2023年12月31日に放送された「第74回NHK紅白歌合戦」で、三山ひろしが挑んだ128人連続のけん玉ギネス世界記録チャレンジ。一度は成功と認定されたにもかかわらず、放送中に判定が覆り、挑戦失敗へと訂正される異例の展開となりました。注目を集めたのは、3人目のパンサー・尾形貴弘の失敗を受けた再挑戦と、最終的に問題となった16番目の参加者のプレーです。
なぜ成功が取り消されたのか。16番目の参加者にはどのような事情があったのか。そして、128人が挑んだギネス世界記録は本当に達成されなかったのか。2024年の再挑戦や2025年の記録更新まで振り返りながら、2026年時点で押さえておきたい判定の経緯、紅白独自の特別ルール、参加者の舞台裏を整理します。
【何が起きた?】紅白けん玉2023の成功取り消しと判定の真相

2023年の紅白けん玉チャレンジは、白組歌手の三山ひろしが歌う「どんこ坂~第7回 けん玉世界記録への道~」のステージで実施されました。三山にとっては9回目の紅白出場で、歌唱と同時に128人が順番にけん玉の玉を大皿に乗せ、連続成功の世界記録を目指す企画でした。
なお、検索では「どんと坂」と表記されることもありますが、番組で披露された曲目の正式表記は「どんこ坂」です。
チャレンジは最初から順調だったわけではありません。開始直後、3人目を担当したお笑いトリオ「パンサー」の尾形貴弘が失敗。しかし、番組独自の特別ルールが適用され、1人目からやり直すことになりました。
2回目の挑戦では、参加者が次々とけん玉を成功させ、最後の128人目である三山も玉を大皿に乗せました。会場では歓声が上がり、ギネス世界記録の公式認定員からも成功と認定されたため、記録達成が実現したかに見えました。
ところが、その後の確認で16番目の参加者が失敗していたことが判明します。スポニチやデイリースポーツなどの当日報道によると、三山の歌唱終了から約50分後、司会の高瀬耕造アナウンサーが映像を再確認した結果、失敗だったと訂正しました。
ここで押さえたいのは、128人目の三山が失敗したわけではないという点です。三山自身は最後の技を成功させていました。しかし、この企画の記録は、途中の参加者を含めて全員が連続して成功することが条件です。16番目の失敗が確認された以上、最後まで成功しても記録達成にはなりません。
つまり、話題となった「成功取り消し」は、成立した世界記録を後日取り消したというよりも、放送中に行われた当初の認定が映像確認によって訂正された出来事です。
【成功取り消しの経緯】尾形の失敗から16番目の判定まで
今回の騒動を理解するには、最初の失敗と再挑戦、そして2回目の判定を分けて考える必要があります。
- 最初の挑戦:3人目の尾形貴弘が失敗。10人目までの失敗に適用される特別ルールにより、再スタートが決定。
- 2回目の挑戦:16番目の参加者の場面で、けん玉の玉が落ちたように見える動きがあったものの、チャレンジはそのまま継続。
- 128人目の成功:最後の三山が技を決め、公式認定員がいったん成功と認定。
- 映像の再確認:16番目のプレーが問題となり、関係者による確認と協議が行われた。
- 最終的な訂正:放送中に高瀬アナウンサーが失敗と発表。ギネス世界記録側も審査時の確認ミスについて謝罪した。
スポニチの2023年12月31日付報道によれば、ギネス世界記録の公式X(旧Twitter)は、今回の挑戦について達成ならずと発表し、審査時の確認ミスによって混乱を招いたことを謝罪しました。
したがって、失敗の原因と、成功が取り消された理由は厳密には異なります。直接の原因は16番目の参加者のプレーが成功条件を満たしていなかったこと。一方、騒動が大きくなった理由は、その失敗を最初の審査で見落とし、成功と発表した後に判定を変更したことにあります。
最初から失敗と判定されていれば、ここまでの混乱は生じなかったはずです。視聴者が疑問を抱いたのは、記録達成の可否だけでなく、公式認定員の判断が後から覆ったことにも理由がありました。
【特別ルールの仕組み】なぜ尾形は失敗しても再挑戦できたのか
紅白けん玉2023で誤解されやすいのが、「失敗しても途中からやり直せる」というルールの捉え方です。実際には、どの参加者が失敗しても自由に再挑戦できる仕組みではありませんでした。
この企画では、最初の10人以内に失敗が発生した場合に限り、1回だけやり直しができるという番組独自の特別ルールが設けられていました。尾形が失敗したのは3人目だったため、条件を満たして再スタートできたのです。
一方、2回目の挑戦で失敗が発生した場合、16番目は再挑戦を認める範囲の外です。そのため、同じようにやり直すことはできませんでした。
このルールは、生放送の限られた時間内に歌唱と記録挑戦を両立させるための運用です。通常のギネス世界記録への挑戦で採用される手順と、紅白の演出上の条件は、同一のものとして扱わないほうが理解しやすいでしょう。
実際に参加した「筒けん」の関係者が2024年1月4日に公開した参加レポートでは、一般的なギネス挑戦と紅白での運用の違いが紹介されています。同レポートによると、通常の挑戦では複数回の試技や、疑問点があった場合の映像確認が行われる一方、紅白では放送時間に制約があり、審査員が全体を目視しながら瞬時に判断する必要がありました。
同レポートは、実際に参加した人物による記録である点に価値があります。ただし、審査の具体的な難しさや現場の状況については、参加者自身の見聞に基づく説明です。ギネス世界記録全般の公式ルールと、紅白の現場で行われた運用上の工夫は区別して読む必要があります。
特別ルールそのものが、16番目の失敗を成功に変えたわけではありません。問題の核心は、再挑戦の条件ではなく、2回目の試技に対する最初の判定が正確ではなかったことにあります。
【16番目の失敗の真相】参加者は補欠だった?舞台裏と弁明
16番目の参加者については、失敗したという結果だけでは見えてこない事情も報じられています。
デイリースポーツが2024年2月7日に報じた三山ひろしのラジオ出演時の説明によると、前日のリハーサルで参加予定者の1人に体調不良が生じ、補欠の参加者が急きょ16番を担当することになったといいます。
三山は、リハーサルでは参加者全員と顔を合わせるものの、全員の配置や交代を細部まで把握していたわけではなく、本番で担当者が変わったことも知らなかったと説明しています。
この事情は、参加者の責任を免除するものではありません。記録挑戦である以上、成功条件を満たせなかったという結果は変わりません。しかし、直前に担当が変わったことや、生放送で大勢の視線を浴びる環境が、本人にとって大きな負担だった可能性は考慮すべきでしょう。
「筒けん」の参加レポートにも、けん玉ヒーローズのメンバーが本番前に繰り返し練習し、立ち位置やカメラの動き、入退場まで細かく確認していた様子が記されています。各日の練習とリハーサルは5時間近くに及び、参加者は自分の技だけでなく、全体の進行にも気を配っていたといいます。
けん玉の基本技である大皿乗せは、技そのものだけを見れば比較的シンプルです。しかし、失敗が許されない大舞台では、普段どおりに技を決めること自体が難しくなります。三山自身も過去の挑戦について、緊張によって通常なら簡単な技の難易度が大きく上がる趣旨の説明をしていました。
失敗した当事者は、その後YouTubeで自身のプレーについて説明する動画を公開しました。ネット上で注目を集めた出来事だけに、本人が経緯を説明しようとしたことも話題になりました。
三山も、失敗した参加者を名指しで責めるのではなく、控室でメンバーを労ったことを後のラジオ出演で明かしています。失敗直後の控室は重苦しい雰囲気だったといい、三山は参加者全員に声をかけ、翌年も一緒に挑戦する意思を確かめたと報じられています。
このエピソードから見えてくるのは、紅白けん玉が三山ひろし1人のパフォーマンスではなく、多くの参加者が成功をつないで初めて成立する企画だということです。失敗を個人だけの問題として切り離すと、急な交代や練習環境、生放送の緊張といった背景を見落としかねません。
【歴代チャレンジ】三山ひろしの紅白けん玉は2023年以降どうなった?
三山ひろしのけん玉チャレンジは、2017年に始まり、挑戦人数を増やしながら続いてきました。2023年は128人という新記録を目指しましたが、16番目の失敗によって達成には至りませんでした。
これまでの主な挑戦結果を整理すると、2023年の失敗が単独で起きたものではなく、成功と失敗を繰り返しながら記録を伸ばしてきた企画の一部であることが分かります。
| 放送年 | 挑戦人数 | 結果 | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 124人 | 失敗 | けん玉世界記録への挑戦を開始 |
| 2018年 | 124人 | 成功 | 124人連続成功を達成 |
| 2019年 | 125人 | 失敗 | 挑戦人数を増やすも記録達成ならず |
| 2020年 | 125人 | 成功 | 125人連続成功を達成 |
| 2021年 | 126人 | 成功 | 前年の記録を更新 |
| 2022年 | 127人 | 成功 | 3年連続で記録を更新 |
| 2023年 | 128人 | 失敗 | 16番目の失敗が後から判明し、当初の認定を訂正 |
| 2024年 | 128人 | 成功 | 前年の挑戦者も再参加し、128人連続成功を達成 |
| 2025年 | 129人 | 成功 | 129人連続成功を達成し、記録を更新 |
2024年12月31日の第75回NHK紅白歌合戦では、三山が再び128人で挑戦。前年に16番を担当して失敗した参加者も、今度は8番として参加しました。そして、128人全員が連続成功し、ギネス世界記録を達成しています。デイリースポーツやスポニチは、前年の失敗からの再挑戦と記録達成を報じました。
さらに2025年12月31日の第76回NHK紅白歌合戦では、129人が挑戦し、連続成功を達成。日刊スポーツやスポニチなどが、前年の128人から1人増やした記録更新を伝えています。
この推移は、2023年の出来事を振り返るうえで重要です。2023年の失敗は、参加者がその後の挑戦から排除されたことを意味しません。むしろ翌年には前年の挑戦者も参加し、全員で記録達成を実現しました。
なお、ここでいう成功は、各年の挑戦で連続成功が認められたかどうかを示しています。2023年に一度成功と発表されたことと、ギネス世界記録として最終的に達成が認められたことは別です。この区別を押さえると、歴代記録の数字も正確に理解できます。
【評判と参加者の実態】失敗した人への批判と企画への賛否
2023年の騒動では、16番目の失敗だけでなく、判定が覆ったことや企画そのものの必要性も議論になりました。
当日のスポニチ報道では、成功と発表された段階で「これ大丈夫?」といった疑問の声が紹介されていました。映像上で失敗したように見えたのに、公式認定員が成功と判断したことに、視聴者が戸惑った様子がうかがえます。
一方、紅白のけん玉企画そのものに対しても賛否があります。音楽番組で歌を聴きたい視聴者にとっては、歌唱中に大人数の記録挑戦を行う演出が必ずしも好ましいとは限りません。反対に、技が連続して成功する緊張感や、最後に全員で喜ぶ一体感を楽しむ視聴者もいます。
ここで注意したいのは、企画への批判と、失敗した個人への批判を混同しないことです。演出の是非を議論することと、失敗した参加者を責め続けることは別の問題です。今回のように直前の担当交代があり、最初の判定にも確認ミスがあった場合、個人だけに責任を集中させると、問題の全体像が見えなくなります。
また、参加者の実態は、テレビ画面から受ける印象とも異なります。前述の参加レポートによれば、出演者は技の練習だけでなく、待機姿勢、立ち位置、カメラへの向き、入退場の動線なども繰り返し確認していました。128人という規模では、自分の出番までの待ち時間や、周囲の動きに合わせることも負担になります。
失敗した人の弁明動画についても、短い切り抜きだけで人物を評価するのではなく、本人が説明した経緯と、報道された当日の状況を分けて確認することが大切です。特定の参加者をめぐる憶測や、根拠のない悪意の推測を事実のように広める必要はありません。
2024年に同じ参加者が再び挑戦し、128人の成功につながった事実は、失敗後の評価を考えるうえでも重要です。2023年の結果は変わりませんが、失敗がその人の技量や人間性のすべてを決めるわけではないことを示しています。
【プロの結論】紅白けん玉2023から学ぶべき3つの判断基準
紅白けん玉2023の騒動は、単なる失敗映像の話題にとどまりません。生放送の判定、記録競技の公平性、参加者への評価という3つの観点から整理すると、誤解しやすいポイントが見えてきます。
1.最初の発表と最終判定を区別する
番組内で成功と発表されても、その後の映像確認で結果が訂正されることはあり得ます。今回、ギネス世界記録側は審査時の確認ミスを認め、謝罪しました。したがって、2023年の128人挑戦を「ギネス記録達成」と紹介するのは正確ではありません。最終的な結果は失敗です。
2.番組独自の特別ルールと記録の認定条件を分ける
10人目までの失敗に対する再挑戦ルールは、紅白の進行に合わせた運用でした。一方、128人連続成功という記録の条件は、途中の失敗がないことです。最初の失敗後に再スタートできたことと、2回目の16番目の失敗が認められなかったことは、矛盾していません。
3.失敗した個人への評価は、当日の結果だけで決めない
参加者には、技の難しさだけでなく、生放送の緊張、担当交代、長時間の待機など、画面からは分かりにくい負担があります。2024年には前年の失敗者も再参加し、128人連続成功が実現しました。挑戦の価値は、成功した瞬間だけでなく、失敗を経て再び挑む過程にもあります。
報道を読む際には、誰が失敗したかだけでなく、どの時点で判定が行われたのか、なぜ訂正されたのか、公式側が何を説明したのかを確認することが有効です。今回の核心は、16番目の失敗そのものに加え、最初の判定で見落としがあったことにあります。
【紅白けん玉2023】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:紅白けん玉2023で成功が取り消された理由は何ですか?
A1:16番目の参加者が失敗していたことを最初の審査で見落とし、一度は成功と認定した後、映像を再確認して失敗へ訂正したためです。ギネス世界記録側も、審査時の確認ミスについて謝罪しています。
Q2:16番目の参加者はなぜ急きょ担当することになったのですか?
A2:三山ひろしが2024年のラジオ出演で説明した内容によると、前日のリハーサルで参加予定者に体調不良が生じ、補欠の参加者が16番を担当しました。担当交代があったことは報じられていますが、それによって失敗の判定が変わるわけではありません。
Q3:三山ひろしのけん玉ギネス世界記録はその後どうなりましたか?
A3:2024年の第75回NHK紅白歌合戦では128人連続成功を達成し、2025年の第76回では129人連続成功を達成しました。2023年は失敗に終わりましたが、その後の挑戦で記録を更新しています。
紅白けん玉2023では、パンサー尾形貴弘が最初の挑戦で失敗したものの、特別ルールによって再スタート。その後、128人目の三山ひろしまで成功したように見えましたが、16番目の参加者の失敗が後から確認され、当初の成功判定が覆りました。
今回の騒動で重要なのは、失敗した人を特定して責めることではなく、再挑戦の条件、記録の認定基準、最初の判定が訂正された経緯を正しく理解することです。公式側が確認ミスを認めたことも、出来事を振り返るうえで欠かせません。
2024年には128人、2025年には129人で記録を達成し、挑戦は続いています。2023年の失敗を単なる失態として終わらせず、参加者の努力や再挑戦、そして生放送で正確な判定を行う難しさまで含めて見ることが、紅白けん玉の実態を理解するうえで大切です。