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無断駐車は警察に通報すべき?公道・私有地の違いと正しい対処法を2026年最新解説

倉木 俊樹 倉木 俊樹 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

自宅の駐車場や月極駐車場、店舗の敷地に見知らぬ車が止まっている。何度注意しても無断駐車が繰り返される場合、警察に通報すれば車を移動させてもらえるのでしょうか。

無断駐車は、土地の所有者や管理者の同意なく車両を駐車し、その状態を続ける行為です。ただし、警察が取締りを行えるかどうかは、駐車場所や具体的な状況によって異なります。公道で道路交通法上の違反が疑われる場合と、私有地で民事上のトラブルとして扱われる場合では、対応の進め方も変わります。

【まず結論】無断駐車は警察に通報できる?110番と#9110の使い分け

無断駐車警察

無断駐車を発見したとき、警察に連絡すること自体は可能です。ただし、通報できることと、警察が車両を強制的に移動させられることは別問題です。

公道で駐車禁止場所への駐車、交通の妨げ、危険な駐車などが疑われる場合は、警察による確認や取締りが行われる可能性があります。一方、契約者専用の駐車区画や住宅の敷地など、私有地で発生した無断駐車は、土地の使用権や駐車場契約に関わる民事上の問題として扱われるのが一般的です。

警察庁や政府広報オンラインが案内する連絡先の使い分けは、次のとおりです。

  • 110番:事件・事故が発生している場合や、差し迫った危険、交通上の緊急性がある場合。
  • #9110:犯罪に当たるか分からない、繰り返される迷惑駐車への対応を相談したいなど、緊急性のない警察相談。
  • 最寄りの警察署:具体的な駐車場所や状況を伝え、地域の事情に応じた対応を相談したい場合。

「#9110」は全国共通の警察相談専用電話です。発信地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。受付時間は都道府県によって異なり、夜間や休日は当直対応や音声案内となる場合があります。また、ダイヤル回線や一部のIP電話では利用できないため、その場合は各都道府県警察の相談窓口を確認してください。

政府広報オンラインが2026年3月3日付で案内した警察相談の説明でも、緊急でない困り事には#9110を利用するよう呼びかけています。単に「車が止まっている」という状況だけで110番を繰り返すのではなく、危険性や緊急性に応じて連絡先を選ぶことが大切です。

警察に電話するときは、次の情報を整理しておくと状況が伝わりやすくなります。

  • 駐車されている住所や場所の目印
  • 車種、色、ナンバープレートの情報
  • 発見した日時と、どのくらい駐車が続いているか
  • 公道か私有地か、契約者専用区画か
  • 出入口がふさがれている、契約者が駐車できないなどの具体的な被害
  • 相手への注意や管理会社への連絡をすでに行ったか

伝え方の例は、「自宅の駐車場に許可のない車が止まっています。車両の情報と駐車状況は記録しています。警察で確認できる事案か、今後どのように対応すべきか相談したいです」というものです。事実を具体的に伝え、警察に可能な対応を確認しましょう。

【公道と私有地で違う】警察が取れる対応と法律上の境界

無断駐車の対応を考えるうえで、最初に確認したいのが駐車場所です。道路交通法による取締りの対象になるか、土地の使用をめぐる民事問題として解決する必要があるかによって、取るべき手段が変わります。

公道の無断駐車は道路交通法違反の有無がポイント

道路上に車が止まっていても、すべての駐車が違法になるわけではありません。駐車禁止の標識・標示、交差点や横断歩道付近などの規制、駐車方法、交通の妨げになっているかといった事情を確認する必要があります。

道路交通法第45条などでは、一定の場所における駐車が規制されています。同法には、違反車両について警察官等が駐車方法の変更や移動を命じることができる規定もあります。運転者がいない場合でも、道路上の危険防止や交通の円滑化のため、法律で定められた条件のもとで必要な措置が取られることがあります。

ただし、私有地の駐車場に勝手に止められた車を、道路上の駐車違反と同じように取り締まれるわけではありません。公道に見えても、道路交通法上の「道路」に該当するかどうかは、その場所の管理形態や一般交通への開放状況などによって判断されます。

車が交差点付近や通行の妨げになる場所に止まっている、歩行者や自転車が危険な状態にあるといった場合は、場所と危険の内容を具体的に伝えて警察に相談してください。

私有地の無断駐車は原則として民事上の問題

自宅の敷地、契約者専用の月極駐車場、マンションの専用区画、店舗の駐車スペースなどに許可なく車を止められた場合、土地の所有者や正当な使用権を持つ人の権利が侵害される可能性があります。

このような行為は、民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求の対象になり得ます。ただし、警察が現場に来ても、民事上の権利関係の判断や車両の排除を直ちに行えるとは限りません。相談内容に応じて、状況確認や注意喚起などが行われる場合はありますが、必ず対応してもらえるとは限らないのが実情です。

ここで注意したいのが、私有地への無断駐車が、そのまま住居侵入罪や建造物侵入罪に該当するとは限らない点です。刑法130条の適用は、敷地の囲い方、建物との関係、立入りの態様などによって判断されます。門や塀で囲われ、建物に付属する敷地への侵入など、具体的な事情によっては刑事上の問題になる可能性もあります。

また、車両が出入口をふさいで業務を妨害しているなど、別の犯罪が疑われる事情があれば、単なる駐車トラブルとは異なる判断が必要になることもあります。犯罪に当たるかどうかを自分だけで断定せず、具体的な被害を警察に説明が必要です。

【ケース別に比較】無断駐車の場所によって相談先はどう変わる?

公道、個人宅、月極駐車場、マンション敷地では、連絡先と解決までの進め方が異なります。以下の表を参考に、状況に合った対応を選んでください。

発生場所・状況 主な相談先 現実的な対応
公道で駐車違反が疑われる 警察 場所、車両情報、交通への影響を伝え、取締りの対象になるか確認する。
私有地の駐車場に無断駐車された 土地所有者、管理会社、必要に応じて警察 写真を保存し、管理者から警告や車両の使用停止を求めるなどの対応を検討する。
契約している月極駐車場が使えない 駐車場の管理会社・設置者 契約区画と被害を記録し、具体的な排除措置や再発防止策を求める。
自宅の出入口がふさがれ、危険や緊急性がある 警察、必要に応じて道路管理者など 通行不能の状況や差し迫った危険を具体的に伝え、緊急性に応じて連絡する。
同じ車が何度も無断駐車を繰り返す 管理会社、土地所有者、警察相談窓口、弁護士 日時ごとの記録をまとめ、警告、設備による予防、損害賠償などを段階的に検討する。

この比較で押さえておきたいのは、警察への通報と、土地の管理者への申し入れを対立する選択肢として考えないことです。公道での違反が疑われる場合は警察に、私有地で契約や管理上の問題が生じている場合は所有者や管理会社に、それぞれ必要な情報を伝えるのが基本です。

特に賃貸住宅や月極駐車場では、利用者本人が土地の所有者ではない場合があります。契約者は管理会社に連絡し、契約上の駐車権が侵害されていること、利用できない期間、発生した損害を明確に伝えましょう。

【証拠が後で効く】無断駐車の写真の撮り方と記録方法

無断駐車への対応が難航する原因の一つは、誰が、いつ、どの区画に、どれだけの時間駐車していたかを後から証明しにくいことです。国民生活センターが2026年1月発行の「国民生活」に掲載した弁護士による法律解説でも、車両や駐車日時などの証拠を確保し、管理会社への連絡を記録しておくことの重要性が指摘されています。

無断駐車の証拠写真は4つの視点で残す
  • 1. 場所が分かる全景:駐車場全体や建物、区画番号などを写し、どこに止められているかが分かる写真を撮る。
  • 2. 車両を特定できる写真:車種、色、ナンバープレートが確認できる写真を残す。
  • 3. 権利関係が分かる写真:契約区画の番号、「契約者専用」「無断駐車禁止」などの表示、区画線を記録する。
  • 4. 被害が分かる写真:出入口がふさがれている、契約者の車が駐車できないなど、実際の支障を撮影する。

写真は発見時だけでなく、時間が経過した後にも撮影すると、駐車が継続している状況を説明しやすくなります。撮影日時、発見時刻、車両がいなくなった時刻、管理会社や警察に連絡した時刻も、メモや記録表に残しておきましょう。

スマートフォンで撮影する場合は、元の画像データを保存し、加工した画像だけを証拠として残すことは避けてください。防犯カメラを利用する場合も、設置場所や撮影範囲、個人情報の取扱いに配慮する必要があります。

撮影したナンバープレートや車両の画像を、相手を特定する目的でSNSに公開することは避けましょう。個人情報やプライバシーの問題に発展するおそれがあるためです。証拠は管理会社、警察、弁護士など、対応に必要な相手へ適切に提供してください。

【自分でできる対処法】管理会社への相談と張り紙の注意文

無断駐車を発見したら、まずは安全を確保したうえで、土地の所有者や管理会社に連絡します。直接相手と対峙するよりも、記録を残しながら管理者を通じて対応するほうが、トラブルの拡大を防ぎやすくなります。

管理会社には「具体的な措置」を求める

「無断駐車が迷惑なので何とかしてほしい」と伝えるだけでは、対応が曖昧なままになることがあります。どの区画に、いつから、どの車が止まっているのかを示したうえで、実施してほしい措置を具体的に伝えましょう。

  • 現場確認と、駐車状況の記録
  • 車両の使用者への警告や連絡
  • 無断駐車を防ぐ看板や表示の設置
  • 必要に応じたチェーンポールや車止めなどの設置検討
  • 再発時の連絡先と対応手順の明確化

管理会社が対応した日時、担当者名、説明された内容、今後の対応予定も記録しておくと、問題が長期化した場合に役立ちます。管理会社に連絡しても改善しない場合は、土地の所有者や管理組合にも状況を共有しましょう。

無断駐車の張り紙・注意文は冷静で具体的に

張り紙は、無断駐車をやめるよう伝える手段の一つです。ただし、車両に直接貼り付ける方法は、粘着剤による塗装の損傷などをめぐってトラブルになる可能性があります。できる限り、敷地内の看板や掲示板など、管理権限のある場所に掲示する方法を選びましょう。

注意文には、感情的な表現や脅すような言葉ではなく、駐車禁止の事実、管理者への連絡先、再発時の対応を簡潔に記載します。例えば、次のような文面が考えられます。

無断駐車禁止のお知らせ

当駐車場は契約者専用です。契約者および管理者の許可なく駐車することはできません。

無断駐車を確認した場合は、駐車日時および車両情報を記録し、管理者への連絡など必要な対応を行います。

お心当たりのある方は、速やかに車両を移動し、管理者までご連絡ください。

「無断駐車1回につき10万円請求」など、高額な金額を掲示すれば必ず回収できるわけではありません。請求が認められるかどうかは、契約の内容や表示、実際に生じた損害などによって判断されます。

再発が続く駐車場では、注意文だけでなく、区画表示の改善、利用規則の明確化、防犯設備の導入なども検討する価値があります。予防策は、管理者の権限や敷地の構造、費用に応じて選びましょう。

【レッカー移動・損害賠償】やってはいけない行為と請求の現実

私有地でも勝手なレッカー移動は避ける

無断駐車の被害を受けている側であっても、相手の車を自分で移動させたり、タイヤロックやチェーンで車両を拘束したり、車体を傷つけたりする行為には注意が必要です。

こうした行為は、法律上の「自力救済」の問題を生じさせ、相手から損害賠償を請求されるなど、別のトラブルにつながるおそれがあります。私有地の所有者だからといって、他人の車両を自由に移動・処分できるわけではありません。

レッカー移動についても、私有地の車を所有者の同意や適切な法的手続なしに移動させることは避けるべきです。公道で道路交通法上の要件を満たした場合に警察官等が移動措置を取ることと、私有地の管理者が独自にレッカー業者を手配することは、法的な位置づけが異なります。

国民生活センターの2026年1月号に掲載された法律解説でも、無断駐車車両を自力で動かす行為は違法となる可能性が高いため、避けるよう注意が促されています。どうしても車両の排除が必要な場合は、管理会社や弁護士に相談し、適切な手続きを検討してください。

無断駐車の損害賠償請求は実際の損害が重要

私有地への無断駐車によって土地の使用権などが侵害された場合、民法709条に基づく損害賠償請求が認められる可能性があります。ただし、無断駐車があったという事実だけで、希望する金額を必ず請求できるわけではありません。

例えば、契約者専用の駐車区画が使えず、代わりにコインパーキングを利用した場合には、その利用料金が損害を示す資料の一つになります。駐車できなかった期間、周辺の駐車料金相場、実際に発生した費用などを記録しておきましょう。

一方、「無断駐車をしたら一律で高額な罰金を支払う」と看板に記載しても、その金額がそのまま法的に認められるとは限りません。実際の損害や契約条件などを踏まえた判断が必要です。

損害賠償を求める場合は、証拠を整理し、管理会社や土地所有者と対応方針を確認してください。車両の所有者を特定することや、請求金額の妥当性を判断することが難しい場合には、弁護士への相談も選択肢になります。

特に、長期間にわたる無断駐車や、何度も警告しているのに繰り返されるケースでは、証拠の整理と法的手続の検討を並行して進めることが重要です。感情的な対抗措置を取るよりも、記録を残し、正規の手段で解決を図るほうが、結果的に負担を抑えやすくなります。

【無断駐車警察】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:無断駐車を見つけたら、すぐに110番通報してもよいですか?
A1:通報自体は可能ですが、緊急性に応じて連絡先を選びましょう。公道で交通上の危険や駐車違反が疑われる場合は警察に連絡し、差し迫った危険や緊急の事件・事故がある場合は110番を利用します。私有地の無断駐車について、緊急性のない相談をしたい場合は#9110や最寄りの警察署に相談してください。

Q2:私有地への無断駐車は不法侵入として警察に取り締まってもらえますか?
A2:私有地に無断駐車したという事実だけで、住居侵入罪や建造物侵入罪が自動的に成立するわけではありません。敷地の囲い方や建物との関係、侵入の状況などによって刑事上の問題になる可能性はあります。車両の位置や被害状況を記録し、具体的な事情を警察に説明してください。

Q3:無断駐車された車を自分でレッカー移動したり、高額な損害賠償を請求したりできますか?
A3:車両を無断で移動させる行為は、自力救済として違法になるリスクがあるため避けてください。損害賠償は、実際に生じた損害や契約条件などを踏まえて判断されます。写真や日時の記録を残し、管理会社や土地所有者と相談したうえで、必要に応じて弁護士に適切な手続きを確認しましょう。

無断駐車への対応は、公道か私有地かによって大きく異なります。公道で道路交通法上の違反や交通上の危険が疑われる場合は警察への通報が有効ですが、私有地の駐車トラブルでは、土地の所有者や管理会社との連携が解決の中心になります。

2026年1月に国民生活センターが公表した法律解説でも、無断駐車の日時や車両情報を記録し、管理者に具体的な対応を求めることが勧められています。警察への相談を行う場合も、写真や記録を準備しておくことで、状況を説明しやすくなります。

一方、勝手なレッカー移動、車両の拘束、損傷を与える行為は、被害を受けた側に新たな法的リスクを生じさせる可能性があります。証拠を保存し、管理会社への申し入れ、警察への相談、損害賠償請求の検討という順序で、状況に応じた対処を進めてください。

【プロの結論】無断駐車を解決するうえで優先すべきなのは、相手に仕返しをすることではなく、駐車の事実と被害を客観的に残し、適切な権限を持つ相手に具体的な措置を求めることです。 緊急性があるなら110番、緊急性のない警察相談なら#9110、私有地の管理上の問題なら管理会社や土地所有者への連絡を基本とし、必要に応じて専門家の力を借りることが、再発防止と安全な解決につながります。

参考資料:警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」、政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話『#9110』番へ」、e-Gov法令検索「道路交通法」、国民生活センター『国民生活』2026年1月号。

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倉木 俊樹
トレンドリサーチャー 倉木 俊樹
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