お笑いコンビ「さらば青春の光」の所属事務所として知られる「森東事務所」。正式名称は株式会社ザ・森東で、森田哲矢が社長、相方の東ブクロが副社長を務める個人事務所です。大手芸能事務所から独立した芸人が、YouTubeやライブ、グッズ販売などを組み合わせて事業を拡大してきた点で、芸能界でも異色の経営モデルとして注目されています。
関心を集める理由の一つが、年商の急成長です。2023年には約4億7,985万円の売上高を記録したことが報じられ、2026年2月のテレビ番組でも過去の業績が改めて公開されました。一方、2024年・2025年の売上高は一般向けには公開されていません。設立理由や松竹芸能からの独立経緯、ヤマネヒロマサの役割、五反田の新事務所まで、公開情報をもとに森東事務所の実像を整理します。
【森東事務所とは】株式会社ザ・森東の会社概要と役員構成

森東事務所は、さらば青春の光が自らの活動をマネジメントするために立ち上げた芸能事務所です。一般的な大手芸能プロダクションのように多数のタレントを抱える形ではなく、コンビ自身とマネージャーを中心とした少人数体制で事業を運営してきました。
会社の特徴は、芸人としての活動と会社経営が密接に結びついていることです。テレビやラジオへの出演だけでなく、YouTubeチャンネルの運営、ライブの企画、グッズの販売、企業とのタイアップなど、仕事の獲得からコンテンツ制作まで幅広い領域を手がけています。
株式会社ザ・森東の中核を担う人物は、次の3人です。
- 森田哲矢(社長):さらば青春の光のメンバーで、会社の代表を務める。テレビ出演に加え、YouTubeや企画制作など、事業の拡大をけん引してきた。
- 東ブクロ(副社長):森田の相方で、会社の経営にも参加する。コンビの活動に加え、個人での出演や企画にも携わる。
- ヤマネヒロマサ(マネージャー):仕事の調整や現場のマネジメントを担う中心人物。ITmedia ビジネスオンラインの2023年のインタビューでは、芸人やバンドマンとして活動した経歴と、2016年から本格的にさらば青春の光のマネジメントに携わった経緯を語っている。
3人の役割は、単なる出演者と裏方という関係にとどまりません。タレント自身が会社の経営に参加し、マネージャーも事業を支える重要なメンバーとして報酬や利益配分の仕組みに組み込まれている点が、森東事務所の特徴です。
なお、森東事務所の業績が大きく伸びたからといって、所属芸人を次々に増やしているわけではありません。2025年9月のスポニチアネックスの報道では、所属する芸人はさらば青春の光のみと説明されていました。規模の拡大よりも、既存のコンビを中心とした事業の収益性を高める経営方針がうかがえます。
【設立理由と独立経緯】松竹芸能を離れた2013年に何があったのか
さらば青春の光は、2008年にコンビを結成し、2012年の「キングオブコント」で準優勝を果たしました。実力が広く知られ始めた時期に、所属していた松竹芸能との契約が終了し、2013年に独立。その後、株式会社ザ・森東を立ち上げました。
独立の背景には、芸人としての評価と収入、仕事の機会をめぐる不満がありました。2019年のウェブザテレビジョンのインタビューでは、森田が当時を振り返り、会社からの評価や金銭面に納得できない部分があったと説明しています。東ブクロも、賞レースで評価されていても、他事務所の芸人と比べて仕事や収入の面で差を感じていたことを振り返りました。
ただし、独立は単純に報酬への不満だけで説明できるものではありません。さらば青春の光は、活動拠点を関西から東京へ移すことも視野に入れていました。2014年の女性自身のインタビューでも、東京への進出を決めた際に心機一転して個人事務所を立ち上げた経緯が紹介されています。
設立の直接的なきっかけとなったのは、TOKYO MXの番組「さらば青春の光ふぁいなる」です。2022年のウェブザテレビジョンのインタビューによると、2013年5月に始まった同番組の企画から会社設立につながりました。番組終了後も法人を存続させ、自分たちで運営を続ける道を選んだのです。
つまり、森東事務所は最初から大きな収益を見込んで設立された企業というよりも、所属先が定まらない状況を打開するために生まれた会社でした。初期には仕事がほとんどなく、賞レースで結果を残すことが活動を続けるための大きな目標だったと、同インタビューで森田は語っています。
設立までの流れと、その後の業績の変化を整理すると次のとおりです。
| 時期 | 出来事 | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| 2008年 | コンビ結成 | さらば青春の光として活動を開始。 |
| 2012年 | キングオブコント準優勝 | コンビの実力が広く知られる転機となる。 |
| 2013年 | 松竹芸能から独立 | 番組企画をきっかけに株式会社ザ・森東を設立。 |
| 2018年 | 売上高3,300万円 | 2026年2月に公開された過去の業績データ。 |
| 2019年 | 売上高4,400万円 | 前年から売上高が増加。 |
| 2020年 | 売上高9,700万円 | 売上高が約1億円に近づく。 |
| 2021年 | 売上高1億8,700万円 | 前年から大きく成長。 |
| 2022年 | 売上高3億6,000万円 | 報道では約3億7,000万円と紹介されることもある。 |
| 2023年 | 売上高4億7,985万円 | 過去最高水準の売上高を記録したことが公表された。 |
| 2024年・2025年 | 売上高の一般公開を制限 | 2026年2月の報道では、有料チケット購入者向けに公開する方式と説明された。 |
この年表で注目したいのは、独立した直後から順調だったわけではないことです。初期の苦しい時期を経て、複数の収益源を育てたことが、その後の急成長につながっています。
【年商3億7,000万円の真相】2026年に確認できる売上高と注意点
森東事務所の年商が話題になるきっかけの一つが、2023年にテレビ番組で紹介された約3億7,000万円という数字です。この数字は、2022年の売上高をおおむね丸めた金額として広まりました。
その後、2026年2月5日付のスポニチアネックスは、日本テレビ系「人間研究所~かわいいホモサピ大集合!!~」で公開された2018年から2023年までの業績を報道しました。同記事によると、2022年の売上高は3億6,000万円、2023年は4億7,985万円でした。したがって、「年商3億7,000万円」は森東事務所の現在の年商を示す数字ではなく、過去の業績を表すものとして理解する必要があります。
2023年の売上高は、2018年の3,300万円と比較すると約14.5倍です。2019年の4,400万円から2023年の約4億7,985万円までを見ても、わずか4年で約10.9倍に増えています。テレビ出演だけに依存せず、複数の事業を育ててきたことが成長の背景にあります。
一方、2024年と2025年の売上高は、2026年2月の報道時点で一般向けには公開されていません。森田は、売上高を広く公開し続けることで、弱い立場から成功していく姿を見せるという従来の戦略が変わる可能性に言及しました。近年の売上高については、ファン向けの株主総会で伝える形へ移行しています。
ここで混同しやすいのが、年商と年収、そして純利益の違いです。年商は1年間の売上高を指し、会社に入ってきたお金の総額にあたります。そこからスタッフへの報酬、事務所の家賃、制作費、外注費、税金などを負担するため、年商が約4億8,000万円だからといって、森田や東ブクロがそれぞれ同額を個人収入として得ているわけではありません。
実際、2023年9月のRBB TODAYの報道では、森田は年商と年収の違いを説明し、税金や社会保険料、事務所の家賃などの支出があることを明かしています。売上高の大きさだけを見て、個人の収入や会社の利益まで推測するのは適切ではありません。
【収益の仕組み】YouTube・グッズ・ライブが成長を支えた理由
森東事務所の収益構造を理解するうえで重要なのが、テレビ出演以外の事業を自社で展開していることです。2023年8月にRBB TODAYが報じたテレビ番組での発言によると、森田はYouTubeとグッズ販売を主な収益源として挙げています。
具体的には、次のような収益源が組み合わさっています。
- YouTubeの広告収益:メインチャンネルやサブチャンネル、個人チャンネル、ネタ専用チャンネルなど、複数のチャンネルを運営する。
- 企業のPR案件:動画や企画を通じて企業の商品・サービスを紹介し、広告関連の収入を得る。
- グッズ販売:ファン向けの商品やコラボ商品を販売し、コンテンツの人気を売上につなげる。
- ライブ・イベント:単独ライブやファンイベントなどを開催し、チケット収入や関連商品の販売機会を生み出す。
- テレビ・ラジオ・その他の出演:出演料を得るとともに、コンビの認知度を高め、ほかの事業への関心につなげる。
なかでもYouTubeは、森東事務所の経営を語るうえで欠かせない存在です。2025年2月のスポニチアネックスの報道では、ヤマネヒロマサが複数のYouTubeチャンネルの収益について説明し、チャンネル制作を支えるスタッフへの配分や、企業PR案件の報酬の一部をスタッフに還元する仕組みを紹介しました。
この仕組みの特徴は、コンテンツを一度制作して終わりにせず、広告、企業案件、グッズ、ライブなど複数の事業へ展開できることです。テレビ出演をきっかけにコンビを知った視聴者がYouTubeを視聴し、動画を通じてファンになった人がライブやグッズに関心を持つ。こうした流れが生まれれば、単一の出演料に頼らない収益構造を築けます。
テレビ出演の位置づけにも特徴があります。森田は過去の番組で、テレビの出演料が必ずしも高くないことを説明する一方、テレビに出演できること自体が活動を続けるうえで大切だという考えを示しています。テレビを直接的な収益源としてだけでなく、知名度や信用を高める機会として活用しているのです。
また、ヤマネのマネジメント方針も注目点です。ITmedia ビジネスオンラインの2023年のインタビューでは、ヤマネは従来型の営業活動にこだわらない仕事の進め方について語っています。単に出演機会を増やすだけでなく、本人たちの個性に合った企画を選び、コンテンツを通じて仕事が生まれる流れを作ることが、森東事務所の独自性につながっています。
もちろん、YouTubeの広告単価や視聴回数、企業案件の数は変動します。ライブやグッズ販売にも制作費や運営費がかかります。複数の収益源を持つことは強みですが、すべての事業が常に同じ利益を生むわけではありません。森東事務所の成長を評価する際には、収益源の多さと、それらを継続して運営するコストの両方を見る必要があります。
【株主総会の実態】ファンに業績を公開する独自の経営スタイル
森東事務所をほかの個人事務所と区別する特徴の一つが、ファン向けイベント「株式会社ザ・森東 株主総会」です。会社の業績発表に加え、トークやゲストとの企画などを組み合わせたイベントで、ファンを「株主」と呼び、会社の歩みを共有する場として開催されています。
2025年1月には第11期株主総会が東京ガーデンシアターで開催されました。加えて、TBSラジオの公式発表によると、第12期株主総会は2026年2月11日に横浜のぴあアリーナMMで開催されました。会場規模を拡大しながら、業績報告をイベントの恒例企画として続けている点は、ファンとの関係を重視する経営スタイルの表れです。
株主総会で売上高を公表することには、単なる話題づくり以上の意味があります。ファンはコンビの活動を楽しむだけでなく、会社がどのように成長したかを知ることができます。前年から売上高が増えたことや、事業が拡大したこと自体がイベントの演出となり、ファンが成長の過程を見守る仕組みになっています。
一方、イベント名に「株主総会」とあるからといって、参加者全員が会社法上の株主であるという意味ではありません。公演はファン向けのエンターテインメントイベントとして企画され、会社の業績発表もその一部として行われています。一般的な企業の法定手続きとしての株主総会と、ファンに向けたイベントとしての株主総会は、区別して理解することが大切です。
また、売上高を毎年すべて一般公開することが、必ずしも会社の利益になるわけではありません。2026年2月のスポニチアネックスの報道では、2024年と2025年の売上高は有料チケット購入者向けに公開する方式へ変わったと伝えられました。会社の成長をファンと共有しながら、情報を公開する範囲を調整する段階に入ったと考えられます。
【2026年最新】五反田の新事務所と森東事務所の評判・実態
2026年現在の森東事務所を考えるうえで、近年の事業拡大を象徴する動きが、東京・五反田の事務所スペースの拡充です。オリコンニュースは2026年1月、さらば青春の光がYouTubeチャンネル「さらば森田の五反田ガレージ」で新たに借りた一室を公開したと報じました。
森田が説明した理由は、衣装や荷物が増えすぎたことです。公開された部屋には、衣装や荷物を置くスペースに加えて、ランドリールームやキッチンなども設けられていました。既存の事務所から完全に移転したというより、増え続ける荷物や衣装に対応するため、追加の部屋を借りた動きとして紹介されています。
この出来事は、森東事務所の成長を身近に感じられる例です。売上高が増えたという数字だけでは見えにくい変化も、衣装や撮影用の物品が増え、仕事をするためのスペースが必要になったという具体的な形で表れています。五反田を拠点とした動画企画も、事務所の活動やコンビの個性を伝えるコンテンツの一つになっています。
では、森東事務所の評判や実態はどう評価できるのでしょうか。公表されている情報からは、少人数で事業を運営しながら、売上高を伸ばしてきたことが確認できます。一方で、会社のすべての収支や最新の売上高が常に公開されているわけではありません。ファン向けの情報公開と、一般向けに確認できる情報には違いがあります。
森田は2026年2月のテレビ番組で、独立当初の苦労や、好感度だけに依存しない活動方針について語りました。知名度の高いタレントとして理想的なイメージを保つことだけを優先せず、自分たちの弱い立場や失敗もコンテンツにする姿勢は、森東事務所のブランドを形作る要素です。
ただし、こうしたスタイルはすべての芸能人や事務所に適しているわけではありません。個性を前面に出す企画は熱心なファンを獲得しやすい反面、好みが分かれたり、発言や企画が批判を受けたりする可能性もあります。森東事務所の実績は、独立すれば誰でも同じように成功できることを示すものではなく、本人たちの個性、コンテンツ制作力、マネジメント、ファンとの関係が組み合わさった結果として見るべきです。
【プロの結論】森東事務所の成功から見える個人事務所経営の強み
森東事務所の事例から読み取れるのは、個人事務所の強みが、単に所属事務所へ支払う中間コストを抑えることだけではないという点です。自分たちで企画を立て、コンテンツを制作し、視聴者との接点を増やし、広告やグッズ、ライブなど複数の事業へつなげる仕組みが重要です。
特に大きいのは、タレントとマネージャーが同じ事業目標を共有していることです。森田と東ブクロが出演者として活動する一方、ヤマネは仕事の調整や制作体制を支えます。役割の異なる3人が一つの会社を運営することで、出演者の魅力を事業全体の成長へ結びつけてきました。
報酬の仕組みも特徴的です。森田らは、仕事量に応じて個別に歩合を決めるだけではなく、3人の給与を原則として均等にする考え方を公表してきました。ただし、これは売上高そのものを単純に3等分するという意味ではありません。会社の運営費用やスタッフへの配分などを考慮する必要があり、年商だけでは各人の報酬額を正確に把握できません。
加えて、YouTubeや株主総会などを通じて、会社の活動そのものをコンテンツにしている点も見逃せません。事務所の移転や日常的な出来事、業績発表までファンが楽しめる企画に変えることで、会社の運営とファン向けのエンターテインメントが相互に支え合っています。
一方、個人事務所の経営には、仕事の獲得、制作、契約、税務、スタッフの管理などを自分たちで担う負担もあります。森東事務所の成功を参考にするなら、売上高の数字だけを目標にするのではなく、継続的に収益を生むコンテンツを作れるか、制作費や人件費を管理できるか、特定の収入源に依存しすぎていないかを判断基準にが必要です。
【森東事務所】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:森東事務所とは何ですか? A1:さらば青春の光が所属する個人事務所で、正式名称は株式会社ザ・森東です。2013年に設立され、森田哲矢が社長、東ブクロが副社長を務めています。
Q2:森東事務所の年商は3億7,000万円ですか? A2:約3億7,000万円という数字は、主に2022年の売上高を紹介した報道に基づくものです。2026年2月に公開された業績では、2022年が約3億6,000万円、2023年が約4億7,985万円でした。2024年・2025年の売上高は一般公開されていません。
Q3:森東事務所はなぜ松竹芸能から独立したのですか? A3:報道やインタビューでは、会社からの評価や収入への不満、東京へ活動拠点を移す意向などが背景として語られています。2013年に独立した後、番組企画をきっかけに設立した会社を自分たちで運営する道を選びました。
Q4:森東事務所の収益源は何ですか? A4:YouTubeの広告収益、企業のPR案件、グッズ販売、ライブやイベント、テレビ・ラジオへの出演などが主な収益源です。森田は過去の番組で、YouTubeとグッズ販売が大きな収益源になっていると説明しています。
Q5:森東事務所の株主総会は誰でも参加できますか? A5:ファン向けイベントとして開催され、参加には公演ごとのチケット販売条件に従う必要があります。2026年2月には第12期株主総会が開催されました。参加条件や販売方法は公演ごとに確認する必要があります。
Q6:森東事務所の五反田の新事務所は移転先ですか? A6:2026年1月に報じられたのは、衣装や荷物の増加に対応するため新たに借りた一室です。既存の事務所から完全に移転したという内容ではなく、業務スペースを拡充する動きとして紹介されました。
森東事務所こと株式会社ザ・森東は、2013年の独立を出発点に、YouTube、グッズ、ライブ、テレビ出演などを組み合わせて成長してきた個人事務所です。森田哲矢が社長、東ブクロが副社長を務め、マネージャーのヤマネヒロマサとともに会社を運営する体制が、事業拡大を支えてきました。
売上高は2022年に約3億6,000万円、2023年に約4億7,985万円へと伸びましたが、2024年・2025年の数字は一般向けに公開されていません。2026年には株主総会の開催や五反田での事務所スペース拡充が確認されており、事業を継続しながら活動環境を整えていることがうかがえます。
森東事務所を理解するうえで大切なのは、年商の大きさだけで成功を判断しないことです。収益源の多様化、タレントとマネージャーの連携、ファンとの関係づくり、そして事業を支える費用や人員まで含めて見る必要があります。個人事務所という小さな組織から、独自のコンテンツと経営スタイルを築いた森東事務所の今後は、芸能界における新しい事業モデルを考えるうえでも注目されます。