけでなく、第1、第2ラウンドでのローキックの蓄積や、第4、第5ラウンドの王者の立て直しも重要だ。判定の理由を理解するなら、可能な限り全ラウンドを確認したい。
【武尊対スーパーレックの結果】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:武尊とスーパーレックの試合はどちらが勝ちましたか?
A1:2024年1月28日のONE 165で、スーパーレックが判定3-0で勝利しました。当時のONEフライ級キックボクシング世界王座を防衛しています。
Q2:武尊が判定負けした理由は何ですか?
A2:スーパーレックの右ローキック、ジャブ、距離管理が試合を通じて機能したためです。武尊は第3ラウンドにパンチの連打で王者を揺さぶりましたが、後半に主導権を完全に奪い返すことはできませんでした。
Q3:なぜ武尊の対戦相手はロッタンからスーパーレックに変更されたのですか?
A3:当初対戦予定だったロッタンが負傷により欠場したためです。ONE Championshipは2024年1月5日に欠場を発表し、代わりにスーパーレックとのフライ級キックボクシング世界タイトルマッチが組まれました。
Q4:2026年現在、武尊とスーパーレックの再戦はありますか?
A4:2026年10月現在、具体的な再戦予定はありません。武尊は2026年4月29日のロッタン戦を最後に現役を引退しています。スーパーレックも同年9月に王座を返上しており、両者の再戦が実現する見通しは立っていません。
Q5:2026年の武尊の通算戦績は何勝何敗ですか?
A5:ONE Championshipの公式発表によると、武尊はプロ通算46勝5敗でキャリアを終えました。2026年4月29日のロッタン戦では第5ラウンド2分22秒にTKO勝ちし、ONE暫定フライ級キックボクシング世界王座を獲得しています。
Q6:スーパーレックは2026年現在も世界王者ですか?
A6:いいえ。スーパーレックは2024年1月の武尊戦では王座を防衛しましたが、2026年9月24日に右膝の前十字靱帯断裂からの回復に専念するため、ONEフライ級キックボクシング世界王座を返上しています。
武尊対スーパーレックの結果は、スーパーレックの判定3-0による勝利だった。序盤からローキックとジャブで試合を組み立てた王者に対し、武尊は第3ラウンドに最大の反撃を見せた。しかし、スーパーレックはその猛攻を耐え抜き、後半に戦術を立て直して勝利を手にした。
ロッタンの負傷欠場による対戦相手の変更は、大会のストーリーを大きく変えた。それでも、勝敗を分けたのはリング上での技術、攻撃の組み立て、そして試合中の修正力だった。
2026年には、武尊がロッタンとの再戦に勝利して世界王座を獲得し、プロ通算46勝5敗で引退。一方のスーパーレックは膝の負傷からの回復に専念するため王座を返上した。こうした後年の動向を踏まえると、ONE 165は武尊のキャリアにおける大きな挫折であると同時に、世界最高峰の相手と渡り合った重要な一戦でもあった。
試合結果だけを確認するなら判定3-0で十分だ。しかし、勝敗の理由まで理解したいなら、ローキックが蓄積した序盤、第3ラウンドの反撃、そして後半の立て直しを一続きの流れとして見ることが欠かせない。それが、この試合を正確に振り返るための最も重要な視点だ。