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今村翔吾はいつ直木賞を受賞?『塞王の楯』の受賞理由と候補歴・2026年の活動を徹底解説

星川 美咲 星川 美咲 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
目次

今村翔吾さんが直木賞を受賞したのは、2022年1月19日です。受賞作は、戦国時代の石垣職人と鉄砲職人の対決を描いた歴史小説『塞王の楯(さいおうのたて)』。第166回直木三十五賞で、米澤穂信さんの『黒牢城』とともに選ばれました。

今村さんは、2019年の『童の神』、2020年の『じんかん』でも直木賞候補となり、今回が3度目の候補での受賞です。2026年現在は、小説の執筆に加え、書店や出版文化を支える活動、メディア出演などにも取り組んでいます。受賞までの経緯から『塞王の楯』のあらすじ、評価、代表作、最新の活動まで、初めて作品を読む人にもわかるように整理します。

【今村翔吾が直木賞を受賞したのは2022年1月19日】

今村翔吾直木賞

今村翔吾さんが受賞したのは、第166回直木三十五賞です。対象となったのは2021年下半期の作品で、受賞作『塞王の楯』は集英社から2021年10月に刊行されました。選考結果は2022年1月19日に発表されています。

この回では、今村さんの『塞王の楯』と米澤穂信さんの『黒牢城』が同時に受賞しました。いずれも歴史を題材にした小説ですが、『塞王の楯』が石垣を築く職人と鉄砲を作る職人の対決を描く一方、『黒牢城』は戦国時代の城を舞台にしたミステリーです。歴史という共通の土台から、異なる物語の魅力が評価された受賞回でした。

ここで注意したいのは、「2021年の直木賞受賞」と「2022年の直木賞受賞」は、どちらも間違いではないという点です。第166回は2021年下半期の賞ですが、受賞の決定と発表は2022年1月に行われました。受賞年を調べる際は、対象期間と発表年を区別すると混乱しません。

集英社の受賞発表では、『塞王の楯』は「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く戦国小説として紹介されています。大名や武将の天下取りを中心に据えるのではなく、戦場を支える技術者たちの誇りや信念に焦点を当てたことが、本作の大きな特徴です。

【『童の神』『じんかん』から『塞王の楯』へ|受賞までの経緯】

今村さんは、直木賞を一度の候補入りで受賞したわけではありません。先行する2作品で候補となり、その間にも別の文学賞で実績を積み重ねていました。作家としての歩みをたどると、受賞が突然の出来事ではなかったことがわかります。

時期 主な出来事・作品 注目ポイント
2017年 『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー 火消したちを描くシリーズで作家活動を本格化。
2018年 『童神』で第10回角川春樹小説賞を受賞 刊行時に『童の神』へ改題。後に直木賞候補となる。
2019年 『童の神』が第160回直木賞候補に 直木賞への初めての候補入り。
2020年 『じんかん』が第163回直木賞候補に 『八本目の槍』で吉川英治文学新人賞、『じんかん』で山田風太郎賞も受賞。
2021年 『塞王の楯』を刊行 石垣職人と鉄砲職人の対立を軸にした長編歴史小説。
2022年1月19日 第166回直木賞を受賞 『塞王の楯』で3度目の候補から受賞。『黒牢城』との同時受賞。
2024年以降 書店運営や出版文化に関わる活動を展開 シェア型書店「ほんまる」の運営や日本ドラフト文学賞の創設発表など。

初めて直木賞候補となった『童の神』は、2018年に角川春樹小説賞を受賞した作品です。刊行前の作品名は『童神』で、単行本化に際して『童の神』へ改題されました。歴史の中で周縁に置かれた人々に目を向ける姿勢は、後の作品にも通じています。

続く『じんかん』は、戦国武将・松永久秀を題材にした歴史小説です。2020年に第163回直木賞候補となったほか、第11回山田風太郎賞を受賞しました。同年には『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞も受賞しており、直木賞以外の文学賞でも評価を確立していきます。

そして3度目の候補作となったのが『塞王の楯』です。過去の候補作が無駄になったというより、作品ごとに異なる題材へ挑みながら、歴史小説の書き手として表現の幅を広げてきた経緯に注目したいところです。ただし、候補を重ねれば受賞できるという仕組みではなく、最終的には各回の候補作を対象とした選考委員の議論で結果が決まります。

【ネタバレなしで解説|『塞王の楯』のあらすじ】

『塞王の楯』の舞台は、豊臣秀吉の死後、再び戦乱の気配が強まる戦国時代末期です。物語の中心となるのは、城の石垣を築く職人集団「穴太衆(あのうしゅう)」と、優れた鉄砲を生み出す職人集団「国友衆(くにともしゅう)」です。

主人公の匡介は、幼い頃に落城によって家族を失い、石垣職人の源斎に助けられます。穴太衆のもとで石積みの技術を磨いた匡介は、やがて「絶対に破られない石垣」を築くことで戦をなくしたいと考えるようになります。

一方、国友衆の彦九郎は、どんな城も打ち破る鉄砲を作り、その圧倒的な力によって戦をなくそうとします。守るために強くなる匡介と、攻めるために強くなる彦九郎。目指すものは似ていても、その手段は正反対です。

やがて両者の技術と信念は、関ケ原の戦いを目前にした大津城をめぐる攻防で激突します。石垣と鉄砲のどちらが優れているかという勝負だけでなく、「人を守るとは何か」「戦を終わらせるために何ができるのか」という問いが、物語全体を貫いています。

読み始める前に押さえておきたいのは、本作が武将の活躍だけを描く戦国小説ではないことです。普段は合戦の背景に退きがちな石工や鉄砲職人を主役に据え、彼らが持つ専門技術、師弟関係、仕事への矜持を物語の中心に置いています。

史実の大津城の戦いを物語の軸にしながら、職人たちの葛藤や対決をフィクションとして組み立てている点も特徴です。史実の解説書というより、歴史的な背景を土台に人間ドラマと活劇を楽しむ長編小説として読むのがおすすめです。

【なぜ直木賞を受賞した?『塞王の楯』の魅力と選考理由】

『塞王の楯』の受賞理由を理解するうえで重要なのは、珍しい題材を扱ったという一点だけではありません。職人という新鮮な視点、相反する信念をぶつける構成、専門技術を戦闘の緊張感へ結びつける描写が、作品の魅力を支えています。

1.武将ではなく職人を主役にした独創性

戦国小説では、大名の野望や武将の知略、合戦の勝敗が物語の中心になりやすいものです。本作では、城を守る石垣を築く穴太衆と、攻城の力となる鉄砲を作る国友衆が中心に立ちます。歴史を動かすのは権力者だけではなく、現場で技術を磨き続ける人々でもある。その視点の転換が、既存の戦国小説とは異なる面白さを生んでいます。

2.「楯」と「矛」の対立が、思想の対立へ発展する

匡介と彦九郎は、単純に善人と悪人に分けられる人物ではありません。二人とも戦を終わらせたいと願いながら、そのために選ぶ方法が違います。守備を極めることと攻撃を極めることは、どちらも技術を高める行為である一方、戦争の抑止という目的に対しては異なる答えになります。この対立が物語に厚みを与えています。

3.専門的な題材を活劇として描き切る力

集英社の刊行記念インタビューによると、今村さんは資料を読み込むだけでなく、穴太衆の技術を受け継ぐ職人への取材も行い、石積みの仕事や技能の継承について理解を深めています。職人の仕事を細部まで描くことで、石垣の構造や修復の工夫が、単なる知識の紹介ではなく戦場の緊迫感につながっています。

第166回の選評でも、作品の熱量や力強さ、対立を軸に読者を物語へ引き込む構成が評価されました。一方で、長編ならではの分量や詳しい描写については、読み手を選ぶ可能性を指摘する見方もあります。受賞は全員が同じ理由で絶賛した結果というより、作品の野心や物語を推進する力が選考の中で評価されたものと捉えると理解しやすいでしょう。

また、題名の「塞王」は、堅固な城塞を築く技術者の頂点を示す言葉として物語の象徴になっています。強い城を作ることと、戦そのものをなくすことは同じなのか。物語は技術の優劣を競わせながら、その先にある人間の選択まで読者に考えさせます。

【『塞王の楯』の評判・口コミ|高評価の理由と読みにくさ】

『塞王の楯』の読者評価を見ると、石垣職人と鉄砲職人の対決というわかりやすい構図、職人たちの仕事への誇り、攻城戦の迫力が大きな見どころになっています。武将の名前や戦の経緯を追うだけでなく、技術を磨く人々の人間ドラマを楽しめる点が、本作ならではの強みです。

楽天ブックスの商品レビューでは、2026年10月の確認時点で、総合評価4.39、レビュー491件と表示されています。個々の感想には、職人たちの真剣勝負や人物関係に感動したという好意的な評価が見られる一方、難しい漢字や専門的な表現が多く、読み進めにくいとする声もあります。特定の販売サイトに投稿された評価であり、すべての読者の意見を代表する数字ではありませんが、作品の受け止め方を知る参考にはなります。

読みやすさの面では、主に次の3点を意識するとよいでしょう。

  • 歴史小説に慣れている人:戦国時代の背景や城郭、武具への知識があれば、技術や戦況の描写をより深く楽しめます。
  • 歴史小説を初めて読む人:最初から登場人物や専門用語をすべて覚えようとせず、匡介と彦九郎の対立を軸に読み進めると、物語の流れをつかみやすくなります。
  • 短時間で軽く読みたい人:本作は長編で、専門的な描写も含みます。テンポの速い短編や、現代を舞台にした気軽な小説を求めている場合は、別の作品から入る方法もあります。

特におすすめなのは、歴史上の有名人物だけでなく、名もない職人や裏方の働きに興味がある人です。城を守るために積み上げられる石、鉄砲を作るための工夫、技術を次の世代へ伝える師弟関係。そうした積み重ねが合戦の行方を左右するところに、本作の読み応えがあります。

反対に、史実に忠実な歴史解説を期待する人は、史実と創作の区別を意識して読む必要があります。歴史小説では、記録に残る出来事と、登場人物の内面や会話を描く創作が組み合わされます。物語としての迫力と、歴史資料としての正確性は、別々の評価軸です。

【直木賞の仕組みと2026年の今村翔吾|受賞後の活動・代表作】

直木賞は、正式名称を直木三十五賞といい、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本を主な対象とする文学賞です。公益財団法人日本文学振興会の説明によると、選考会は年2回、上半期は7月、下半期は翌年1月に行われます。対象作品から候補作が選ばれ、選考委員の討議を経て受賞作が決定します。受賞作が出ない回もあります。

直木賞と芥川賞は同じ文学賞として並べて紹介されることが多いものの、対象となる作品の性格は異なります。芥川賞は雑誌などに発表された新進作家による純文学の中・短編作品が対象で、直木賞はエンターテインメント作品の単行本が対象です。どちらが上という関係ではなく、評価対象の違いと理解するのが適切です。

歴代受賞作に目を向けると、2026年7月時点の日本文学振興会の受賞者一覧では、第175回の受賞作として朝倉かすみさんの『けんぐゎい』が掲載されています。第174回は嶋津輝さんの『カフェーの帰り道』、第173回は受賞作なしでした。今村さんの第166回受賞は、こうした長い歴史を持つ賞の中で、歴史小説が評価された一つの節目でもあります。

2026年現在の今村翔吾さんの活動

今村さんは1984年、京都府生まれ。ダンスインストラクターや作曲家、埋蔵文化財調査員などを経て作家となりました。2022年の直木賞受賞後も、歴史小説や時代小説の執筆を続ける一方、書店や出版文化を支える活動へと取り組みを広げています。

2024年4月には、シェア型書店「ほんまる」が開店しました。また、同年11月には日本ドラフト文学賞の創設を発表。文学賞の選考委員も務めるなど、作品を発表するだけでなく、書き手や読者が本と出会う環境にも関わっています。

作品面では、『塞王の楯』以外にも『八本目の槍』『じんかん』『幸村を討て』『茜唄』『海を破る者』など、歴史上の人物や出来事を異なる角度から描いた作品があります。シリーズ作品では『羽州ぼろ鳶組』『くらまし屋稼業』『イクサガミ』なども知られています。受賞作だけで作風を判断せず、題材や物語のタイプに応じて選ぶと、作家としての幅が見えてきます。

公式サイトの2026年10月下旬の告知では、10月30日の読売テレビ『ニュース to』への出演予定や、11月7日の文豪カフェでのトークショー・サイン会が案内されています。最新の出演・イベント情報は随時更新されるため、参加や視聴を予定する場合は公式発表を確認するのが確実です。

初めて読むなら、どの作品がおすすめ?

まず歴史小説の迫力を味わいたい人には、直木賞受賞作の『塞王の楯』が有力な選択肢です。職人の対決という明確な構図があり、物語の中心となる問いもつかみやすい作品です。

戦国武将の人物像を掘り下げたいなら『じんかん』、石田三成や島左近らを含む歴史の再解釈に関心があるなら『八本目の槍』も候補になります。より娯楽性の高いシリーズから入りたい人は、『羽州ぼろ鳶組』や『イクサガミ』を選ぶ方法もあります。

作品選びで大切なのは、受賞歴の数だけで決めないことです。歴史上の人物を深く知りたいのか、職人の仕事や技術に興味があるのか、スピード感のある活劇を読みたいのか。自分の関心に近い題材から入ることが、今村作品を楽しむ近道です。

【今村翔吾直木賞に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:今村翔吾は何年に直木賞を受賞しましたか?
A1:2022年1月19日に発表された第166回直木三十五賞を、『塞王の楯』で受賞しました。対象は2021年下半期で、米澤穂信さんの『黒牢城』との同時受賞です。

Q2:『童の神』と『じんかん』も直木賞を受賞した作品ですか?
A2:いいえ。『童の神』は第160回、『じんかん』は第163回の直木賞候補作です。実際に直木賞を受賞したのは、3度目の候補となった『塞王の楯』です。

Q3:『塞王の楯』は歴史に詳しくなくても楽しめますか?
A3:楽しめます。物語の中心は、石垣職人の匡介と鉄砲職人の彦九郎が、それぞれの信念を懸けて対決する構図です。専門用語や歴史上の背景に戸惑った場合は、すべてを覚えようとせず、二人が何を守ろうとしているのかに注目すると読みやすくなります。

今村翔吾さんは2022年1月19日、第166回直木賞を『塞王の楯』で受賞しました。『童の神』『じんかん』での候補入りを経て、3度目の候補でつかんだ受賞です。石垣職人の穴太衆と鉄砲職人の国友衆を主役に据えた独創性、技術と信念のぶつかり合い、合戦の迫力が作品の大きな魅力となっています。

受賞後も今村さんは小説の執筆を続けながら、書店運営や文学賞の創設、メディア出演など活動の幅を広げています。2026年現在の動向を追う際は、公式サイトの最新情報と、出版社が公表する書誌・受賞情報を合わせて見ると、作品と活動の両面を把握できます。

最初の一冊を選ぶなら、歴史小説の醍醐味を味わいたい人は『塞王の楯』、松永久秀という人物の再解釈に興味がある人は『じんかん』、シリーズものを楽しみたい人は『羽州ぼろ鳶組』や『イクサガミ』がおすすめです。直木賞という肩書だけでなく、自分が読みたい題材や物語のテンポを基準に選ぶことで、今村翔吾作品の魅力をより深く味わえるでしょう。

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星川 美咲

アイドルグループのリリースとライブ告知を8年追跡。加入や卒業の発表は公式発表の日付とあわせて記録しています。

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