大阪の暴走族は、かつてのように大規模な集団で道路を占拠する姿ばかりではなく、峠道での危険な競走や、SNSを通じて集まるグループなど、複数の形で問題が続いています。2026年8月には、阪奈道路での暴走行為をめぐり、大阪府警による大規模な摘発が報じられました。一方、大阪府警の「大阪の交通白書(令和7年版)」では、2025年の暴走族構成員数が前年より減少したことも明らかになっています。
では、大阪府内の暴走族は実際に減っているのでしょうか。グループ数・構成員数・走行台数・暴走族関連110番の推移を比較しながら、大阪府警の取締り、阪奈道路の事件、旧車會との違い、共同危険行為の罰則まで整理します。2026年10月時点で確認できる公的統計と報道をもとに、大阪の暴走族の現在を読み解きます。
【大阪の暴走族は現在どうなっている?】2025年の府警統計を徹底検証

大阪の暴走族の現状を把握するうえで、基礎となるのが大阪府警察の「大阪の交通白書(令和7年版)」です。同資料には、2020年から2025年までのグループ数、構成員数、走行台数、暴走族関連110番の推移が掲載されています。
2025年の数字で目を引くのは、構成員数が前年の939人から773人へ減った一方、グループ数は7のまま変わっていない点です。構成員が減ったことだけを理由に、暴走族の活動そのものが一様に縮小したと判断することはできません。
| 年 | グループ数 | 構成員数 | 走行台数 | 暴走族関連110番 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年(令和2年) | 6 | 1,075人 | 410台 | 3,438件 |
| 2021年(令和3年) | 2 | 957人 | 268台 | 3,307件 |
| 2022年(令和4年) | 4 | 1,010人 | 133台 | 2,864件 |
| 2023年(令和5年) | 5 | 990人 | 483台 | 2,772件 |
| 2024年(令和6年) | 7 | 939人 | 140台 | 3,841件 |
| 2025年(令和7年) | 7 | 773人 | 172台 | 3,701件 |
出典:大阪府警察「大阪の交通白書(令和7年版)」。走行台数は同白書の公表値。暴走族関連110番は通報件数であり、すべてが犯罪として確認された件数を意味するものではありません。
構成員数は約18%減少、グループ数は横ばい2024年と2025年を比較すると、構成員数は939人から773人へ166人減少しました。減少率は約17.7%です。グループ数は7で変わらず、構成員の規模が縮小しても、府警が把握する集団の数には変化がなかったことが分かります。
走行台数は140台から172台へ32台増加し、約22.9%の上昇となりました。一方、暴走族関連110番は3,841件から3,701件へ140件減少しています。構成員数、走行台数、通報件数がそれぞれ異なる動きを示している点は見逃せません。
特に、2023年の走行台数は483台と、前後の年に比べて大きく増えています。こうした変動があるため、単年の増減だけで大阪の暴走族の勢力や危険性を評価するのは難しいのです。
2025年のグループ数を分類すると、集団で危険な運転を行う「共同危険型」が5グループ、峠道などで速度を競う「違法競走型」が2グループでした。大阪府内の暴走族は、騒音をまき散らす集団走行だけでなく、競走や危険なコーナリングを伴う走行も取締りの対象になっています。
【大阪の暴走族はなぜ減った?】歴代の動向と現在の実態
大阪の暴走族が減少した理由を考えるには、構成員数の長期的な変化と、集団のあり方の変化を分けて見る必要があります。
2020年の構成員数は1,075人でしたが、2025年には773人となり、5年間で約28.1%減少しました。長期的には縮小傾向が読み取れます。ただし、グループ数は2021年に2まで減った後、2025年には7となっています。人数が減ることと、集団がなくなることは同じではありません。
組織型から、SNSで人が集まる形へ暴走族の活動形態については、従来型の固定された組織だけでは説明できない動きも見られます。大阪府内の警察署協議会の議事録では、警察側が、組織化された集団は少なくなり、SNSを通じて集まったり、走行中の個々の運転者が集団化したりするケースがあると説明しています。
この変化は、暴走族対策を考えるうえで重要です。固定したグループ名や構成員を把握するだけでは、突発的に集まる車両や、地域をまたいで移動する集団への対応が難しくなるためです。大阪府警が近隣府県警察と情報を共有し、合同取締りを実施している背景にも、こうした広域的な活動があります。
減少の背景は、取締りだけでは説明できない大阪府警は、暴走族への加入を防ぐための学校での指導や、検挙された構成員への離脱支援にも取り組んでいます。警察官が学校で暴走行為の危険性や迷惑性を説明する「暴走族加入阻止教室」などは、加入防止と再発防止を目的とした活動です。
こうした取締りや予防活動は、暴走族の勢力縮小を考えるうえで重要な要素です。ただし、公表された統計だけでは、構成員が減った原因を一つに特定できません。若年層の交友関係や余暇の過ごし方、組織形態の変化なども含め、複数の要因を考える必要があります。
大阪の暴走族の歴代グループ名を調べる際の注意点「大阪の暴走族の歴代グループ」を調べる場合、過去の雑誌記事や報道に登場したチーム名と、現在の警察統計を混同しないことが大切です。大阪府警の交通白書が公表しているのは、年度別のグループ数や類型、構成員数などであり、歴代のグループ名を網羅した一覧ではありません。
そのため、過去に知られたグループ名がインターネット上で紹介されていても、それだけで現在も同じ組織が存続しているとは判断できません。現在の大阪の暴走族を把握するには、過去の呼称よりも、最新の公的統計と具体的な摘発事例を重視する必要があります。
【2026年8月の阪奈道路摘発】危険走行をめぐる捜査の実態
2026年の大阪で暴走行為への取締りが注目された事例の一つが、阪奈道路での摘発です。大阪府と奈良県を結ぶ阪奈道路は、カーブや勾配のある区間を含み、危険な速度での走行が重大事故につながりかねない道路です。
2026年8月13日、報道各社は、大阪府警が阪奈道路での暴走行為をめぐり、20~40代の男女を摘発したと伝えました。捜査対象となったのは2025年8月下旬から9月下旬ごろの週末の走行で、深夜から未明にかけて危険な運転が行われたとされています。
時速100キロ超の直線走行や危険なコーナリング日刊スポーツなどの報道によると、摘発された人のうち20人は、阪奈道路で直線区間を時速100キロ超、カーブを約70キロで走行するなどした疑いで、逮捕や書類送検の対象になりました。別の18人には、黄色の区画線をまたいで車線変更したとして、交通反則切符が交付されたと報じられています。
これらの行為は、単に車やバイクを趣味として楽しむこととは異なります。公道で速度を競い、カーブで危険な運転を行えば、対向車や周囲の道路利用者を巻き込む事故につながるおそれがあります。今回の事例は、集団での危険走行だけでなく、個別の交通違反も取締りの対象になることを示しています。
摘発人数は報道によって表記が異なる今回の事件では、摘発人数について報道各社の表記に差があります。日刊スポーツや関西テレビは38人と報じた一方、毎日新聞の配信記事では延べ40人とされています。共同危険行為などの容疑で捜査対象となった人数についても、報道上の内訳に違いがあります。
このため、事件の規模を把握する際は、人数だけを切り取るのではなく、共同危険行為などの刑事事件と、進路変更禁止違反に対する交通反則切符の交付を区別する必要があります。いずれの報道も、阪奈道路で危険走行をした人々に対して府警がまとまった規模の取締りを実施したことを伝えています。
なぜ阪奈道路で取締りが強化されたのか阪奈道路をめぐっては、深夜の騒音や危険な走行が問題となってきました。2026年の報道では、走行する車両の様子を撮影するなどして証拠を集め、捜査を進めたことも伝えられています。
こうした捜査では、現場での検挙だけでなく、車両の走行状況や運転の態様を記録し、後から違反を立証することも重要です。大阪府警は暴走族対策室を中心に、交通機動隊、高速道路交通警察隊、各警察署と連携して取締りを行うとしています。
【大阪の暴走族と旧車會の違い】見た目だけでは判断できない理由
大阪の暴走族について調べていると、「旧車會」という言葉も目にします。旧車會は、旧型の自動車やオートバイなどを中心とした集団を指す言葉ですが、車両の年代や外観だけで暴走族と同一視するのは正確ではありません。
大阪府警は、暴走族を集団で交通の危険を生じさせたり、他人に著しい迷惑を及ぼしたりする運転行為を行う集団として説明しています。分類としては、道路いっぱいに広がったり、蛇行運転や信号無視などを繰り返したりする「共同危険型」と、峠道でタイムを競うローリング族などの「違法競走型」があります。
旧車會は車両の趣味だけで違法になるわけではない大阪府警の説明では、旧車會は暴走族風に改造した旧型車両を運転するグループであり、騒音の大きいマフラーを装着したり、消音器を取り外したりして集団走行するケースが問題視されています。
一方、旧型のオートバイを所有していることや、合法的に整備された車両でツーリングをすること自体が、ただちに暴走行為に当たるわけではありません。違法性を判断するうえでは、車両の見た目や集団の呼び名だけでなく、実際の運転行為、騒音、改造状態などを確認する必要があります。
また、全国統計でいう「旧車會の検挙人員」は、旧車會に関係する違法行為について警察が把握した検挙人員です。旧型車両を楽しむ人すべての人数を意味するものではありません。
暴走族と旧車會を見分ける際の判断基準両者を区別する際は、次の点に注目すると理解しやすくなります。
- 車両の外観ではなく、実際にどのような走行をしているか。
- 蛇行運転、信号無視、危険な速度での競走などが行われているか。
- マフラーの不正改造や、著しい騒音を発生させる運転があるか。
- 警察の発表では、どの法令の違反が疑われているか。
この基準を押さえておけば、旧車會という名称だけで違法性を決めつけたり、逆に集団走行を趣味の一環として軽視したりする誤解を避けられます。
【共同危険行為の罰則】大阪府警が適用する法律と免許への影響
暴走族の取締りで重要な法令の一つが、道路交通法第68条に定められた共同危険行為等の禁止です。集団で暴走行為を行い、道路交通に著しい危険を生じさせるような場合、刑事処分だけでなく運転免許に関する行政処分も問題になります。
大阪府警が公表している罰則の概要は、次のとおりです。実際の処分は、成立した違反、個々の行為、適用法令などによって異なります。
共同危険行為等禁止違反の罰則集団での暴走行為について、共同危険行為等禁止違反が成立した場合の罰則は、2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。行政処分では違反点数25点となり、運転免許の取消しにつながります。免許試験を再び受験できない欠格期間は2年とされています。
ここで注意したいのは、複数台で走行したという事実だけで、必ず共同危険行為等禁止違反が成立するわけではないことです。具体的な走行状況や危険性、共同行為の内容などに基づき、法的な判断が行われます。
騒音や不正改造にも別の罰則がある共同危険行為に該当しない場合でも、不正改造や騒音運転などがあれば、別の違反として処分される可能性があります。大阪府警が示す主な罰則には、次のものがあります。
- 整備不良車両の運転:3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金。違反点数2点。
- 消音器不備の禁止違反:マフラーの取り外しや切断などについて、5万円以下の罰金。違反点数2点。
- 騒音運転の禁止違反:正当な理由のない空ぶかしや急激な加速などで他人に著しい迷惑を及ぼした場合、5万円以下の罰金。違反点数2点。
これらは大阪府警が公表する制度の概要です。実際の事件では、行為の内容に応じて複数の違反が問題になることもあります。集団走行に加え、車両の整備状態や騒音の発生状況も取締りの対象になる点が重要です。
【大阪府警の2026年の取締り動向】通報件数と捜査体制を読み解く
大阪府警の暴走族対策は、走行中の検挙だけで完結するものではありません。警察本部の暴走族対策室、交通機動隊、高速道路交通警察隊、各警察署が連携し、走行実態に応じた取締りを進めています。暴走族や旧車會の活動が府県境を越える場合には、近隣府県警察との情報共有や合同取締りも行われます。
2026年の阪奈道路の摘発報道は、こうした取締りが現在も続いていることを示す事例です。ただし、特定の事件が報じられたからといって、大阪府内のすべての地域で暴走行為が増加していると結論づけることはできません。府内全体の動向は、年次統計と個別の事件を分けて確認する必要があります。
暴走族関連110番は2025年に3,701件大阪府警の交通白書によると、2025年の暴走族関連110番は3,701件でした。前年の3,841件からは減少したものの、年間で3,000件を超えています。
この数字は、暴走族に関連する通報の規模を把握するための指標です。すべてが暴走行為の事実確認や検挙につながった件数ではなく、通報数だけで実際の危険走行の頻度を断定することはできません。それでも、構成員数が減少している一方で、住民などからの通報が年間を通して相当数寄せられていることは、地域の交通環境を考えるうえで重要です。
2026年の取締りを考えるうえで、全国統計も参考になる2026年版の内閣府「交通安全白書」に掲載された警察庁資料では、2025年の全国の検挙人員は、暴走族が7,021人、旧車會が1,887人で、合計8,908人でした。前年の合計7,371人から増加しています。
この全国統計は大阪府内の構成員数とは別の指標です。検挙人員は違反に対する取締りの結果を示すものであり、グループの構成員数や実際の活動規模とそのまま比較することはできません。ただ、構成員数の減少だけでは、暴走行為に対する取締りの必要性がなくなったとはいえないことを示しています。
暴走行為を見かけた場合、どのように通報するか大阪府警は、暴走族に関する情報や地域で気づいた点があれば、近くの警察署へ相談するよう呼びかけています。暴走行為が進行中で、交通事故などの危険が差し迫っている場合は110番通報が選択肢になります。
通報する際は、無理に追跡せず、安全を確保したうえで、場所、時間、進行方向、車両の特徴など、把握できる情報を伝えることが大切です。車両のナンバーや人数を確認するために危険な場所へ近づいたり、運転しながら撮影したりすることは避けてください。
【暴走族大阪】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大阪の暴走族は2026年現在、何グループありますか?
A1:大阪府警の「大阪の交通白書(令和7年版)」に掲載された2025年の統計では、7グループです。内訳は共同危険型が5グループ、違法競走型が2グループです。2026年の通年統計とは異なるため、2026年現在のグループ数として断定する際は、次の年次資料も確認する必要があります。
Q2:大阪の暴走族と旧車會は同じものですか?
A2:同じものではありません。旧車會は旧型車両を中心とするグループを指しますが、違法性は名称や車両の年代だけで決まるものではありません。実際の集団走行、危険運転、不正改造、騒音などの行為に応じて判断されます。
Q3:共同危険行為で捕まると、どのような罰則がありますか?
A3:大阪府警が公表する罰則では、共同危険行為等禁止違反は2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。行政処分では違反点数25点となり、免許取消しにつながります。実際の処分は、認定された違反や事案の内容によって異なります。
2026年の大阪の暴走族を理解するうえで、最も重要なのは、構成員数の減少と危険走行の問題を切り離して考えることです。大阪府警の2025年統計では、構成員数は773人まで減少しましたが、グループ数は7で変わらず、走行台数は前年より増加しました。暴走族関連110番も年間3,701件に上っています。
阪奈道路での摘発は、従来型の集団暴走だけでなく、公道での危険な競走も取締りの対象となることを示しました。また、SNSを通じて集まるなど活動形態が変化していることから、昔のグループ名やイメージだけでは、現在の実態を正確に把握できません。
大阪府警の交通白書は府内の規模や推移を確認するための基礎資料であり、個別の摘発報道は、どのような運転行為が問題になったのかを理解するための資料です。この二つを区別して読むことが、実態を見誤らないための判断基準になります。
今後も大阪の暴走族の動向を追う際は、最新の交通白書でグループ数・構成員数・走行台数・関連110番を確認し、阪奈道路などでの具体的な摘発事例と照らし合わせることが大切です。数字の増減だけにとらわれず、危険走行の実態、取締りの内容、地域への影響を合わせて見ることが、大阪の道路交通の現状を理解する近道です。