お笑いコンビ・ジャルジャルとキングオブコントの歩みを振り返るうえで、最大の転換点となったのが2020年9月26日の決勝戦だ。後藤淳平と福徳秀介は、2008年の第1回大会から挑戦を続け、13回目の出場で悲願の初優勝を達成。ファーストステージ477点、ファイナルステージ464点、合計941点という結果で、第13代キングの称号と優勝賞金1000万円を獲得した。
前年の2019年には、ファーストステージで同点となったGAGとの決選投票を制してファイナルへ進み、最終3位に入っている。あと一歩で頂点に届かなかった経験を経て、翌年に栄冠をつかんだ背景には、独特のコントの発想力と、長年にわたる大会挑戦の積み重ねがあった。2026年の大会結果も踏まえ、歴代成績、決勝ネタ、得点、優勝の理由を整理する。
【歴代成績】ジャルジャルは13回の挑戦でどう頂点に立ったのか

ジャルジャルは後藤淳平と福徳秀介によるお笑いコンビで、2003年に結成。キングオブコントには2008年の第1回大会から2020年まで連続して出場し、13回目の挑戦で優勝を果たした。
TBSの大会発表や過去の決勝記録によると、ジャルジャルは2009年と2010年に2年連続で決勝へ進出。その後も準決勝進出を重ね、2019年に9年ぶりとなる決勝の舞台へ戻った。2020年は前年に続く決勝進出で、ついに優勝を成し遂げている。
歴代成績を確認すると、初期の決勝進出から長い予選突破の時期を経て、2019年、2020年に結果を残した流れが見えてくる。
| 大会・時期 | 成績 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 2008年 | 準決勝進出 | 第1回大会から挑戦を開始 |
| 2009年 | 決勝進出・最終8位 | 初の決勝進出 |
| 2010年 | 決勝4位 | 2年連続で決勝へ進出 |
| 2011~2018年 | 各年準決勝進出 | 決勝進出には届かない時期も挑戦を継続 |
| 2019年 | 3位・合計905点 | GAGとの決選投票を制してファイナル進出 |
| 2020年 | 優勝・合計941点 | 13回目の挑戦で第13代キングに |
特筆すべきなのは、単に決勝進出の回数が多いことではない。2009年の初決勝から2020年の優勝まで、約11年にわたって大会に挑み続けた点だ。若手の勢いだけでなく、独自の笑いを磨き続ける継続力が、最終的な結果につながった。
なお、2019年と2020年は2年連続の決勝進出であり、2020年は決勝進出4回目にして初優勝となった。これがジャルジャルのキングオブコント史を理解するうえで重要な数字だ。
【2019年は3位】GAGとの同点から優勝前夜の激闘を振り返る
2019年9月21日に行われたキングオブコント2019の決勝で、ジャルジャルはファーストステージ457点を獲得した。しかし、同じ457点を記録したGAGとの間で、ファイナルステージ進出を懸けた決選投票が発生する。
日刊スポーツやマイナビニュースなどの決勝報道によると、審査員5人による投票はジャルジャルが3票、GAGが2票。ジャルジャルが僅差で勝ち残り、上位3組によるファイナルステージへ進出した。
ファイナルステージでは448点を記録。ファーストステージとの合計は905点となり、優勝したどぶろっくの935点、2位のうるとらブギーズの925点に続く3位で大会を終えた。
この結果は、翌年の優勝を考えるうえでも重要だ。2019年のジャルジャルは、ファーストステージで突出した首位ではなかったものの、同点のライバルを退けて最終決戦に残り、最終順位3位まで上り詰めていた。
加えて、優勝会見で福徳は、前年にプライベートでラグビーをして足の指を骨折し、ネタを変更することになったと振り返っている。クイック・ジャパン ウェブの会見記事でも、この事情が紹介された。準備してきたネタを本番で変更する状況は、決勝で結果を残すうえで小さくない制約だったと考えられる。
もちろん、2019年の3位と2020年の優勝を単純に前年の反省だけで説明することはできない。それでも、決勝進出の経験を持ち越し、翌年も同じ舞台で勝負できたことは、13回目の挑戦を支える経験の一つになったはずだ。
【キングオブコント2020】477点・464点・941点の内訳を解説
2020年9月26日、ジャルジャルはキングオブコント2020のファーストステージで477点を獲得し、10組中1位でファイナルステージに進出した。5人の審査員が各100点満点で採点する方式で、500点満点中477点という高得点だった。
ファイナルステージでは464点を獲得。2本の合計は941点となり、ニューヨークの924点、空気階段の921点を上回って優勝した。TBSの大会結果発表によれば、エントリー総数1707組の頂点に立ち、第13代キングとなった。
この数字を詳しく見ると、勝利の構造がわかる。ファーストステージでは、ニューヨークの461点に対して16点差をつけた。一方、ファイナルステージではジャルジャルが464点、ニューヨークと空気階段がそれぞれ463点で、わずか1点差だった。
つまり、最後のネタだけで圧倒したわけではない。1本目で築いたリードを、2本目でも高得点を獲得して守り切ったのである。2ステージ合計で順位が決まる大会ルールに対し、1本目と2本目の両方で安定して評価を得たことが優勝に直結した。
2020年の最終結果は次のとおりだ。
- ジャルジャル:ファースト477点、ファイナル464点、合計941点で優勝
- ニューヨーク:ファースト461点、ファイナル463点、合計924点で2位
- 空気階段:ファースト458点、ファイナル463点、合計921点で3位
優勝賞金は1000万円。後藤と福徳にとって、13回目の挑戦でつかんだ初めてのキングオブコント王者の座だった。
【決勝ネタ】「野沢ワクチン」と「空き巣タンバリン」は何が評価されたのか
キングオブコント2020でジャルジャルが披露したのは、ファーストステージの「野沢ワクチン」と、ファイナルステージの「空き巣タンバリン」だ。TBSの大会結果発表では、この2本の得点がそれぞれ477点、464点と記録されている。
「野沢ワクチン」は、ボートレース場で新人歌手がヤジに耐える状況を軸にしたネタとして報じられた。日常的な場面に少しずつ違和感を積み上げ、登場人物の反応や言葉のやり取りによって笑いを広げていく構成が特徴だ。
一方の「空き巣タンバリン」は、空き巣とタンバリンという意外な組み合わせを中心にしたコント。静かに行動したいはずの空き巣が、音の出る楽器によって状況を制御できなくなっていく。設定そのものに矛盾や不都合を仕込み、そこから展開を生み出すジャルジャルらしい発想が生きている。
2本のネタに共通するのは、複雑な前提を長々と説明するのではなく、ひとつの設定を観客に理解させたうえで、その設定から生まれるおかしさを反復していくことだ。登場人物が奇妙な状況に直面しても、本人たちは真剣に振る舞う。その温度差が笑いを生み出す。
ただし、得点だけから審査員全員が同じ理由で高く評価したと断定することはできない。ネタのどの部分が個々の審査員に響いたかは、採点内訳やコメントを区別して読み解く必要がある。
それでも、ファーストステージで477点を獲得し、ファイナルステージでも464点を記録した事実は重要だ。独特な設定を軸にしたコントが、2本続けて決勝の高い評価につながったのである。
【優勝の理由】後藤淳平・福徳秀介の強みと13年間の積み重ね
ジャルジャルがキングオブコント2020で優勝した理由は、得点と大会の歩みを合わせて考えると、主に3つの観点から整理できる。
1つ目は、独自の設定を笑いに変える発想力だ。「野沢ワクチン」や「空き巣タンバリン」は、設定を聞いただけで物語の結末がわかるような定番型ではない。登場人物が置かれた状況と、そこから生じる不都合を少しずつ積み重ねることで、笑いを生み出していく。
2つ目は、ネタの仕組みを観客に伝える演技と反復だ。奇妙な設定を成立させるには、演者が状況を理解しているように見せることが欠かせない。後藤と福徳の掛け合いでは、本人たちが真剣であるほど状況の異常さが際立つ。発想だけでなく、設定を舞台上で成立させる技術も評価の対象になったと考えられる。
3つ目は、長年の大会経験だ。2008年の初回から出場を続け、2009年と2010年に決勝を経験した後、2019年に3位、2020年に優勝した。決勝の採点方式や舞台の緊張感を知ったうえで、2本のネタを披露できることは、競技形式への対応力という意味でも強みになる。
優勝後、審査員の松本人志は、ジャルジャルについて「とっくに優勝してもおかしくない実力のあるコンビ」と評価したと報じられている。このコメントは、2020年の優勝が一度きりの偶然ではなく、長年培ってきた実力が大舞台の結果に結びついたと見る根拠の一つだ。
もっとも、長く出場していれば必ず優勝できるわけではない。賞レースでは、その年のネタの完成度、競争相手、審査員の評価、2本の得点の組み合わせが結果を左右する。ジャルジャルの歩みが示すのは、継続だけで勝てるという話ではなく、独自の芸風を磨きながら勝負の機会を重ね、結果につなげたということだ。
【評判と2026年最新】ジャルジャルの優勝は今もどう評価されている?
ジャルジャルのキングオブコント優勝を評価する際には、得点という客観的な結果と、ネタの好みという主観的な評価を分けて考えることが大切だ。2020年はファーストステージ1位、ファイナルステージも1位、合計941点での優勝だった。この数字は、決勝の2本を通して高い評価を得たことを示している。
一方、ジャルジャルのコントは、奇妙な設定や独特の反復を笑いの中心に置く。状況を少しずつ崩していくタイプの笑いを好む視聴者には魅力が伝わりやすい反面、明確な物語の起伏や人情味を重視する人には、作風が独特に映ることもある。こうした好みの違いと、決勝での得点や順位は、同じものとして扱うべきではない。
2026年の最新状況にも触れておこう。キングオブコント2026は10月17日に決勝が行われ、ジェラードンが第19代キングに輝いた。MANTANWEBの決勝報道によると、ジェラードンはファーストステージ671点、ファイナルステージ671点、合計1342点を獲得した。
ただし、2020年のジャルジャルの941点と、2026年のジェラードンの1342点を数字だけで比較するのは適切ではない。2020年は審査員5人、各ステージ500点満点だったのに対し、2026年は審査員7人体制で、各ステージ700点満点となっているためだ。得点を比べる際には、採点方式の違いを踏まえる必要がある。
ジャルジャルの記録は、2020年大会の優勝者として現在も残っている。2019年の3位から翌年の頂点へ進んだ経緯は、結果だけでなく、賞レースにおける挑戦の継続とネタの完成度を考えるうえでも印象的な事例だ。
【ジャルジャルキングオブコント】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ジャルジャルがキングオブコントで優勝したのは何年ですか?
A1:2020年9月26日に開催されたキングオブコント2020です。後藤淳平と福徳秀介が第13代キングとなり、優勝賞金1000万円を獲得しました。
Q2:ジャルジャルの941点は、どのような内訳ですか?
A2:ファーストステージが477点、ファイナルステージが464点で、合計941点です。ニューヨークの924点、空気階段の921点を上回りました。
Q3:ジャルジャルは2019年のキングオブコントで何位でしたか?
A3:最終3位です。ファーストステージで457点を獲得し、GAGとの決選投票を制してファイナルへ進出。ファイナル448点を加え、合計905点で大会を終えました。
Q4:2020年の決勝ネタは何でしたか?
A4:ファーストステージは「野沢ワクチン」、ファイナルステージは「空き巣タンバリン」です。前者はヤジを受ける新人歌手を軸にした設定、後者は空き巣とタンバリンの組み合わせを生かしたコントとして知られています。
Q5:2026年のキングオブコント優勝者もジャルジャルですか?
A5:いいえ。2026年10月17日の大会ではジェラードンが優勝し、第19代キングとなりました。ジャルジャルは2020年大会の第13代キングです。
ジャルジャルのキングオブコント史は、2008年の初挑戦から2020年の初優勝まで、13回の挑戦を積み重ねた歩みだ。2009年と2010年の決勝進出、2019年の3位、そして2020年の合計941点という結果は、その過程を象徴している。
優勝の背景には、「野沢ワクチン」と「空き巣タンバリン」に代表される独自の発想、設定を舞台上で成立させる技術、そして決勝経験を重ねてきた蓄積があった。特に、1本目で477点を獲得してリードを作り、2本目でも464点を記録したことが、最終的な勝利を支えた。
2026年のキングオブコントではジェラードンが新たな王者となったが、ジャルジャルの2020年優勝は、同じ芸風を磨き続けることと、勝負の場で結果を残すことの両方が必要だと教えてくれる。歴代成績を追う際には、優勝回数だけでなく、決勝までの経緯、ネタの内容、採点方式まで合わせて見ることで、大会と芸人の歩みをより深く理解できる。