「新婚さんいらっしゃいに出演した夫婦は離婚しやすい」「出演夫婦の離婚率は約33%」「日本の平均より4.8倍も高い」――。長寿番組をめぐって、こうした数字や噂がインターネット上で語られています。実際に、出演した夫婦がその後どうなったのか、離婚した夫婦はどれくらいいるのか、気になっている人も多いのと考えられます。
2026年10月時点で確認できる公的統計とABC朝日放送テレビの番組公式情報、ネット上の推定記事を照らし合わせると、見えてくるのは「出演夫婦の離婚率が高い」と断定できるだけの統計的根拠がそろっていないという実態です。厚生労働省の最新の年次概数も踏まえ、33%説と4.8倍説の出どころ、歴代出演夫婦のその後、数字を読み解く際の注意点を整理します。
【結論】新婚さんいらっしゃいの離婚率は本当に高いのか?

まず押さえておきたいのは、「新婚さんいらっしゃい」の出演夫婦の離婚率について、全出演夫婦を対象とした公式の確定値は公表されていないという点です。
ABC朝日放送テレビの番組公式ページでは、番組の放送情報や出演夫婦の募集などが案内されています。藤井隆さんと井上咲楽さんがMCを務める番組として、夫婦それぞれの個性や出会い、結婚までのエピソードを紹介していますが、歴代出演夫婦の婚姻状態を網羅した追跡統計や、出演後の離婚率を示す公式データは掲載されていません。
そのため、「出演夫婦の約33%が離婚している」という数字も、「一般の夫婦より4.8倍離婚しやすい」という説も、番組公式の発表値として扱うことはできません。
一方で、番組に出演した夫婦の中に、結婚生活で困難を経験した人や、一度離婚した後に関係を修復した人がいることは、個別の放送内容や報道から確認できます。こうしたエピソードが印象に残り、出演夫婦全体の離婚率も高いのではないか、という疑問につながっていると考えられます。
つまり、現段階での答えは「離婚率が高いと証明されたわけではない」です。噂の真相を判断するには、個別の夫婦のエピソードと、集団全体を対象にした統計を分けて考える必要があります。
【33%説を検証】日本全体の離婚率と比較すると見えてくる違い
「新婚さんいらっしゃいの離婚率は33%前後」という数字は、ネット上の解説記事や質問回答などで紹介されています。一部の記事は、出演者の追跡データと公的統計を照合した推定値として説明しています。しかし、対象となった夫婦の総数、追跡期間、離婚を確認した方法を再現できる資料が明確でなければ、出演夫婦全体の実態を示す数字として評価するのは困難です。
ここで参考になるのが、厚生労働省の人口動態統計です。2026年10月時点で確認できる令和7年(2025年)の人口動態統計月報年計(概数)では、婚姻件数が48万9,119組、離婚件数が17万9,068組となっています。
この離婚件数を同じ年の婚姻件数で割ると、約36.6%です。2024年は婚姻件数48万5,063組、離婚件数18万5,895組で、同じ計算による比率は約38.3%でした。数字だけを見ると33%に近い値が現れますが、ここには統計上の大きな注意点があります。
年間の離婚件数を年間の婚姻件数で割った数字は、その年に結婚した夫婦のうち何%が離婚したかを示すものではありません。 離婚した夫婦の多くは過去の年に結婚しているため、分子と分母は同じ夫婦の集団ではないからです。
主な数字を整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 数値・状況 | 正しい読み方 |
|---|---|---|
| 番組出演夫婦の離婚率 | 公式の確定値なし | 全出演夫婦の追跡結果が公表されていない |
| 出演夫婦の33%説 | ネット上の推定値 | 対象者数や追跡方法を確認できなければ実測値とはいえない |
| 出演夫婦の4.8倍説 | 独自の推定値 | 公的な離婚率調査による比較結果ではない |
| 日本の2025年婚姻件数 | 48万9,119組 | 2025年に届け出られた婚姻の件数 |
| 日本の2025年離婚件数 | 17万9,068組 | 2025年に届け出られた離婚の件数 |
| 2025年の離婚件数÷婚姻件数 | 約36.6% | 同じ年の件数を比較した比率であり、生涯離婚確率ではない |
なお、厚生労働省が公表する「離婚率」には、人口1,000人当たりの年間離婚件数という指標もあります。2024年の離婚率は人口千対1.55でした。婚姻件数に対する離婚件数の比率とは、分母も意味も異なります。
この違いを理解しないまま「日本の離婚率は約35%」「出演夫婦も33%」と並べると、同じ種類の統計を比較しているように見えてしまいます。しかし、出演夫婦の33%説については、同じ基準で算出されたことを確認できる資料が必要です。日本全体の数字が近いというだけでは、出演夫婦の離婚率を裏付ける証拠にはなりません。
【4.8倍説の真相】独自のフェルミ推定は何を根拠にしているのか
「新婚さんいらっしゃいの出演夫婦は離婚率4.8倍」という説の出どころの一つが、離婚率.comに掲載された2025年8月公開の記事です。同記事は、番組出演夫婦の離婚率をフェルミ推定という手法で試算し、一般の夫婦と比較しています。
フェルミ推定とは、直接把握できない数字を、いくつかの仮定や既存のデータを組み合わせて概算する方法です。実際の調査結果が存在しない場合に規模感を考える手段としては使えますが、仮定の置き方によって結果が大きく変わります。
同記事の推定方法は、おおむね次のような流れです。
- 1971年の番組開始から2023年までの出演夫婦数を、約5,000~5,300組と想定する。
- 年間の放送回数と1回当たりの出演組数から、年間出演夫婦数を約100組と仮定する。
- 出演夫婦の累積離婚率を40%、結婚生活の期間を20年と仮定し、年間の離婚確率を約2.54%と試算する。
- SNSの投稿傾向や検索トレンドをもとに補正係数を設定し、年間の離婚確率を約3.80%と推定する。
ここで重要なのは、累積離婚率40%という前提自体が、出演夫婦を追跡して得られた実測値ではなく、推定のために置かれた仮定だという点です。加えて、SNSの反応や検索トレンドから設定した補正係数も、出演夫婦の実際の離婚を直接数えたデータではありません。
同記事の掲載数値にも、比較の際に注意したい点があります。記事中では、補正後の年間離婚確率を約3.80%、一般の夫婦の年間離婚確率を約0.67%としています。この2つを単純に割ると約5.7倍となり、記事タイトルの4.8倍とは一致しません。比較する指標や計算過程について、追加の説明が必要な状態です。
そもそも、出演夫婦の離婚率を調べるのであれば、出演した夫婦を特定し、その後の婚姻状態を一定期間にわたって確認しなければなりません。年間に何組出演したか、SNSでどんな反応があったかという情報だけでは、離婚した夫婦の割合は直接計算できません。
したがって、4.8倍という数字は、出演夫婦が実際に一般の夫婦より4.8倍離婚しやすいことを証明した結果ではありません。あくまで仮定を重ねた独自試算として読み、実測された離婚率と混同しないことが大切です。
【出演夫婦のその後】歴代出演夫婦は現在どうしている?
離婚率の数字とは別に、番組に出演した夫婦がその後も夫婦生活を続けているのか、という関心も根強くあります。長寿番組ならではの特徴は、過去に出演した夫婦が年月を経て再び登場する機会があることです。
2026年2月1日放送回では、2000年4月に新婚夫婦として出演した夫妻が、結婚から26年を経た「銀婚さん」として再登場しました。テレビ朝日の情報サイト「テレ朝POST」によると、夫妻は月1回の旅行や週2~3回のテニスを楽しみ、今も多くの時間を一緒に過ごしていると紹介されています。
この放送では、夫妻の娘夫婦も新婚さんとして登場しました。娘は2025年2月に結婚しており、親子二世代が番組で紹介される形となりました。長く続く夫婦関係を個別に確認できる事例であり、歴代出演夫婦の現在を知るうえで興味深いエピソードです。
一方、番組では結婚生活のすれ違いや、離婚を経験した夫婦の話が紹介されることもあります。2026年7月の放送に関連するABCマガジンの記事では、25歳差の夫婦が結婚後に一度離婚し、夫が改めてプロポーズした経緯が取り上げられました。言葉にしない夫と、思いを率直に伝える妻の間ですれ違いが生じたという内容です。
ただし、この夫婦のようなエピソードは、あくまで個別のケースです。番組で離婚経験が語られたことと、歴代出演夫婦全体の離婚率が高いことは別の問題です。また、出演夫婦のすべてについて、現在の婚姻状態を網羅した公式リストが公表されているわけではありません。
「新婚さんいらっしゃいで離婚した夫婦は何組いるのか」という疑問に正確に答えるには、出演者の特定に加え、離婚の有無を確認できる資料と、調査対象とする期間をそろえる必要があります。個別記事で確認できる夫婦の数を数えただけでは、全体の離婚率は算出できません。
【離婚率が高く見える理由】噂が広がる背景と都市伝説の正体
出演夫婦の離婚率が高いという印象が生まれる背景には、テレビ番組ならではの見え方があります。夫婦の人生を紹介する番組では、出会いの意外性、結婚までの紆余曲折、夫婦間の価値観の違いなど、視聴者の記憶に残りやすいエピソードが取り上げられます。
とりわけ、離婚や別居、夫婦間の大きな衝突といった話は、日常の穏やかな結婚生活よりも強い印象を残しやすいものです。個別の放送を見て「この夫婦も大変そうだ」と感じることはあっても、その印象だけから出演夫婦全体の離婚率を推測することはできません。
また、出演者が自らの夫婦生活を語ることと、一般の夫婦が同じ条件で生活することも異なります。番組に出演する夫婦は、出会いや結婚の経緯を公の場で話すことを選んだ人たちです。出演者の集まり方や番組で紹介されるエピソードには、一般の夫婦全体とは異なる選択の影響が生じる可能性があります。
これは、統計調査でいう「選択バイアス」や「観察されやすさ」の問題に通じます。目立つ事例ばかりが記憶に残ると、実際の頻度よりも多く起きているように感じられることがあります。出演夫婦の離婚率が高いという都市伝説も、こうした印象と、出典や計算方法が十分に共有されていない数字が組み合わさって広がった可能性があります。
噂を見極める際は、次の3点を確認すると判断しやすくなります。
- 対象者が明確か:何組の出演夫婦を調査したのか、対象期間はいつからいつまでか。
- 離婚の確認方法が明確か:本人や公的資料など、どのような根拠で離婚の有無を判定したのか。
- 比較条件がそろっているか:一般の夫婦と出演夫婦で、年齢、結婚からの経過年数、再婚の扱いなどが異なっていないか。
この3点が示されていない場合、「33%」「4.8倍」という数字だけが独り歩きしている可能性があります。数字の大きさに驚く前に、その数字が何を測定しているのかを確かめることが、噂に振り回されないための基本です。
【プロの結論】新婚さんいらっしゃいの離婚率を正しく判断する基準
2026年時点で確認できる情報から判断すると、「新婚さんいらっしゃいの出演夫婦は離婚率が高い」という説には、全出演夫婦を対象にした統計的な裏付けが不足しています。約33%説は追跡データの詳細を確認できなければ検証できず、4.8倍説も仮定や補正係数に依存する独自推定です。
このテーマを本格的に検証するなら、理想的なのは、出演した夫婦の対象範囲を明確にしたうえで、出演後5年、10年、20年といった期間ごとに婚姻状態を追跡し、同じ条件の一般夫婦と比較する方法です。結婚からの経過年数や初婚・再婚の違いも考慮しなければ、公平な比較にはなりません。
加えて、離婚した夫婦の割合を知りたいのか、年間の離婚件数を知りたいのか、人口当たりの離婚率を知りたいのかによって、必要なデータも計算方法も変わります。異なる指標を一つの「離婚率」として並べると、数字が示す意味を取り違えてしまいます。
番組を見るときも、個々の夫婦が語る経験と、出演夫婦全体の傾向は分けて考えるのが適切です。長年にわたって仲良く暮らしている夫婦もいれば、結婚生活で困難に直面する夫婦もいます。それぞれのエピソードには意味がありますが、個別の物語がそのまま統計になるわけではありません。
「新婚さんいらっしゃい離婚率の実態」を知るうえで重視すべきなのは、刺激的な数字ではなく、対象者・追跡期間・比較条件・算出方法がそろっているかどうかです。この基準を押さえておけば、今後新たな推定値が登場した場合も、その信頼性を冷静に判断できます。
【新婚さんいらっしゃい離婚率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:新婚さんいらっしゃいの出演夫婦の離婚率は33%ですか? A1:33%とするネット上の記事や回答はありますが、全出演夫婦を対象にした公式の確定値とは確認できません。対象者数や追跡期間、離婚の確認方法が明確でなければ、実際の離婚率として断定することはできません。
Q2:出演夫婦は一般の夫婦より4.8倍離婚しやすいのですか? A2:そのように断定できる公的な調査結果は確認できません。4.8倍説は、年間の出演組数や累積離婚率などに仮定を置いた独自推定です。実測された離婚率と区別して読む必要があります。
Q3:日本全体の離婚率は約35%というのは本当ですか? A3:婚姻件数に対する離婚件数の比率を指しているのであれば、近い数値になる年はあります。ただし、これは同じ年に結婚した夫婦のうち何%が将来離婚するかを示す数字ではありません。厚生労働省が公表する人口千対の離婚率とも区別する必要があります。
Q4:新婚さんいらっしゃいで離婚した夫婦は何組いますか? A4:歴代出演夫婦の離婚件数を網羅した公式統計は公表されていません。個別の放送や報道から離婚経験がわかる夫婦はいますが、その情報だけでは全出演夫婦に占める割合は計算できません。
Q5:2026年最新の離婚統計はどうなっていますか? A5:2026年10月時点で確認できる2025年の人口動態統計月報年計(概数)では、婚姻件数は48万9,119組、離婚件数は17万9,068組です。これは日本全体の年間統計であり、番組出演夫婦だけの離婚率を示すものではありません。
新婚さんいらっしゃいの離婚率については、約33%説や4.8倍説がネット上で紹介されています。しかし、番組公式の全出演夫婦追跡統計は公表されておらず、これらの数字を確定した事実として扱うことはできません。
厚生労働省の2025年人口動態統計月報年計(概数)では、日本全体の離婚件数は17万9,068組でした。年間の婚姻件数と離婚件数を比較することはできますが、その比率を生涯離婚確率とみなしたり、出演夫婦の離婚率と直接比較したりすることには注意が必要です。
歴代出演夫婦の中には、結婚から26年を経て番組に再登場した夫婦もいれば、離婚や関係修復を経験した夫婦もいます。こうした個別のエピソードは番組の魅力の一つですが、それだけで出演夫婦全体の離婚率を判断することはできません。
今後、「新婚さんいらっしゃい離婚率2026年最新」といった新たな推定値が公開された場合も、数字の出どころと計算方法を確認することが大切です。現時点では、出演夫婦の離婚率が日本全体より高いと裏付ける十分なデータはなく、33%説や4.8倍説は推定・未検証の数字として受け止めるのが妥当です。