2015年に「あったかいんだからぁ」で一世を風靡したお笑いコンビ、クマムシ。ワタナベエンターテインメントに所属する長谷川俊輔さんと佐藤大樹さんは、歌ネタを武器にお笑い界だけでなく音楽シーンにも進出し、日本レコード大賞の特別賞を受賞するほどのブームを巻き起こしました。
しかし、クマムシの魅力は一発ヒットの歌ネタだけではありません。2010年の結成から、コント師を目指していた時代、漫才への転向、そして2026年の活動までを振り返ると、2人が独自の芸風を確立してきた過程が見えてきます。長谷川さんの音楽的な才能と佐藤さんのツッコミがどのように組み合わさり、代表ネタが生まれたのか。公式プロフィールや過去のインタビュー、近年の報道をもとに、その経歴と現在地を整理します。
【クマムシのプロフィール】長谷川俊輔と佐藤大樹はどんな芸人?

クマムシは、ボケと歌を担当する長谷川俊輔さん、ツッコミを担当する佐藤大樹さんからなるお笑いコンビです。
所属事務所はワタナベエンターテインメント。ワタナベコメディスクールの卒業生で、歌唱力とコミカルな掛け合いを融合させた芸風で知られています。
2人の基本プロフィールを、所属事務所の公式情報やユニバーサル ミュージックのアーティストプロフィールをもとにまとめました。
長谷川俊輔(はせがわ・しゅんすけ)
ボケ・歌・ネタ作り
生年月日:1985年12月18日
出身地:埼玉県
身長:172cm
趣味:音楽鑑賞、DJ
特技:オリジナルソング作成、カラオケ、柔道二段
佐藤大樹(さとう・ひろき)
ツッコミ・掛け合い
生年月日:1988年3月30日
出身地:富山県
身長:177cm
趣味:音楽鑑賞、ファッション、クラブに行くこと
特技:スイーツ屋巡り、常に恋をすること
長谷川さんの特徴は、オリジナルソングを作り、メロディーと歌詞を組み合わせて笑いを生み出す能力です。ワタナベエンターテインメントの公式プロフィールにも、オリジナルソング作成やカラオケが特技として掲載されています。
一方の佐藤さんは、歌ネタの中で長谷川さんの振る舞いや歌に反応し、ツッコミによって笑いの輪郭をはっきりさせる役割を担っています。
2人に共通しているのは、音楽が身近な存在だったことです。事務所のプロフィールでも、両者の趣味に音楽鑑賞が挙げられています。
ただし、音楽好きという共通点だけで、クマムシの芸風が成立したわけではありません。長谷川さんが作る楽曲を、佐藤さんの反応や掛け合いによって「お笑いのネタ」として見せる構造が、コンビとしての大きな特徴です。
【結成は2010年】ワタナベコメディスクール時代からの歩み
クマムシが結成されたのは2010年。2人はワタナベコメディスクール12期生として出会いました。
MANTANWEBが紹介したプロフィールによると、当初、長谷川さんはピン芸人になることも考えていましたが、佐藤さんから誘われたことがコンビ結成のきっかけになりました。
2人が初めて組んで取り組んだのはコントです。スクールの月1回のライブで初めて披露したコントが優勝したことも、正式にコンビを組む後押しになりました。
ところが、養成所で評価を得たことと、プロとして継続的に評価されることは別問題でした。クマムシはその後、事務所ライブで思うような評価を得られず、芸風の見直しを迫られます。
クマムシの主な経歴
出典:ワタナベエンターテインメント公式プロフィール、MANTANWEB、オリコンニュース、スポーツ紙などの公表情報。
コンビ名「クマムシ」に込められたイメージ
クマムシという名前は、極端な環境でも生き延びることで知られる微小動物に由来します。芸人としての活動を考えると、厳しい状況でも生き残るというイメージを連想させる名前です。
もちろん、コンビ名だけで本人たちの意図や将来を断定することはできません。しかし、歌ネタで大ブレークした後も活動を続け、ライブやイベント、個人の仕事へと活動の幅を広げている現在の姿は、その名前から受ける印象とも重なります。
【コントから漫才へ】転向した理由と歌ネタ誕生の経緯
クマムシの芸風を理解するうえで欠かせないのが、コントから漫才へと方向転換した過程です。
もともとはコント師を目指していた結成当初のクマムシは、設定やキャラクターを作り込んだコントに取り組んでいました。
その一例が、長谷川さんが「おにぎり丸司(おにぎりまるつかさ)」というキャラクターに扮し、自作のビジュアル系ソングを披露するネタです。現在の歌ネタにつながる音楽的な発想は、この時期から表れていました。
ただし、当時は歌そのものだけで笑わせるというより、衣装やメイク、キャラクター設定を含めたコントとして見せるスタイルでした。
事務所ライブでは思うような評価が得られず、コントを続けるための衣装やメイクにも費用と手間がかかりました。こうした評価面と制作面の問題が、漫才への転向につながります。
作家の助言が転機になったオリコンニュースの2015年のインタビューで、長谷川さんは、作家から自分が好きなネタをやってみるよう助言されたことを振り返っています。
長谷川さんが好きだったのは、子どもの頃から親しんできた歌でした。また、高校時代には英語の教科書に出てくるフレーズを、メロディーに乗せて覚えていたといいます。
佐藤さんも、英文にメロディーをつけて覚えることがあったと同インタビューで語っています。
2人にとって音楽は、特別な訓練を経て初めて身につけた技術ではなく、以前から生活の中にあったものでした。作家の助言によって、その個人的な好みや習慣が、芸人としての表現に結びついたのです。
漫才に変えたことで何が変わったのかコントでは、設定を伝え、キャラクターを成立させるための準備が必要です。衣装やメイクも、その世界観を表現するための要素になります。
一方、漫才なら、2人が向かい合って会話を交わしながら、歌やメロディーをネタの中心に据えられます。クマムシの場合、歌そのものを見せ場にしつつ、佐藤さんのツッコミによって笑いを成立させる方法が、制作面でも舞台上でも機能しました。
オリコンニュースのインタビューによると、歌ネタを漫才として披露したところ、事務所ライブで3位となり、好評価を得たと長谷川さんは説明しています。
これは単なる衣装代の節約ではありません。コントではキャラクターを成立させるために使っていた音楽を、漫才では笑いの中心に置いたことが、クマムシの大きな転換点でした。
【代表ネタ「あったかいんだからぁ」】なぜ大ヒットしたのか
クマムシの代表作といえば、やはり「あったかいんだからぁ」です。
2014年ごろから歌ネタとして人気が広がり、2015年2月4日にはCDとして発売されました。お笑いのフレーズが音楽作品として流通し、賞の受賞にもつながった点で、コンビのキャリアを大きく変えた作品です。
「あったかいんだからぁ」の特徴は、耳に残るメロディーと、長谷川さんの見た目や振る舞いから生まれるギャップ、そして佐藤さんとの掛け合いにあります。
オリコンニュースのインタビューで長谷川さんは、もともと約4分のネタの中で、印象的なフレーズが登場するのは2か所だったと説明しています。ところが、ライブを重ねるうちに、そのフレーズが特に受けることに気づき、そこに焦点を当てた短いネタへと発展させました。
この制作過程は、クマムシの芸風を理解するうえで重要です。最初から大ヒットを狙って完成された曲を作ったというより、舞台での反応を受けて、笑いが生まれる部分を磨いていったのです。
長谷川の作曲力と佐藤のツッコミが生む相乗効果歌ネタは、曲がよければそれだけで笑いになるわけではありません。音楽として聞き入ってしまうほど完成度が高い一方で、芸人としての意外性や可笑しさが必要です。
長谷川さんが歌に集中するほど、佐藤さんの反応が重要になります。観客が「普通に歌がうまい」と感じる瞬間と、「これはお笑いのネタだ」と気づく瞬間の間に、クマムシならではの面白さが生まれます。
加えて、覚えやすいフレーズは、テレビでの短い出演やSNS上の動画でも伝わりやすい特徴を持っています。ネタを最初から最後まで見ていなくても、印象的な部分を記憶し、口ずさむことができます。
2015年にはCD発売に加え、第57回日本レコード大賞特別賞を受賞。日本有線大賞の話題賞も受賞しました。所属事務所の公式プロフィールにも、これらの受賞歴が掲載されています。
こうした実績は、クマムシの歌ネタが一時的なテレビの流行にとどまらず、音楽作品としても広く認知されたことを示しています。
「なんだしっ!」など、ほかの歌ネタも展開クマムシは「あったかいんだからぁ」だけでなく、「なんだしっ!」などの歌ネタも披露してきました。2015年には複数の楽曲を展開し、歌ネタを音楽作品へと発展させる活動も行っています。
ただし、ヒットした曲と同じレベルの反響を、毎回生み出せるわけではありません。オリコンニュースのインタビューでは、長谷川さんが楽曲を高いペースで作り続ける難しさを語っていました。
歌ネタは、漫才の台詞を考えるだけでなく、メロディーや歌詞、歌い方まで練り上げる必要があります。ヒット作を持つことは強みですが、同時に、その作品を超える新しいネタを期待されるという難しさも生みます。
【2026年のクマムシ】現在の活動とブレーク後の変化
「クマムシは今も活動しているの?」と気になる人も多いはずです。
2026年の公開情報を見ると、クマムシは過去のヒット曲だけで活動しているわけではありません。お笑いライブへの出演に加え、イベント出演や個人の活動も続けています。
漫才ライブやイベントへの出演を継続2026年初頭の公開されたライブ告知では、ワタナベエンターテインメントのお笑いライブや浅草・東洋館での漫才出演、地方イベントなどが案内されていました。
また、2026年6月20日には沖縄で開催された「OKINAWA COLLECTION 2026」に出演したことがモデルプレスで報じられています。長谷川さんが安田大サーカスのクロちゃんに扮し、佐藤さんがスタッフ役として登場する演出も行われました。
このような活動からは、歌ネタの知名度を維持するだけでなく、イベントの趣旨に合わせてキャラクターや掛け合いを使い分けている様子がうかがえます。
長谷川は「あったかいんだからぁ」を生かして熱波師に2025年10月のスポニチや日刊スポーツの報道では、長谷川さんがサウナ施設で熱波師として活動していることが紹介されました。
熱波師は、サウナでタオルなどを使って熱風を送る仕事です。長谷川さんは、代表ネタの「あったかいんだからぁ」を歌いながらタオルを振るパフォーマンスを行っていると説明しています。
報道によると、この活動は先輩芸人のロッチ・中岡創一さんから提案されたことがきっかけでした。長谷川さんにとっては、歌ネタの知名度を別の仕事へつなげる試みです。
これは、ブレークした芸人が芸能活動を続けるうえでの一つの選択肢でもあります。過去のヒット作を懐かしんでもらうだけでなく、その作品の特徴を別の現場で活用することで、仕事の可能性を広げられます。
ブレーク後の苦労も報じられているクマムシは2014年ごろにブレークし、2015年にはCDデビューや音楽賞の受賞を経験しました。しかし、ブームが落ち着いた後の活動は、必ずしも順風満帆ではありませんでした。
2024年には、千原ジュニアさんのYouTubeチャンネルに出演し、ブレーク後の約10年間やコンビ活動の苦労を振り返ったことがMANTANWEBなどで報じられています。
また、2025年4月には、石川県内のパチンコ店で開いたサイン会に客がほとんどいない様子を本人たちがSNSで公開し、ニュースになりました。ただし、これは特定のイベントで起きた出来事です。一度のサイン会の状況だけで、コンビ全体の人気や実力を判断するのは適切ではありません。
2026年のライブやイベントへの出演実績と合わせて見ると、クマムシはブレーク当時と同じ露出を維持することだけを目指すのではなく、現在の活動環境に合わせて仕事の形を広げていると考えられます。
【長谷川と佐藤の関係・芸人としての評判】コンビの強みと課題
クマムシを評価するとき、歌ネタの知名度だけに注目すると、コンビの実像を見誤る可能性があります。
長谷川さんは楽曲を作る力と歌唱力を持ち、佐藤さんはその表現をお笑いとして成立させるツッコミを担っています。役割が明確だからこそ、2人の個性がぶつかる場面や、掛け合いの中で生まれる笑いがネタの見どころになります。
コンビ仲は「いつも良好」「不仲」と単純には分けられない2024年の報道では、2人がブレーク後の苦労やコンビ活動の中で生じた亀裂について振り返ったことが伝えられました。大きな成功を経験したコンビであっても、仕事の方向性や環境の変化に直面することはあります。
ただし、過去に関係が難しくなった時期があったことと、現在の関係を一律に断定することは別です。2025年から2026年にかけても2人そろってイベントなどに出演しており、少なくとも公の活動ではコンビとしての仕事を続けています。
プライベートな関係を一つの言葉で決めつけるよりも、本人たちの発言と実際の活動を分けて見るほうが、実態を理解しやすくなります。
クマムシの芸風が評価される理由クマムシの強みは、次の3点に整理できます。
- 記憶に残るフレーズ: 短い時間でも印象を残せる歌ネタを持っている。
- 音楽としての完成度: 長谷川さんの作曲力や歌唱力によって、ネタのメロディー自体にも魅力がある。
- コンビの役割分担: 佐藤さんのツッコミが、歌の面白さとお笑いとしての意外性を引き立てる。
一方、代表作の知名度が高いコンビには、観客から同じ曲や同じフレーズを期待されやすいという課題があります。歌ネタを続けるには、ヒット作の再演だけでなく、新しいメロディーや設定、掛け合いを作り続ける必要があります。
クマムシが歌ネタ以外の演出やライブにも取り組んでいることは、そうした課題への対応という面からも見ることができます。
評判を判断するなら、ヒット実績と現在の活動を両方見るクマムシの代表作が大きな人気を獲得したことは、CD発売や音楽賞の受賞という具体的な実績で確認できます。一方、ブレーク後に活動環境が変化したことも、本人たちの振り返りや報道からうかがえます。
どちらか一方だけを取り上げると、評価は極端になりがちです。「一発屋」と決めつけるだけでは、その後のライブ活動や個人の仕事を説明できません。逆に、過去の大ヒットだけを根拠に現在も同じ規模の人気があると考えるのも、実情を正確に捉えた評価とはいえません。
芸人としての現在地を知りたい場合は、過去の受賞歴、直近の出演情報、新しい仕事への取り組みを組み合わせて判断することが大切です。
【プロの結論】クマムシは歌ネタを起点に活動を広げるコンビ
クマムシの歩みを振り返ると、最大の転機は、コント師を目指していた2人が、長谷川さんの音楽好きという個性を中心に据えた漫才へ転向したことでした。
「おにぎり丸司」のようなキャラクターコントから始まり、作家の助言をきっかけに歌を生かす方向へ進み、舞台での反応を受けて「あったかいんだからぁ」を磨き上げていった。その過程には、芸風を固定せず、評価を受けながら表現を調整していく姿勢が見られます。
2026年のクマムシを見るうえで大切なのは、2015年のブームだけで現在の活動を評価しないことです。ライブやイベントでの出演、長谷川さんの熱波師としての仕事など、過去の実績を新しい形で活用する動きにも目を向ける必要があります。
芸人としての評判を判断するなら、代表作の知名度だけでなく、現在どのような場所で、どんな表現を届けているのかまで見ること。それが、クマムシというコンビをより立体的に理解するための判断基準です。
【クマムシお笑いコンビ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:クマムシはいつ結成されたお笑いコンビですか?
A1:クマムシは2010年に結成されました。長谷川俊輔さんと佐藤大樹さんはワタナベコメディスクール12期生として出会い、当初はコントを中心に活動していました。
Q2:クマムシの長谷川と佐藤はどちらが歌っているのですか?
A2:主に歌を担当しているのは長谷川俊輔さんです。オリジナルソングの作成も長谷川さんの強みで、佐藤大樹さんは主にツッコミを担当し、歌ネタをお笑いとして成立させる役割を担っています。
Q3:クマムシがコントから漫才へ転向した理由は何ですか?
A3:事務所ライブでコントが思うような評価を得られなかったことや、衣装・メイクなどの制作上の負担が背景にありました。作家の助言をきっかけに、長谷川さんが子どもの頃から好きだった歌を生かす方向へ進み、歌ネタ漫才で好評価を得ました。
Q4:「あったかいんだからぁ」はいつヒットしたのですか?
A4:2014年ごろから歌ネタとして人気が広がり、2015年2月4日にCDが発売されました。同年、第57回日本レコード大賞特別賞を受賞するなど、大きな反響を呼びました。
Q5:クマムシは2026年も活動していますか?
A5:はい。2026年には漫才ライブやイベントへの出演が確認できます。2025年には長谷川さんが代表ネタを生かしたサウナの熱波師としての活動も紹介されており、コンビでの活動と個人の仕事を組み合わせています。
Q6:クマムシのコンビ仲は悪いのですか?
A6:2024年の報道では、ブレーク後にコンビ活動で苦労したことや関係が難しくなった時期があったことが伝えられています。ただし、それだけで現在の関係を断定することはできません。2025年から2026年にかけても、2人での出演やイベント活動が確認されています。
クマムシは、2010年に結成された長谷川俊輔さんと佐藤大樹さんのお笑いコンビです。コントから漫才へと方向転換し、長谷川さんの音楽的な才能と佐藤さんのツッコミを組み合わせた歌ネタによって、全国的な知名度を獲得しました。
代表作「あったかいんだからぁ」は、舞台での反応を受けて磨かれたネタが音楽作品へ発展した成功例です。一方、ブレーク後には活動環境の変化も経験し、現在はライブやイベント、個人の仕事などへと活動の幅を広げています。
クマムシを理解する要点は、過去の大ヒットと現在の活動を切り離さずに見ること。 歌ネタが生まれた背景や、コントから漫才への転向、2人それぞれの個性を知ることで、このコンビが歩んできた道筋と、今も活動を続ける理由が見えてきます。